YouTubeで観る「メシア(MESSIAH)」:衝撃の結末と打ち切りの理由、概要・キャストを徹底解説

スリラー・ホラー

YouTubeで観る「メシア(MESSIAH)」:衝撃の結末と打ち切りの理由、概要・キャストを徹底解説

現代に「救世主」が現れたら? 衝撃の問題作『メシア』

『メシア(MESSIAH)』は、2020年にNetflixオリジナルシリーズとして配信されたテレビドラマです。

現代の中東シリアに突如現れた一人のカリスマ的な男、「アル・マスィーフ」と名乗る彼の行動が、世界中で奇跡として報道されます。

彼を「救世主(メシア)」として信奉する人々が集まり始める一方で、その存在を危険視するCIA(アメリカ中央情報局)やイスラエルの諜報機関が彼の正体を追い始めます。

物語は、彼が本物の救世主なのか、それとも巧みな話術で人々を操る危険な詐欺師、あるいはテロリストなのか、という謎を中心に展開されます。

CIA捜査官エヴァ・ゲラー、イスラエルの諜報員アヴィラム・ダハン、テキサス州の小さな教会の牧師フェリックス・イゲロなど、異なる立場の人々の視点を通じて、信仰、政治、メディア、そして現代社会の分断が鋭く描かれるポリティカル・スリラー作品です。

オープニング動画(公式予告編)

本作はNetflixオリジナル作品のため、伝統的なオープニング曲はありませんが、その世界観が凝縮された公式予告編がYouTubeで公開されています。

詳細:奇跡は本物か、壮大なトリックか

本作は、企画・制作総指揮をマイケル・ペトローニが務めました。

物語は、ISIL(イスラム過激派組織)によって陥落寸前だったシリアの首都ダマスカスに、アル・マスィーフが出現するところから始まります。

彼が「神の力」を語った直後、大規模な砂嵐が発生し、ISILは撤退を余儀なくされます。

この出来事がSNSを通じて瞬く間に世界中に拡散され、彼は「奇跡を起こす男」として注目を集めます。

その後、アル・マスィーフはダマスカスから集まったパレスチナ難民らを引き連れ、イスラエルの国境(ゴラン高原)を目指すという、政治的にも極めて緊迫した行動に出ます。

CIA捜査官のエヴァ・ゲラーは、彼の経歴を調査し、彼がイラン出身で、過去に精神科の治療歴があり、奇術師(イリュージョニスト)としての訓練を受けていた可能性を突き止めます。

エヴァは彼を、ロシアの支援を受けた危険な扇動者(アジテーター)だと疑います。

一方で、アル・マスィーフはイスラエルで拘束された後、尋問官であるアヴィラム・ダハンの心の闇を見透かすような言動を取り、ついにはエルサレムの神殿の丘で銃撃された少年を蘇生させるかのような「奇跡」を見せます。

さらに、彼はアメリカ・テキサス州の田舎町に現れ、竜巻の直撃から牧師フェリックス・イゲロとその教会を守ったとされ、アメリカ国内でも爆発的な信者を獲得していきます。

物語は、彼を追う者、信じる者、疑う者たちの視点が複雑に交錯しながら進行します。

彼の起こす「奇跡」は本物なのか、それともすべては巧妙に仕組まれた壮大なトリックなのか。

視聴者は、何が真実なのかを常に問われ続けることになります。

主要キャストと登場人物

アル・マスィーフ (Al-Masih)

演: メディ・デビ (Mehdi Dehbi)

中東に突如現れた謎の男。

自身を「神の言葉を伝える者」と称し、次々と「奇跡」とされる現象を引き起こします。

そのカリスマ性で多くの信奉者を集めますが、その出自や目的は一切不明です。

エヴァ・ゲラー (Eva Geller)

演: ミシェル・モナハン (Michelle Monaghan)

CIAのケース・オフィサー(捜査官)。

アル・マスィーフの登場を中東の政治的安定を脅かす重大な脅威と捉え、彼の身元と背後関係の調査に執念を燃やします。

冷静沈着ですが、私生活では個人的な葛藤も抱えています。

アヴィラム・ダハン (Aviram Dahan)

演: トメル・シスレー (Tomer Sisley)

イスラエルの諜報機関(シン・ベト)の諜報員。

アル・マスィーフを拘束し尋問しますが、彼との対話によって自身の過去のトラウマを抉られ、精神的に追い詰められていきます。

フェリックス・イゲロ (Felix Iguero)

演: ジョン・オーティス (John Ortiz)

テキサス州の小さな町の牧師。

信仰を失いかけ、閉鎖寸前の教会を経営していましたが、竜巻から町を守ったとされるアル・マスィーフと出会い、彼の「奇跡」を目の当たりにしたことで、再び信仰に目覚めていきます。

キャストの主な代表作品

メディ・デビ (Mehdi Dehbi)

  • 『タイラント -独裁国家-』 (TVドラマ)
  • 『マリアンヌ -呪われた修道院-』 (TVドラマ)
  • 『ロンドン・ハズ・フォールン』 (映画)

ミシェル・モナハン (Michelle Monaghan)

  • 『ミッション:インポッシブル』シリーズ (映画)
  • 『TRUE DETECTIVE/二人の刑事』 (TVドラマ)
  • 『THE PATH/ザ・パス』 (TVドラマ)

トメル・シスレー (Tomer Sisley)

  • 『ラルゴ・ウィンチ』シリーズ (映画)
  • 『バルタザール 法医学者捜査ファイル』 (TVドラマ)
  • 『ドント・ルック・アップ』 (映画)

ジョン・オーティス (John Ortiz)

  • 『ワイルド・スピード MAX』 (映画)
  • 『キングコング:髑髏島の巨神』 (映画)
  • 『アメリカン・ギャングスター』 (映画)
  • 『バンブルビー』 (映画)

まとめ:社会的評価と打ち切りの理由

『メシア(MESSIAH)』は、配信開始直後からその衝撃的な設定とリアリティあふれる描写で大きな話題を呼びました。

現代社会において、もし本当に「救世主」が現れたら、世界(政治、宗教、メディア、民衆)はどのように反応するのか、という壮大な問いを投げかけた作品です。

物語は、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教という三大一神教の聖地であるエルサレムを舞台の中心の一つに据えており、非常にデリケートな宗教的・政治的テーマに踏み込んでいます。

特に、主人公の「アル・マスィーフ」という名前が、イスラム教の終末論において「偽メシア(反キリスト)」を指す「アル・マスィーフ・アッ=ダッジャール」を強く想起させるものであったため、一部のイスラム教徒コミュニティから強い批判を受けました。

ヨルダンの王立映画委員会は、国内での配信を停止するようNetflixに要請する事態にも発展しました。

こうした宗教的・政治的な論争が大きな影響を与えたと見られ、シーズン1のラストは多くの謎を残し、主人公がさらなる奇跡(飛行機墜落からの生還と他者の蘇生)を見せるという衝撃的なクリフハンガーで終了したにもかかわらず、シーズン2の製作は中止となり、シーズン1のみで打ち切りとなりました。

打ち切りによって物語は未完に終わりましたが、その問いかけの深さと、視聴者に「信じること」の意味を突きつけるスリリングな展開は高く評価されており、今なお「問題作」として語り継がれるドラマとなっています。

作品関連商品

本作はNetflixのオリジナル配信作品であるため、2025年現在、DVDやBlu-rayディスクの公式な販売は行われていません。

視聴はNetflixの配信サービスを通じてのみ可能です。

また、公式の関連グッズ(フィギュア、アパレルなど)や書籍(公式ガイドブック、ノベライズなど)についても、大々的な販売は確認されていません。

原作のないオリジナル脚本の作品です。

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