【謎の円盤UFO】エリス中尉の魅力とは?シルバー&パープルの髪を持つ美しきムーンベース司令官
「謎の円盤UFO」におけるエリス中尉の概要
『サンダーバード』のジェリー・アンダーソンが初の実写ドラマとして製作し、1970年に放送された伝説のSF作品『謎の円盤UFO(UFO)』。
この作品において、物語の要衝である月面基地(ムーンベース)の司令官を務め、その圧倒的なビジュアルと知性で視聴者を虜にしたのが、ゲイ・エリス中尉(Lt. Gay Ellis)です。
彼女は、地球防衛組織SHADO(シャドー)の最前線で、宇宙人の侵略を阻止するために迎撃機インターセプターの発進指令を下す重要な役割を担っています。
特徴的なパープルやシルバーのウィッグ、近未来的なシルバーのユニフォームに身を包んだその姿は、70年代が夢見た「未来」の象徴であり、今なお多くのクリエイターに影響を与え続けるクールビューティーです。
詳細:宇宙時代のファッションアイコンにして指揮官
エリス中尉は、単なるSF作品のヒロインという枠を超え、ファッションアイコンとしても、自立した女性リーダーの先駆けとしても評価されています。
1. 衝撃的なビジュアルと「紫の髪」の謎
エリス中尉といえば、まず目に飛び込んでくるのがその髪色と衣装です。
彼女を含むムーンベースの女性隊員たちは、全員が紫やシルバーのショートボブのウィッグを着用しています。これは設定上「月面基地の制服の一部」あるいは「静電気防止のため」とも言われていますが、実際には製作者シルヴィア・アンダーソンによる「未来的な違和感と美しさ」を演出するためのデザインでした。
シルバーのジャンプスーツに、大胆なメイク、そしてミニスカートというスタイルは、当時の「スペースエイジ・ファッション」の極致であり、演じたガブリエル・ドレイクの端正な顔立ちと相まって、強烈なインパクトを残しました。
2. 冷静沈着な指揮官としての能力
エリス中尉の魅力は外見だけではありません。
彼女は常に冷静沈着で、感情を露わにすることなく的確に部下に指示を出します。
迫りくるUFOを迎撃機(インターセプター)で撃墜する際、「発進(Launch)!」と告げる彼女の凛とした声と眼差しは、番組のハイライトの一つでした。
上司であるストレイカー司令官に対しても、意見が異なれば堂々と主張し、時には部下のパイロットを守るために感情的な一面を見せることもあります。この「クールさと人間味のバランス」が、彼女をより魅力的にしています。
3. 女優ガブリエル・ドレイクと突然の降板
エリス中尉を演じたのは、イギリスの女優ガブリエル・ドレイクです。
彼女の知的な演技は作品にリアリティを与えましたが、実はシリーズの途中で番組を降板しています。
撮影スケジュールの都合や制作方針の変更など諸説ありますが、番組後半で彼女の姿が見られなくなったこと(ニーナ・バリー中尉らが後任を務めました)は、多くのファンを嘆かせました。
しかし、オープニング映像には最後まで彼女の姿が使われ続けたことからも、彼女がいかにこの番組の「顔」であったかが分かります。
4. 後世への影響(エヴァンゲリオン等)
エリス中尉のキャラクターデザインは、日本のポップカルチャーにも多大な影響を与えています。
特にアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイや葛城ミサトのキャラクター造形や、総天然色の髪色を持つアニメキャラのルーツとして、しばしば比較対象に挙げられます。
無機質でありながら美しいという彼女のスタイルは、アンドロイドやサイボーグ的なヒロイン像の原型の一つと言えるでしょう。
「謎の円盤UFO」参考動画
まとめ
エリス中尉は、70年代のSFドラマが生み出した奇跡のようなキャラクターです。
彼女がモニター越しに見せる憂いを帯びた表情や、きびきびとした動作は、CG全盛の現代にはないアナログ特撮ならではの「重厚な未来感」を体現しています。
もし『謎の円盤UFO』をまだ見たことがないなら、ぜひ彼女の活躍に注目してください。そこには、レトロで、とびきりお洒落で、命がけで地球を守る最強の美女の姿があります。
関連トピック
エド・ストレイカー最高司令官(SHADOの冷徹な指揮官。エリス中尉の直属の上司であり、映画会社の社長という表の顔を持つ)
SHADO(シャドー)(地球防衛組織。地下深くに本部を置き、極秘裏に宇宙人と戦う)
インターセプター(ムーンベースに配備された迎撃機。核ミサイルを搭載し、エリス中尉の指令で発進する)
ジェリー・アンダーソン(『サンダーバード』や本作を生み出した、英国特撮界の巨匠)
関連資料
Blu-ray『謎の円盤UFO コンプリート・シリーズ』(鮮やかな画質でエリス中尉の美しさを再確認できる決定版)
サントラCD『UFO: Original Television Soundtrack』(バリー・グレイによる名曲の数々を収録)

