YouTubeで「アラーム・フォー・コブラ11」

アクション・冒険

YouTubeで「アラーム・フォー・コブラ11」

概要

ドイツのアウトバーン(高速道路)を舞台に、高速警察隊の刑事コンビが凶悪犯罪に立ち向かう長寿カーアクションドラマです。
1996年の放送開始以来、その規格外のカーアクションと爆破シーンで世界的な人気を博し、日本でも「アウトバーン・コップ」などの別名で親しまれています。
主人公のゼミル・ゲーカーンを中心に、相棒を変えながらも正義のために走り続ける熱い刑事たちの物語です。

オープニング

詳細

「アラーム・フォー・コブラ11(原題:Alarm für Cobra 11 – Die Autobahnpolizei)」は、ドイツの民放局RTLで製作・放送されているアクション刑事ドラマシリーズです。
最大の特徴は、何と言ってもその圧倒的なスケールのカーアクションにあります。
制作を手掛けるのは、スタント専門の制作会社「アクション・コンセプト(Action Concept)」であり、彼らの手によるカースタントはハリウッド映画をも凌ぐ迫力を持っています。
毎回の決まり文句として、「彼らの担当区域はアウトバーン。昼夜を問わず、最高速度で疾走する。彼らの敵は、自動車泥棒、殺人犯、ゆすり屋。コブラ11の男たちは、常に命がけだ」というナレーションが流れます(シーズンにより異なる場合があります)。
この言葉通り、物語は基本的に高速道路上での事件発生から始まり、数十台規模の玉突き事故、空を飛ぶ車両、タンクローリーの大爆発といったスペクタクルシーンが惜しげもなく投入されます。

ドラマの構造は、主人公であるトルコ系ドイツ人のベテラン刑事、ゼミル・ゲーカーン(Semir Gerkhan)と、その相棒(パートナー)の二人組による「バディもの」の形式をとっています。
ゼミルは小柄ながらも強靭な肉体と不屈の精神を持ち、常にBMW(主に3シリーズ)を愛車として乗り回します。
一方の相棒は、シーズンごとに変遷し、それぞれに個性的なキャラクターが設定されています。
初期の無鉄砲な若手刑事から、少し気障な伊達男、ロックバンドのボーカルを兼ねるようなチャラ男、あるいは真面目すぎる堅物など、ゼミルとの掛け合いがドラマの大きな魅力となっています。
特に日本でも人気の高かった「ベン・イェーガー(Ben Jäger)」の時代は、アクションとコメディのバランスが絶妙で、シリーズの黄金期の一つとされています。

物語の舞台は、ドイツ西部のノルトライン=ヴェストファーレン州、主にケルンやデュッセルドルフ周辺です。
劇中では、ライン川やケルン大聖堂などのランドマークが登場することもありますが、基本的には破壊されるために用意された高速道路のセットや、封鎖された実際の道路が主役となります。
このドラマのために、制作会社はドイツ国内にヨーロッパ最大級の映画・ドラマ用高速道路セット(FTL Germany)を建設したことでも知られています。
これにより、一般車両を気にすることなく、より過激で複雑なスタント撮影が可能となりました。

長年の放送の中で、デジタル技術の進化と共に映像表現もリッチになりましたが、CGに頼りすぎず、あくまで「実車を破壊する」ことにこだわり続けている点が、世界中のアクションファンから支持される理由です。
廃車になった高級車の数は数千台にのぼると言われており、BMWやメルセデス・ベンツなどのドイツ車が、これでもかと言うほどスクラップにされていきます。
また、ストーリーも単なるアクションだけでなく、相棒の死や裏切り、ゼミルの家族を巻き込んだシリアスな展開など、重厚な人間ドラマが描かれるエピソードも少なくありません。
近年では、シリーズ初の女性相棒が登場するなど、時代の変化に合わせたアップデートも行われています。

キャスト

  • ゼミル・ゲーカーン (Semir Gerkhan): エルドゥアン・アタライ (Erdogan Atalay) – シリーズを通しての絶対的な主人公。熱血漢で家族思いのベテラン刑事。
  • ベン・イェーガー (Ben Jäger): トム・ベック (Tom Beck) – ゼミルの相棒として特に人気の高かったキャラクター。ミュージシャンとしての顔も持つ。
  • トム・クラーニッヒ (Tom Kranich): レネ・シュタインケ (René Steinke) – ゼミルの長年の相棒。悲劇的な最期を迎えたことでも知られる。
  • パウル・レナー (Paul Renner): ダニエル・ローズナー (Daniel Roesner) – ウォータースポーツが得意な若き相棒。
  • ヴィッキー・ライジンガー (Vicky Reisinger): ピア・シュトゥッツェンシュタイン (Pia Stutzenstein) – シリーズ初の女性パートナー。
  • キム・クリューガー (Kim Krüger): カティア・ヴォイヴォート (Katja Woywood) – 厳格な警察署長。
  • ホッテ&ディーター (Hotte & Dieter): ディートマー・フーン & ゴットフリート・フォルマー – コブラ11チームを支える制服警官の名コンビ。

キャストの代表作品名

  • エルドゥアン・アタライ: 映画『Maximum Speed – Renn’ um dein Leben』、ドラマ『The Clown』、ドラマ『SOKO Stuttgart』
  • トム・ベック: 映画『Vaterfreuden』、ドラマ『Einstein(アインシュタイン ~天才科学者の殺人捜査~)』、音楽アルバム『Superficial Animal』
  • レネ・シュタインケ: ドラマ『Edel & Starck』、ドラマ『Das Traumschiff』、映画『Verführt – Eine gefährliche Affäre』

まとめ

「アラーム・フォー・コブラ11」は、ドイツ国内で最も成功したアクションシリーズであるだけでなく、世界120カ国以上で放送された実績を持つグローバルなコンテンツです。
その社会的評価は非常に高く、特に「アクション・コンセプト」社によるスタント技術は、ワールド・スタント・アワード(Taurus World Stunt Awards)を何度も受賞するなど、業界内で最高峰の評価を得ています。
視聴率面でも、全盛期にはドイツ国内で圧倒的な数字を叩き出し、RTL局の看板番組として君臨しました。
一方で、ストーリーのマンネリ化や、物理法則を無視したような爆発シーン(車が少し接触しただけで大爆発するなど)に対しては、愛あるツッコミや批判も存在します。
しかし、そうした「お約束」も含めてエンターテインメントとして完成されており、何も考えずにスカッとできる爽快感が多くの視聴者を惹きつけて止みません。
日本の刑事ドラマやアクション作品にも少なからず影響を与えており、カーアクションの見せ方やバディの在り方において、一つの手本となっている作品と言えるでしょう。
30年近く続く長寿番組でありながら、常に新しいスタントや撮影技術を取り入れ、進化し続ける姿勢は、まさにドイツの職人魂を感じさせます。

作品関連商品

  • DVD-BOX: 「アラーム・フォー・コブラ11」各シーズン(日本版は『アウトバーン・コップ』などのタイトルで発売されている場合あり)
  • ビデオゲーム: 『Crash Time』シリーズ(PC, Xbox 360等で発売。ドラマの世界観を再現したドライブアクションゲーム)
  • サウンドトラック: シリーズの劇伴や主題歌を収録したCD
  • モデルカー: 劇中に登場する覆面パトカー(BMW 3シリーズ、メルセデス・ベンツ CLK等)のミニカー
  • 輸入盤Blu-ray: ドイツ本国で発売されている高画質版ソフト
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