映画『アンダーワールド』のウンチク集!セリーン誕生秘話とゴシック・アクション製作の裏側

うんちく

映画『アンダーワールド』のウンチク集!セリーン誕生秘話とゴシック・アクション製作の裏側

「アンダーワールド」の概要

映画『アンダーワールド』シリーズは、2003年に第1作が公開されたアクションホラー作品です。

何世紀にもわたり秘密裏に続けられてきた、貴族的な吸血鬼(ヴァンパイア)と、野蛮ながらも組織化された狼男(ライカン)の種族間戦争を描いています。

ケイト・ベッキンセール演じる美しき女戦士「セリーン」を主人公に、ゴシック調のダークな世界観と、銃撃と格闘術を融合させたスタイリッシュなアクションが融合し、世界的な人気を獲得しました。

この魅力的なダークファンタジーの製作背景には、多くの興味深い「うんちく」が隠されています。

「アンダーワールド」の詳細と製作秘話

『アンダーワールド』をより深く楽しむための、製作の裏側やトリビアをいくつか紹介します。

監督と主演女優の「職場結婚」

本作は、主演のケイト・ベッキンセールと監督のレン・ワイズマンが運命的な出会いを果たした作品として非常に有名です。

当時、ベッキンセールは俳優のマイケル・シーン(本作でライカンのリーダー、ルシアン役を演じている)と事実婚の関係にありました。

しかし、本作の撮影を通じてベッキンセールとワイズマン監督は恋に落ち、撮影終了後に交際を開始、2004年に結婚しました(後に離婚)。

映画本編でのセリーンとルシアン(元パートナー)の敵対関係、そしてセリーンとマイケル(新キャラクター)の恋愛関係は、現実の人間模様と奇妙にリンクしており、シリーズを語る上で欠かせない「うんちく」となっています。

セリーンの象徴「ラバースーツ」の苦労

セリーンのトレードマークである、体にぴったりとフィットした黒いラバースーツ(コルセット含む)。

この衣装は彼女のキャラクターを象徴するものですが、演じたケイト・ベッキンセールにとっては大変な試練でした。

スーツは非常にタイトで着脱が困難であり、特にトイレに行く際は数人がかりで手伝う必要があったと彼女は語っています。

また、ワイヤーアクションや激しいスタントのために、撮影では何十着ものスーツが用意され、破損するたびに取り替えられていました。

ゴシック版「ロミオとジュリエット」

『アンダーワールド』の物語の核は、敵対する二つの種族(吸血鬼とライカン)に属する者が恋に落ちるというものです。

製作陣は、この基本プロットがシェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』に強くインスパイアされていることを公言しています。

吸血鬼の女戦士セリーンと、ライカンに噛まれてハイブリッドとなる人間マイケルの禁断の恋は、まさにゴシックホラー版の「ロミオとジュリエット」と言えるでしょう。

「ライカン」という呼称へのこだわり

本作では、狼男のことを一般的な「ワーウルフ(Werewolf)」ではなく、一貫して「ライカン(Lycan)」と呼称します。

これは、単なる狼男ではなく、知性を持ち、人型と獣型をある程度コントロールでき、組織化された独自の種族であることを強調するためです。

「ライカン」という言葉は、ギリシャ神話のリュカオーン(Lycaon)や、狼に変身する病「ライカンスロープ(Lycanthrope)」に由来しており、作品独自の世界観構築に一役買っています。

徹底された「青」の色彩設計

『アンダーワールド』シリーズ、特に初期の作品は、一貫して彩度を抑えた「青みがかった」冷たい色調で統一されています。

これは、物語のほとんどが夜(吸血鬼が活動できる時間)に進行することを示すと同時に、ゴシックホラーとしてのダークで非情な世界観を視覚的に表現するための意図的な演出です。

この独特の色彩感覚が、本作のスタイリッシュな映像美を決定づけています。

前日譚が先に企画されていた?

シリーズ3作目として公開された『アンダーワールド: ビギンズ』は、セリーンが登場せず、ライカンのルシアンを主人公に、種族間戦争の起源を描いた前日譚です。

実は、監督のレン・ワイズマンは、第1作の時点で既にこの前日譚の構想を持っており、シリーズが成功すればいつか映画化したいと考えていました。

ルシアンを演じたマイケル・シーンの強い希望もあり、この「始まりの物語」が実現したという経緯があります。

参考動画

まとめ

『アンダーワールド』は、ケイト・ベッキンセールを不動のアクション女優の地位に押し上げたキャリアの代表作です。

2000年代初頭に『ブレイド』や『マトリックス』が切り開いたスタイリッシュ・アクションの流れを汲みつつ、「ゴシックホラー」と「種族間戦争」という要素を融合させ、独自のジャンルを確立しました。

古典的なモンスターである吸血鬼と狼男を、近代兵器(特殊な紫外線弾など)と中世からの因縁が入り混じる現代の戦争ドラマとして再構築した功績は大きく、そのダークな魅力は今も多くのファンを惹きつけてやみません。

関連トピック

ケイト・ベッキンセール (Kate Beckinsale)

本作の主人公セリーンを演じたイギリスの女優です。

本作でのハードなアクションをこなし、知性と美貌を兼ね備えたアクションスターとしての地位を確立しました。

レン・ワイズマン (Len Wiseman)

本作の監督であり、ケイト・ベッキンセールのかつての夫です。

独特の映像美とアクション演出に定評があり、後に『ダイ・ハード4.0』なども手掛けました。

ブレイド (Blade)

『アンダーワールド』に先立ち、現代を舞台に吸血鬼とガジェットを駆使したアクションを描き、ヒットしたマーベル映画です。

本作にも大きな影響を与えたとされています。

バイオハザード (Resident Evil)

同じく2000年代に人気を博した、ミラ・ジョヴォヴィッチという女性主人公がクリーチャーと戦うアクションホラー映画シリーズです。

しばしば本作と比較・併記されます。

関連資料

アンダーワールド (Blu-ray / DVDコンプリートBOX)

シリーズ全作を網羅したボックスセットです。

監督やキャストによる音声解説(コメンタリー)には、ここで紹介しきれなかった製作裏話や「うんちく」が豊富に含まれています。

The Art of Underworld: The Making of the Film (書籍)

海外で出版された公式のメイキング本です。

コンセプトアートや設定資料が豊富に掲載されており、シリーズの世界観を深く知ることができます。

セリーン アクションフィギュア (フィギュア)

ホットトイズやスターエース トイズなど、様々なメーカーから主人公セリーンの高精細な1/6スケールフィギュアが発売されています。

劇中のスーツや武器が忠実に再現されています。

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