YouTubeで「ローガンズラン(テレビシリーズ)」
「ローガンズラン(テレビシリーズ)」の概要
「ローガンズラン(原題:Logan’s Run)」は、1977年から1978年にかけてアメリカのCBSネットワークで放送されたSFテレビドラマシリーズです。
日本でも「未知への逃亡者/ローガンズ・ラン」というタイトルで放送されました。
本作は、1976年に公開され大ヒットした同名のSF映画「ローガンズラン(邦題:2300年未来への旅)」の続編として製作されました。
映画版のラストで、主人公ローガン5とジェシカ6がドーム都市のシステムを破壊した後、という設定を引き継いでいます。
本作のあらすじは、映画版とは異なり、崩壊しなかったドーム都市から改めて逃亡者(ランナー)となったローガンとジェシカの逃避行が中心に描かれます。
彼らは、30歳で抹殺される運命から逃れ、伝説の安息の地「サンクチュアリ(聖域)」を見つけるため、核戦争によって荒廃したドームの外の世界(=地上)を旅します。
映画版でローガンの親友だったサンドマン(追跡者)のフランシスは、今作でも執拗な追跡者として登場しますが、物語の序盤で退場します。
その後、ローガンとジェシカは、道中で出会った「レム」という名の高性能なアンドロイドを仲間に加え、3人で旅を続けることになります。
彼らは未来のホバークラフト(飛行車)を駆り、毎週のように立ち寄る奇妙な文明や、ロボットが支配する都市、異星人との遭遇など、様々な事件に巻き込まれながら「サンクチュアリ」を探し続けます。
「ローガンズラン(テレビシリーズ)」のオープニング
「ローガンズラン」テレビシリーズのオープニング映像とテーマ曲はこちらで視聴可能です。
映画版の映像を巧みに流用しつつ、新たなキャストでの冒険の始まりを告げる内容となっています。
「ローガンズラン(テレビシリーズ)」の詳細
本作は、1977年9月16日にパイロット版(第1話)が放送され、1978年1月16日の放送をもって終了しました。
放送局はCBSで、製作はMGMテレビジョンが担当しました。
プロデューサーには、「スタートレック(宇宙大作戦)」の脚本家・プロデューサーとして知られるD・C・フォンタナや、人気ドラマ「ダラス」などを手掛けたレナード・カッツマンが名を連ねています。
映画版の壮大な設定を引き継ぎ、毎週異なるロケーションや未来社会を描く必要があったため、製作費は当時としては高額なものとなりました。
しかし、視聴率は振るわず、人気番組の裏で苦戦を強いられた結果、わずか1シーズン(全14話)で打ち切りが決定しました。
全14話のうち、最後の3話はアメリカ本国での初回放送時には放送されず、後年の再放送や海外での放送によって初めて公開されました。
映画版とは異なり、ドーム都市の秘密(実際は年老いた長老たちによって支配されていたという陰謀)や、フランシスとの決着など、独自のストーリーラインが展開されました。
「ローガンズラン(テレビシリーズ)」の主なキャストと代表作品
本作では、映画版からキャストが一新されています。
主人公たちに加わるアンドロイド「レム」は、ドラマ版の魅力を高める重要なオリジナルキャラクターとなりました。
ローガン5(Logan 5) – 演:グレゴリー・ハリソン (Gregory Harrison)
主人公の元サンドマン。
システムの欺瞞に気づき、ジェシカと共に自由を求めてドーム都市の外へ脱出します。
映画版のマイケル・ヨークとは異なり、より若々しく活動的なヒーローとして描かれました。
- 代表作(ドラマ):「Dr. トラッパー/サンフランシスコ病院 (Trapper John, M.D.)」(ゴンゾ・ゲイツ医師 役)
- 代表作(ドラマ):「ファルコン・クレスト (Falcon Crest)」
- 代表作(映画):「レイザーバック (Razorback)」
ジェシカ6(Jessica 6) – 演:ヘザー・メンジーズ (Heather Menzies-Urich)
ヒロイン。
ローガンと共にサンクチュアリを目指す強い意志を持った女性です。
映画版のジェニー・アガターが演じた役を引き継ぎました。
- 代表作(映画):「サウンド・オブ・ミュージック (The Sound of Music)」(フォン・トラップ家の三女ルイザ 役)
- 代表作(映画):「ピラニア (Piranha)」
- 代表作(映画):「怪奇! 吸血人間スネーク (Sssssss)」
レム(Rem) – 演:ドナルド・モファット (Donald Moffat)
ドラマ版のオリジナルキャラクター。
ローガンたちが旅の途中で出会うアンドロイドです。
豊富な知識と論理的な思考を持ち、時にユーモラスな一面も見せながら、未熟な2人を導く保護者のような存在となります。
「スタートレック」のスポックやデータの役割に近いキャラクターとして、本作のファンから高い人気を得ました。
- 代表作(映画):「遊星からの物体X (The Thing)」(ギャリー 役)
- 代表作(映画):「ライトスタッフ (The Right Stuff)」(リンドン・B・ジョンソン副大統領 役)
- 代表作(映画):「今そこにある危機 (Clear and Present Danger)」(ベネット大統領 役)
「ローガンズラン(テレビシリーズ)」の評価と影響
前述の通り、本作は放送当時は視聴率の低迷により1シーズンで打ち切りとなり、商業的には成功したとは言えませんでした。
打ち切りの理由としては、高額な製作費、強力な裏番組との競合、そして映画版の持つシリアスで哲学的なテーマ性が、毎週の冒険活劇(ロードムービー)というフォーマットに変わったことへの戸惑いなどが挙げられます。
しかし、放送終了後、特に1980年代に入ってからの再放送や、ケーブルテレビ、海外での放送を通じて、その魅力が再評価されることになります。
特に、ドナルド・モファットが演じたアンドロイド「レム」のキャラクター造形は高く評価されており、ドラマ版を象徴する存在となっています。
映画版の直接的な続編でありながら、異なる未来の世界を(低予算ながらも)意欲的に描き続けた本作は、70年代SFドラマのカルト的な人気作として、今もなお一部の熱心なSFファンに記憶されています。
「ローガンズラン(テレビシリーズ)」関連商品
本作は、長らくソフト化が待望されていましたが、現在はDVDで全エピソードを視聴することが可能です。
- Logan’s Run: The Complete Series (DVD)
米国のワーナー・ブラザースが展開するオンデマンドDVDサービス「ワーナー・アーカイブ・コレクション(Warner Archive Collection)」から、全14話を収録したコンプリートDVD-BOXがリリースされています。
これには、アメリカ本国で未放送となった3エピソードもすべて含まれています。
リージョンコードや言語(日本語字幕・吹替の有無)については、輸入盤を取り扱うショップで確認が必要です。

