YouTubeで探る「三体」の魅力:概要からキャスト、関連商品まで徹底解説

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「三体」とは?作品概要をチェック

「三体」は、中国の作家・劉慈欣(りゅう・じきん)によって執筆されたSF小説です。

アジア圏の作品として初めて、SF界のノーベル賞とも称される「ヒューゴー賞」を受賞し、世界的なベストセラーとなりました。

物語は、中国の文化大革命時代から始まります。

物理学者であった父を目の前で惨殺された絶望から、人類を見限ったエリート科学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)。

彼女が謎の軍事基地「紅岸(こうがん)基地」から宇宙に向けて放ったメッセージが、数十年後の地球に、そして全人類の運命に想像を絶する危機をもたらすことになります。

現代パートでは、世界中で著名な科学者たちが次々と謎の自殺を遂げる事件が発生します。

ナノテクノロジーの研究者である汪森(ワン・ミャオ)は、不可解な現象に直面する中、謎のVRゲーム「三体」に没入していきます。

そのゲームの世界で描かれるのは、三つの太陽が不安定な軌道を描く過酷な惑星と、そこで幾度となく滅亡と再生を繰り返す異星文明の姿でした。

やがて汪森は、このゲームが単なる遊びではなく、地球外文明「三体」による恐るべき侵略計画と、それに呼応する地球の組織の存在を示すものであることを知ります。

本作は、難解な物理学の「三体問題」をモチーフにしながら、人類の存亡、文明間の対立、そして宇宙の冷酷な真実を壮大なスケールで描くハードSFの金字塔です。

原作は『三体』『三体II:黒暗森林』『三体III:死神永生』の三部作で構成されています。

YouTubeで観る「三体」オープニング

「三体」は、その人気から複数の映像化が実現しています。

特に有名なのが、2024年に配信が開始されたNetflix版『三体』と、それ以前に制作された中国の「テンセント版ドラマ『三体』」です。

ここでは、世界的に大きな話題となったNetflix版のオープニング・クレジットをご紹介します。

音楽は『ゲーム・オブ・スローンズ』などで知られるラミン・ジャヴァディが担当しており、作品の壮大で不穏な雰囲気を象徴しています。

「三体」のさらに詳しい情報(詳細)

『三体』の魅力は、その重厚なストーリーと、根底に流れる冷徹な宇宙観にあります。

物語の核心の一つは「フェルミのパラドックス(宇宙には地球外文明が存在するはずなのに、なぜ我々はその痕跡を発見できないのか?)」に対する一つの解答を提示している点です。

作中で(主に続編で)明かされる「暗黒森林」理論は、宇宙を「すべての文明が他の文明を脅威とみなす、暗い森」に例えます。

「自らの存在を発見された文明は、即座に他者から攻撃され滅ぼされる」という冷酷な生存戦略が、宇宙の普遍的な法則である可能性を突き付けます。

この絶望的な宇宙社会学が、人類が直面する「三体文明」との関係性に重くのしかかります。

映像化作品には、大きく分けて二つの流れがあります。

一つは、中国で制作され、原作ファンから「高い忠実度」で評価されているテンセント版ドラマ『三体』(日本ではPrime Videoなどで視聴可能)です。

全30話という長い尺を使い、原作小説第一部のディテールや、中国の文化的背景を丁寧に描写しているのが特徴です。

科学者・汪森と刑事・史強のバディものとしての側面も色濃く描かれています。

もう一つは、『ゲーム・オブ・スローンズ』の製作陣が手掛けたNetflix版『三体』です。

こちらは、三部作にわたる原作の要素を再構成し、物語の舞台をロンドンに移すなど、大胆な「魔改造」とも言えるグローバル向けの脚色が加えられています。

原作の主要人物の一部は「オックスフォード・ファイブ」と呼ばれる5人の友人グループに集約され、テンポ良くドラマチックな展開が重視されています。

この脚色については賛否両論ありますが、難解な原作の魅力をより多くの視聴者に届けることに成功したとも言えるでしょう。

「三体」を彩るキャスト陣と代表作品

ここでは、主要な二つの実写版、Netflix版とテンセント版のキャストを紹介します。

Netflix版『三体』主要キャスト

ダー・シー(史強) (演:ベネディクト・ウォン)

科学者の連続自殺事件を追う、型破りだが非常に有能な諜報機関の捜査官。

原作の史強(シー・チアン)に相当します。

  • 主な代表作品:
    • 『ドクター・ストレンジ』シリーズ(ウォン 役)
    • 『アベンジャーズ』シリーズ(ウォン 役)
    • 『オデッセイ』

オギー・サラザール (演:エイザ・ゴンザレス)

ナノテクノロジーの権威であり、オックスフォード・ファイブの一人。

原作の汪森(ワン・ミャオ)の要素を一部引き継いでいます。

  • 主な代表作品:
    • 『ベイビー・ドライバー』
    • 『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』
    • 『ゴジラvsコング』

葉文潔(イエ・ウェンジエ) (演:ロザリンド・チャオ / (若き日)ジーン・ツェン)

物語の発端となる決断を下した、中国の天体物理学者。

  • 主な代表作品(ロザリンド・チャオ):
    • 『ジョイ・ラック・クラブ』
    • 『ムーラン』(実写版)

トマス・ウェイド (演:リーアム・カニンガム)

三体文明の脅威に対抗するため、超法規的な権限を持つ組織を率いるリーダー。

  • 主な代表作品:
    • 『ゲーム・オブ・スローンズ』(ダヴォス・シーワース 役)
    • 『タイタンの戦い』

テンセント版ドラマ『三体』主要キャスト

汪淼(ワン・ミャオ) (演:張魯一 / チャン・ルーイー)

ナノ素材の研究者であり、不可解な現象に巻き込まれる本作の主人公。

  • 主な代表作品:
    • 『始皇帝 天下統一』
    • 『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』
    • 『容疑者Xの献身』(中国リメイク版)

史強(シー・チアン) (演:于和偉 / ユー・ホーウェイ)

汪森に協力する豪放磊落なベテラン刑事。

粗野に見えるが、鋭い洞察力を持つ。

  • 主な代表作品:
    • 『三国志〜司馬懿 軍師連盟〜』(曹操 役)
    • 『上陽賦〜運命の王妃〜』

葉文潔(イエ・ウェンジエ) (演:(老年)陳瑾 / チェン・ジン、(青年)王子文 / ワン・ズーウェン)

文化大革命で絶望し、紅岸基地で宇宙への交信を行う物語のキーパーソン。

  • 主な代表作品(陳瑾):
    • 『明蘭〜才媛の春〜』
    • 『王妃の紋章』
  • 主な代表作品(王子文):
    • 『陰陽師: とこしえの夢』
    • 『歓楽頌』

「三体」の社会的評価と影響(まとめ)

『三体』がSF史に残した影響は計り知れません。

最大の功績は、前述の通り、アジア人作家の長編SFとして初めてヒューゴー賞を受賞したことです。

これは、これまで欧米中心であったSF界において、中国SFの台頭と、その想像力の高さを世界に知らしめる画期的な出来事でした。

バラク・オバマ元米大統領やマーク・ザッカーバーグらが愛読書として公言したことも、その人気を後押ししました。

作品の評価は、その圧倒的なスケール感と、科学的知見に裏打ちされたハードなSF描写、そして「暗黒森林」理論に代表されるような哲学的とも言える文明論に集約されます。

人類の科学技術が、圧倒的な上位文明の前ではいかに無力であるかを描き出す展開は、多くの読者に衝撃を与えました。

一方で、映像化作品(特にNetflix版)は、原作の持つ複雑で難解なプロットをいかに大衆向けエンターテイメントに落とし込むかという課題に直面しました。

Netflix版は、原作の骨格は残しつつも、キャラクター設定や展開を大幅に変更したことで、原作ファンからは「魔改造」と批判される側面もありました。

しかし、同時に、このドラマ化によって『三体』という作品の知名度は爆発的に高まり、新たなファン層を獲得したことも事実です。

テンセント版が「原作への忠実さ」で評価される一方、Netflix版は「グローバルな解釈」で議論を呼ぶという、二つの異なるアプローチが生まれたこと自体が、『三体』という作品の持つ普遍的な力の強さを示していると言えるでしょう。

「三体」関連商品とグッズ

『三体』の世界にさらに深く触れたい方のために、主要な関連商品をご紹介します。

  • 原作小説(日本語版):

    • まずは原作の読了をお勧めします。
    • 早川書房(ハヤカワ文庫SF)から、大森望、立沢木蘭、光吉さくら、ワン・チャイによる翻訳で全三部作(第一部『三体』は上下巻、または単巻、第二部『黒暗森林』、第三部『死神永生』はそれぞれ上下巻)が刊行されています。
    • 電子書籍版(Kindleなど)でも入手可能です。
  • 映像作品(配信・パッケージ):

    • Netflix版『三体』: Netflixで独占配信中です。
    • テンセント版ドラマ『三体』: 日本ではPrime Video、Hulu、U-NEXTなどの各種配信サービスで視聴可能です。
    • アニメ『三体』: 中国のbilibili制作のアニメ版。

    日本ではWOWOWや各種配信サービスで公開されました。

    原作第二部『黒暗森林』の主人公・羅輯(ルオ・ジー)を主軸に置いています。

  • 関連書籍:

    • 『三体』の解説本や、著者・劉慈欣の他の短編集(『円環』『流浪地球』など)も邦訳されています。

    『三体』の世界観を補完する上で非常に興味深い内容です。

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