【神回】『スパイ大作戦』伝説の猫回!第2シーズン第9話「ヒスイの印璽(The Seal)」徹底解説。名優ラスティの演技に世界が震えた!
「ヒスイの印璽(The Seal)」の概要
『スパイ大作戦(Mission: Impossible)』には数々の名作が存在しますが、その中でも「最も可愛らしく、かつ最もスリリングな回」としてファンに愛され続けているのが、第2シーズン第9話『ヒスイの印璽(The Seal)』です。
通常、IMF(Impossible Mission Force)のメンバーが変装や心理トリックを駆使して任務を遂行しますが、この回の主役はなんと一匹の「猫」。
厳重なセキュリティシステムを突破するために、訓練された猫「ラスティ」が、人間には不可能なルートを辿ってターゲットを奪還するというストーリーです。
CGが存在しなかった時代に、動物が見せる奇跡のような名演技と、セリフのない静寂の中で繰り広げられるサスペンスは、映像作品としての完成度が極めて高いと評価されています。
今回は、猫好きもスパイ映画ファンも必見のこのエピソードについて、あらすじから撮影の裏話まで詳しく解説します。
エピソードの詳細:なぜこれほど人気なのか?
エピソード基本情報
- 原題: The Seal
- 邦題: ヒスイの印璽
- 米国放送: 1967年11月19日(第2シーズン 第9話)
- 指令の概要: 悪徳収集家タガートに盗まれた、中国の国宝である翡翠(ひすい)の印章(The Seal)を奪還すること。
あらすじ:人間には不可能な潜入ルート
今回のターゲットは、高価な美術品を不法な手段で収集しているタガートです。
彼は盗み出した国宝級の「翡翠の印章」を自宅の厳重な保管庫に隠しています。
この保管庫は最新鋭の警備システムで守られており、以下のような鉄壁の防御が施されていました。
- 24時間の有人監視
- 窓やドアへの防犯センサー
- 床に設置された圧力センサー(人間の体重では即座に警報が鳴る)
リーダーのジム・フェルプスは、人間が侵入するのは不可能と判断。
そこで白羽の矢が立ったのが、メカの天才バーニー・コリアーではなく、彼が連れてきた一匹の猫「ラスティ」でした。
作戦は、猫に特殊な訓練を施し、狭い通気口や梁(はり)の上を通って印章を咥えて戻ってくるという、前代未聞のものでした。
最大の見どころ:猫の名演技と静寂のサスペンス
このエピソードのクライマックスは、後半の「猫による潜入シーン」に集約されています。
BGMすら抑えられた静寂の中、ラスティが細い梁の上を慎重に歩き、ターゲットの印章に近づいていく様子は、人間が演じるアクション以上に手に汗握る緊張感があります。
1. 奇跡のコントロール
当時の撮影技術では動物をCGで動かすことは不可能です。
実際に猫が指定されたルートを歩き、物を落とさないように移動するシーンは、数え切れないほどのテイクと忍耐によって撮影されました。
猫がふと足を止めたり、周囲を警戒したりする自然な動きが、逆に「失敗するのではないか?」というリアルな恐怖を視聴者に与えます。
2. バーニーとの絆
普段は電子機器を扱うバーニーが、この回では動物トレーナーとしての才能を発揮します。
作戦中、無線越しに猫を誘導するわけでもなく、ただ猫の本能と訓練の成果を信じて待つメンバーたちの表情も見どころです。
3. ユーモアと愛らしさ
任務完了後、猫が無事に帰還した際のメンバーの安堵の表情や、ラストシーンでの猫の扱いなど、ハードボイルドなスパイたちが動物に振り回されつつも愛情を注ぐ姿は、シリーズの中でも珍しいほっこりとした瞬間を提供してくれます。
撮影裏話:ラスティの正体
実は、画面上で「ラスティ」として活躍した猫は、1匹ではありませんでした。
「歩くのが得意な猫」「物をくわえるのが得意な猫」「じっとしているのが得意な猫」など、シーンに合わせて複数の猫(オーランジーという有名なタレント猫を含むと言われています)が使い分けられていたそうです。
それでも、映像をつなぎ合わせて1匹の猫が完璧に任務を遂行しているように見せる編集技術は、当時のハリウッドの職人芸と言えます。
「ヒスイの印璽(The Seal)」の参考動画
まとめ
第2シーズン第9話『ヒスイの印璽(The Seal)』は、『スパイ大作戦』というドラマが持つ「引き出しの多さ」を象徴する傑作です。
ハイテク機器や変装マスクだけでなく、動物の習性さえも計算に入れて「不可能な作戦」を可能にするIMFの柔軟な思考は、現代のビジネスや問題解決にも通じる教訓を含んでいるかもしれません。
何より、緊張感あふれるスパイ活動の中で描かれる猫の愛らしい姿は、半世紀以上経った今見ても色褪せないエンターテインメント性を持っています。
猫好きな方はもちろん、スパイ映画の張り詰めた空気が好きな方にも、自信を持っておすすめできるエピソードです。
見終わった後、飼っている猫を見る目が少し変わるかもしれません。「もしかして、この子もIMFのエージェントなのかもしれない」と。
関連トピック
ジム・フェルプス – 第2シーズンから登場したIMFのリーダー。この回でも冷静な判断で作戦を指揮し、猫への信頼を見せる。
バーニー・コリアー – 通常はメカ担当だが、この回では猫の訓練士として活躍。彼の器用さと忍耐強さが光るエピソード。
ローラン・ハンド – 変装の名人。猫を屋敷に侵入させるために、電気工事士に変装して屋敷に潜入する重要な役割を果たす。
オーランジー(Orangey) – 映画『ティファニーで朝食を』などにも出演した伝説のタレント猫。本作のラスティ役(の1匹)としても知られる。
関連資料
DVD『スパイ大作戦 シーズン2 トク選BOX』 – 『猫』を含む第2シーズンの全エピソードを収録。高画質で猫の毛並みまで確認できる。
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