YouTubeで「アンドロメダ」(ジーン・ロッデンベリーのアンドロメダ)
概要
「アンドロメダ」(原題:Gene Roddenberry’s Andromeda)は、2000年から2005年にかけて放送されたカナダ・アメリカ共同製作のSFテレビドラマシリーズです。
「スタートレック」の生みの親であるジーン・ロッデンベリーが遺した構想メモを元に制作されたスペース・オペラとして、放送当時大きな話題を呼びました。
物語は、ブラックホール事象の地平線付近で300年間時間が止まっていた宇宙連合の軍艦「アンドロメダ・アセンダント」と、その艦長ディラン・ハントが目覚めることから始まります。
彼が目覚めた時、かつて平和と秩序を保っていた「システム連合」は崩壊しており、宇宙は混沌(ロング・ナイト)に包まれていました。
ディランは、偶然彼を救助したサルベージ船「ユーレカ・マル」の個性豊かなクルーたちを仲間に加え、連合の再建と宇宙の平和を取り戻すための壮大な旅に出ます。
オープニング
詳細
本作の最大の特徴は、ジーン・ロッデンベリーらしい「異種族間の共存」や「理想主義」を掲げつつも、よりアクション性が高く、荒廃した宇宙を描いている点です。
主人公ディラン・ハントは、かつての連合の理念を信じ続ける高潔な士官ですが、彼が率いることになるクルーは、傭兵、盗賊、遺伝子操作された戦闘種族など、一癖も二癖もある人物ばかりです。
物語の鍵となるのは、超知性を持つAIを備えた宇宙戦艦「アンドロメダ」そのものの存在です。
アンドロメダのAIは、ホログラムやアンドロイドの身体(愛称:ロミー)を使ってクルーと交流し、人間味あふれるキャラクターとして描かれています。
敵対勢力としては、遺伝子操作によって進化し「ニーチェ」の哲学を崇拝する戦闘種族「ニーチアン」や、生物を捕食し卵を産み付ける恐怖の種族「マゴーグ」が登場します。
シーズンが進むにつれて、宇宙の深淵に潜む「アビス」という存在や、別次元の謎が絡み合い、単純な勧善懲悪に留まらない複雑なストーリーが展開されました。
特にシーズン1〜2は、ロバート・ヒューイット・ウルフが製作総指揮を務め、緻密な伏線と壮大な世界観が高く評価されています。
キャスト
ディラン・ハント – ケヴィン・ソルボ
連合の再建に燃えるアンドロメダの艦長。
強いリーダーシップと戦闘能力を持ちますが、300年前の価値観と現在のギャップに悩むこともあります。
キャストの代表作品名:
- 「ヘラクレス(Hercules: The Legendary Journeys)」(ヘラクレス役)
- 「The O.C.」(フランク・アトウッド役)
- 「神は死んだのか(God’s Not Dead)」(ラディソン教授役)
ロミー(アンドロメダ・アセンダント) – レクサ・ドイグ
戦艦アンドロメダのAIであり、アバター(化身)。
感情豊かで、時には人間以上に人間らしい反応を見せる本作のヒロイン的存在です。
キャストの代表作品名:
- 「スターゲイト SG-1」(キャロリン・ラム博士役)
- 「ジェイソンX 13日の金曜日」(ローワン役)
- 「コンティニアム CPCタイムトラベラーズ」(ソーニャ・バレンタイン役)
ベカ・バレンタイン – リサ・ライダー
貨物船ユーレカ・マルの船長で、アンドロメダの副長。
現実主義でタフな女性ですが、仲間思いの一面もあります。
キャストの代表作品名:
- 「ジェイソンX 13日の金曜日」(ケイ=エム役)
- 「FOREVER KNIGHT」(リネット役)
シェイマス・ハーパー – ゴードン・マイケル・ウールヴェット
天才的なメカニックエンジニア。
地球出身で、過酷な環境で生き抜いてきたためシニカルですが、アンドロメダ(ロミー)のメンテナンスとアップデートに情熱を注ぎます。
キャストの代表作品名:
- 「チャイルド・プレイ/チャッキーの花嫁」(デヴィッド役)
- 「スーパーナチュラル」(ゲスト出演)
ティア・アナサジ – キース・ハミルトン・コブ
かつて連合を裏切ったニーチアンの傭兵。
誇り高く、常に己の利益と種族の繁栄を考えますが、ディランとは奇妙な信頼関係で結ばれています。
キャストの代表作品名:
- 「ザ・ヤング・アンド・ザ・レストレス」(デイモン・ポーター役)
- 「ノアの方舟」(ハム役)
まとめ
「アンドロメダ」は、王道のスペース・オペラ設定に、ポストアポカリプス(終末もの)の要素を融合させた意欲作でした。
「スタートレック」と比較されることも多いですが、探査よりも「戦闘」や「サバイバル」に重きを置いた作風は、独自のアクションファン層を獲得しました。
特に序盤の、「寄せ集めのチームが巨大な敵に立ち向かい、理想を取り戻していく」というプロットは、多くの視聴者の胸を熱くさせました。
制作体制の変更により、シーズン後半で物語のトーンが変わったことについてはファンの間で賛否が分かれますが、魅力的なキャラクターたち(特にAIのロミー)の人気は今なお根強く、2000年代初頭を代表するSFドラマの一つとして数えられています。
作品関連商品
- アンドロメダ シーズン1~5 DVD-BOX(完全版など)
- インポート版 Blu-ray(Andromeda: The Complete Series)
- ジーン・ロッデンベリー関連書籍(「スタートレック」創作秘話など)
- アンドロメダ・アセンダント号 プラモデル(海外製ガレージキット等)

