YouTubeで「マイアミの戦慄(Miami Undercover)」
概要
1961年に公開されたアメリカの犯罪アクション映画(原題:Miami Undercover)です。
私立探偵と元ボクサーという異色のコンビが、風光明媚なリゾート地マイアミの裏側で暗躍するギャンブル組織に立ち向かう物語です。
60年代初期の独特なハードボイルドな雰囲気と、当時のマイアミの風景、そして元世界ミドル級王者ロッキー・グラジアノの演技が見どころの作品です。
オープニング
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詳細
「マイアミの戦慄(原題:Miami Undercover)」は、B級映画の巨匠エドワード・L・カーン監督によって製作されたクライム・サスペンス映画です。
物語の舞台は、輝く太陽と青い海が広がるフロリダ州マイアミ。
しかし、その華やかなリゾートの裏側では、非情なギャンブルシンジケートが街を支配しようとしていました。
主人公のジェフ・ドノバンは、経験豊富な私立探偵であり、警察からも一目置かれる存在です。
ある日、彼は裕福な依頼人から、マイアミで行われている違法賭博の実態調査と、組織に狙われている娘の保護を依頼されます。
ジェフの相棒となるのが、愛嬌のある屈強な男、ロッキーです。
このロッキー役を演じているのは、実在の元プロボクサーであり元世界ミドル級王者のロッキー・グラジアノです。
彼のキャラクターは、腕っぷしは強いがどこか憎めないコミカルな側面を持っており、シリアスになりがちな犯罪捜査のストーリーに明るいリズムを生み出しています。
二人は観光客を装ったり、時には組織の内部に潜入したりしながら、徐々に核心へと迫っていきます。
本作の特徴は、1960年代初頭のマイアミのロケーション撮影がふんだんに使われている点です。
当時の高級ホテル、プールサイド、クラシックカーが走る大通りなど、レトロでグラマラスなアメリカの雰囲気を存分に味わうことができます。
一方で、物語は殺人、脅迫、裏切りが交錯する典型的なノワール調で進行します。
敵対するギャング組織は冷酷であり、ジェフとロッキーは何度も命の危険に晒されます。
クライマックスでは、マイアミの湿地帯(エバーグレーズ)や豪華な邸宅を舞台にしたアクションシーンが展開され、当時のB級アクション映画としての醍醐味が詰まっています。
決して大作ではありませんが、テンポの良い展開と、主演二人のバディ・ムービーとしての相性の良さが光る一作です。
キャスト
- ジェフ・ドノバン: リー・ボウマン (Lee Bowman) – 主人公の私立探偵。冷静沈着で女性にモテる典型的な二枚目ヒーロー。
- ロッキー: ロッキー・グラジアノ (Rocky Graziano) – ジェフの相棒。元ボクサーという設定で、本人役に近いキャラクター。
- クレア・ケリー: キャスリーン・クロウリー (Kathleen Crowley) – 組織の陰謀に巻き込まれるヒロイン。
- ダニー・アンジェロ: マイケル・ペイト (Michael Pate) – 冷酷なギャングのボス。
キャストの代表作品名
- リー・ボウマン: 映画『カバーガール』、映画『川の家』、ドラマ『エラリー・クイーン』
- ロッキー・グラジアノ: 映画『傷だらけの栄光』(※自身の伝記映画)、バラエティ『The Martha Raye Show』
- キャスリーン・クロウリー: ドラマ『マーベリック』、映画『カウボーイの逆襲』
まとめ
「マイアミの戦慄」は、映画史に残るような超大作ではありませんが、1960年代のアメリカB級映画の良きサンプルとして、一部の映画ファンから評価されています。
特に、本物のボクサーであるロッキー・グラジアノが、俳優としてスクリーンの中で暴れ回る姿は貴重であり、彼のファンにとっては見逃せない作品です。
また、当時の「探偵もの」のトレンドを反映しており、スマートな探偵と肉体派の助手という構図は、後の刑事ドラマやバディものに繋がる王道のスタイルと言えます。
マイアミという土地が、古くから「犯罪とリゾートが同居する街」としてエンターテインメントの舞台になり続けてきたことを再確認できる作品でもあります。
派手なCGIや複雑な伏線はありませんが、シンプルでストレートな勧善懲悪を楽しみたい時には最適なクラシック・クライム映画です。
作品関連商品
- DVD: 輸入盤「Miami Undercover」(日本国内盤は希少)
- 書籍: ロッキー・グラジアノ自伝「Somebody Up There Likes Me」
- 関連映画: 『傷だらけの栄光』(ロッキー・グラジアノの人生を描いた名作)

