YouTubeで「スタートレック:エンタープライズ」
概要
『スタートレック:エンタープライズ』(原題:Star Trek: Enterprise、略称:ENT)は、2001年から2005年にかけて放送されたSFテレビドラマシリーズです。
シリーズ第5作目にあたりますが、時系列としては最も古い時代、カーク船長が活躍する『宇宙大作戦(TOS)』の約100年前である22世紀中盤(2151年〜)を舞台としています。
人類が初めてワープ5のエンジンを開発し、本格的な恒星間飛行が可能になった黎明期を描いています。
まだ「惑星連邦」は成立しておらず、転送装置やフェイザー銃などのテクノロジーも開発途中や実験段階にあるため、未知の脅威に対する緊張感がこれまでのシリーズとは一線を画します。
ジョナサン・アーチャー船長率いる「エンタープライズ(NX-01)」が、バルカン人の監視や干渉に反発しながらも、宇宙への第一歩を踏み出し、後に連邦設立の礎となっていく過程を描いた「はじまりの物語」です。
オープニング
詳細
物語は、地球初のワープ5宇宙船エンタープライズ(NX-01)が、地球に不時着したクリンゴン人を母星へ送り届けるという任務から始まります。
当時の人類にとって宇宙はまだ未知の恐怖と驚きに満ちた場所であり、保護者気取りのバルカン人との確執や、異星人とのファーストコンタクトにおける失敗と学習が丁寧に描かれます。
シーズン1と2は、主に一話完結型で宇宙探査のロマンを描いていますが、謎の未来人による「時間冷戦」という伏線が張られています。
シーズン3では、突如として地球を攻撃し700万人の命を奪った謎の種族「ズィンディ」を追うため、危険な「デルフィック領域」へと向かう、シリーズ初の一貫した長編ストーリーが展開されます。
ここでは、地球を救うためなら倫理的一線を越えることも厭わない、9.11後のアメリカの世相を反映したシリアスなドラマが繰り広げられました。
シーズン4では、トランスポーター恐怖症、クリンゴンの額の突起の謎、優生人類(オーグメント)の反乱、そして異星人排斥運動(テラ・プライム)など、後のシリーズ(TOSなど)に繋がる整合性を補完するエピソードが多く作られ、ファンからの評価が特に高いシーズンとなっています。
最終話では、惑星連邦憲章の調印式へと至る道筋が示され、アーチャー船長たちが歴史にその名を刻む結末を迎えます。
キャスト
- ジョナサン・アーチャー:スコット・バクラ
(代表作:『タイムマシーンにお願い』、『NCIS: ニューオーリンズ』、『アメリカン・ビューティー』) - トゥポル:ジョリーン・ブラロック
(代表作:『スターシップ・トゥルーパーズ3』、『アルゴノーツ 伝説の冒険者たち』) - チャールズ・”トリップ”・タッカー三世:コナー・トリニア
(代表作:『スターゲイト アトランティス』、『アメリカン・メイド』) - マルコム・リード:ドミニク・キーティング
(代表作:『ベオウルフ』、『プリズン・ブレイク』) - ホシ・サトウ:リンダ・パーク
(代表作:『BOSCH/ボッシュ』、『ジュラシック・パークIII』) - トラヴィス・メイウェザー:アンソニー・モンゴメリー
(代表作:『ジェネラル・ホスピタル』) - フロックス:ジョン・ビリングスレイ
(代表作:『2012』、『アウト・オブ・タイム』、『トゥルーブラッド』)
まとめ
『スタートレック:エンタープライズ』は、シリーズで初めて主題歌に歌詞付きのボーカル曲(ラッセル・ワトソンが歌う「Faith of the Heart」)を採用するなど、新規層の開拓を目指した意欲作でした。
しかし、放送開始当初は従来のファンからの反発や、「スタートレック疲れ」と呼ばれる視聴率の低下に苦しみ、惜しまれつつもシーズン4で打ち切りとなりました。
これがきっかけで、1987年のTNGから18年間途切れることなく続いてきたスタートレックのテレビ放送の歴史は一旦幕を閉じることになります。
それでも、後に制作された映画や新シリーズ(『ディスカバリー』や『ストレンジ・ニュー・ワールド』)では、アーチャー船長の功績やNX-01の存在が「伝説」として度々言及されており、正史(カノン)としての重要性は年々高まっています。
特に、未熟ながらも情熱を持って宇宙へ飛び出したアーチャーとそのクルーたちの姿は、人類の冒険心そのものを象徴しており、再評価が進んでいます。
作品関連商品
- Blu-ray BOX『スター・トレック:エンタープライズ コンプリート・シリーズ』
- プラモデル『ポーラライツ 1/350 スタートレック エンタープライズ NX-01』
- プラモデル『バンダイ 1/850 スタートレック エンタープライズ NX-01』
- 書籍『Star Trek: Enterprise: The Good That Men Do』(最終話のその後を描いた小説)
- 書籍『Star Trek: Enterprise: Rise of the Federation』シリーズ
- アクションフィギュア(アートアサイラム社製など)
- 公式ユニフォーム(NX-01仕様のジャンプスーツタイプ)

