YouTubeで「タイムトンネル 火山の島(The crack of doom)」

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YouTubeで「タイムトンネル 火山の島(The crack of doom)」

「火山の島」の概要

「火山の島(原題:The Crack of Doom)」は、アーウィン・アレン製作の傑作SFドラマ「タイムトンネル」の第6話として、米国では1966年10月14日に放送されたエピソードです。

日本では1967年5月6日にNHK総合テレビジョンで放送され、その圧巻のスペクタクル映像でお茶の間の視聴者を釘付けにしました。

第1話「過去との出会い(タイタニック号)」に続き、歴史的な大災害を舞台にしたエピソードとして非常に人気の高い一編です。

本作のあらすじは、時空を放浪するトニー・ニューマン博士とダグ・フィリップス博士が、1883年8月26日のインドネシア、スンダ海峡に位置するクラカタウ島に転送されるところから始まります。

そこは、人類の観測史上最大級とも言われる破局的な大噴火が、まさに翌日に迫っている運命の島でした。

二人は島で、噴火の兆候を調査するために派遣されてきた英国の頑固な火山学者エヴェレット・ホーランド博士と、その美しい娘イヴに出会います。

トニーとダグは、基地のコントロールルームからの情報に基づき、この島が間もなく歴史的な大爆発を起こし、島全体が消滅するとホーランド博士に必死に警告します。

しかし、自らの観測機器が「異常なし」と示していることを信じるホーランド博士は、二人の警告をまったく聞き入れようとしません。

刻一刻と破局の時が迫る中、二人の科学者は頑固な学者親子を説得し、この「火山の島」から無事に脱出することができるのか。

歴史を変えることのできないタイムトラベラーのジレンマと、自然の猛威との戦いが描かれます。

「タイムトンネル 火山の島」のクリップ

「火山の島」の詳細

「火山の島」は、「タイムトンネル」シリーズの中でも屈指のスペクタクル回として知られています。

監督はウィリアム・ヘイル、脚本はウィリアム・ウェルチが担当しました。

このエピソードの最大の見どころは、何と言ってもクライマックスの火山大噴火のシーンです。

第1話のタイタニック号沈没シーンが1953年の映画「タイタニック」のフィルムを流用したのと同様に、本作でも1953年に公開されたアドベンチャー映画「スハルト最後の日(原題:Fair Wind to Java)」から、迫力ある火山の噴火、地震、そして巨大な津波の特撮シーンがふんだんに流用されています。

この手法により、テレビドラマの枠を完全に超えた、映画並みの壮大なディザスター(災害)シーンが実現しました。

地面が割れ、溶岩が噴き出し、すべてを飲み込む大津波が迫る中を逃げ惑うトニーたちの姿は、視聴者に強烈な印象を残しました。

また、歴史的事実として、1883年のクラカタウ火山の大噴火は、広島型原爆の1万倍以上とも言われるエネルギーを放出し、発生した津波は世界中に到達、噴煙による気候変動まで引き起こしたとされています。

本作は、その歴史的なカタストロフィを背景に、極限状態の人間ドラマを描き切った傑作エピソードです。

「火山の島」の主なキャストと代表作品

主人公の二人と共に、歴史的な災害に巻き込まれるゲストキャストの熱演が光ります。

アンソニー・“トニー”・ニューマン博士 – 演:ジェームズ・ダーレン (James Darren)

タイムトンネル基地の若き科学者。

情熱的で、ホーランド博士の娘イヴを何とか救おうと危険を顧みずに行動します。

ダグラス・“ダグ”・フィリップス博士 – 演:ロバート・コルバート (Robert Colbert)

冷静なリーダー格の科学者。

頑固なホーランド博士を論理的に説得しようと試みます。

エヴェレット・ホーランド博士 (Dr. Everett Holland) – 演:トリン・サッチャー (Torin Thatcher)

クラカタウ島に派遣された英国の火山学者。

自らの科学的観測を盲信するあまり、トニーたちの未来からの警告を拒絶する頑固な人物です。

演じたトリン・サッチャーは、イギリス出身の性格俳優として多くの映画で印象的な役を演じました。

  • 代表作(映画):「シンドバッド七回目の航海 (The 7th Voyage of Sinbad)」(邪悪な魔法使いソクラ 役)
  • 代表作(映画):「情婦 (Witness for the Prosecution)」(マイヤーズ検事 役)
  • 代表作(映画):「スパルタカス (Spartacus)」(海賊のリーダー 役)

イヴ・ホーランド (Eve Holland) – 演:エレン・マクレー (Ellen McRae)

ホーランド博士の娘で、助手を務めます。

父親とは異なり、トニーとダグの異常な状況と警告に次第に理解を示し、彼らと父親との間で葛藤します。

演じたエレン・マクレーは、後に「エレン・バースティン (Ellen Burstyn)」と改名し、ハリウッドを代表する名女優となりました。

本作出演時はまだキャリアの初期段階であり、後の大女優の若き日の姿を見ることができる貴重なエピソードです。

  • 代表作(映画):「エクソシスト (The Exorcist)」(クリス・マクニール 役) ※エレン・バースティン名義
  • 代表作(映画):「アリスの恋 (Alice Doesn’t Live Here Anymore)」 ※アカデミー主演女優賞受賞
  • 代表作(映画):「レクイエム・フォー・ドリーム (Requiem for a Dream)」

「火山の島」の評価とまとめ

「タイムトンネル」第6話「火山の島」は、シリーズの基本フォーマットである「歴史的大事件への遭遇」と「スペクタクル映像の流用」が最も効果的に機能したエピソードの一つとして、高く評価されています。

見どころは、なんといっても流用フィルムによる圧巻の噴火・津波シーンの迫力です。

CGのない時代に、これだけのカタストロフィ映像をお茶の間で毎週のように体験できたことは、当時の視聴者にとって衝撃的でした。

また、科学者としての信念と、目前に迫る危機という現実の間で揺れ動くホーランド博士の人間ドラマも見応えがあります。

さらに、後にアカデミー賞女優となるエレン・バースティンが(エレン・マクレー名義で)出演しているという点も、映画ファンにとっては見逃せないポイントです。

「タイタニック号」と並び、「タイムトンネル」の面白さが凝縮された必見のエピソードと言えるでしょう。

「タイムトンネル」関連商品

「タイムトンネル」の全30話は、高画質なDVD-BOXで視聴することが可能です。

もちろん、この「火山の島」も、当時の日本語吹替版(トニー:広川太一郎、ダグ:小笠原良知)と共に楽しむことができます。

  • タイム・トンネル DVD COLLECTOR’S BOX Vol.1

    第1話「過去との出会い(タイタニック号)」から第15話までを収録しています。

    もちろん、この第6話「火山の島」も含まれています。

  • タイム・トンネル DVD COLLECTOR’S BOX Vol.2

    第16話から最終話(第30話)までを収録したコンプリートBOXです。

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