【新章開幕】『スパイ大作戦』第4シーズン第1話「暗号解読(The Code)」徹底解説!レナード・ニモイ演じる「パリス」の衝撃デビュー戦

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【新章開幕】『スパイ大作戦』第4シーズン第1話「暗号解読(The Code)」徹底解説!レナード・ニモイ演じる「パリス」の衝撃デビュー戦

「暗号解読(The Code)」の概要

『スパイ大作戦(Mission: Impossible)』にとって、第4シーズン第1話「暗号解読(The Code)」は、シリーズの歴史を分ける極めて重要なエピソードです。

なぜなら、第3シーズンまで変装の名人ローラン・ハンドを演じたマーティン・ランドーが降板し、代わりに『スタートレック』のミスター・スポック役で世界的な人気を博していたレナード・ニモイが、新メンバー「パリス(Paris)」として加入した最初の回だからです。

このエピソードでは、巨大なメインフレームコンピュータを巡るハイテクな攻防戦が描かれます。

新メンバーのパリスがどのような特技を持ち、チームにどのような新しい風を吹き込んだのか。そして、アナログとデジタルが交錯する時代の「暗号解読」がいかにスリリングに描かれているか。

記念すべき新シーズンの幕開けを飾るこの名作について、あらすじから見どころ、制作の裏側までを余すところなく解説します。

エピソード詳細:新メンバー「パリス」の登場とコンピュータ戦

エピソード基本情報

  • 原題: The Code
  • 邦題: 暗号解読
  • 米国放送: 1969年9月28日(第4シーズン 第1話)
  • 新レギュラー: パリス(レナード・ニモイ)
  • 指令の概要: 敵国と侵略同盟を結ぼうとしている国に対し、その同盟を破棄させるため、侵略計画の詳細が記された「暗号」を解読すること。

あらすじ:巨大コンピュータvs人力の頭脳戦

中南米某国が、強国との軍事同盟を結び、隣国への侵略を計画しています。

この侵略計画の全貌と、国内に潜伏する工作員リストは、厳重な「暗号」によって守られており、その解読キーは独裁者の側近だけが知っています。

IMFの任務は、この暗号を解読し、侵略の証拠を世界に公表して同盟を阻止することです。

1. パリスの鮮烈なデビュー

新メンバーのパリスは、元奇術師(マジシャン)という経歴を持つ変装の達人です。

彼は今回、革命派の闘士「キャプテン・トレズ」に変装します。本物そっくりのラテックス製マスクを被り、敵の懐深くに潜入する彼の姿は、前任者ローランとはまた違った知的な色気を放っています。

2. コンピュータ室への侵入

敵は最新鋭の巨大コンピュータを使って暗号を管理しています。

バーニーとウィリーは、このコンピュータ室の内部、なんと「マシンの床下」や「配線ダクト」の中に潜入します。

当時の巨大な磁気テープ式コンピュータが稼働する中、物理的に回線をジャックしてデータを盗み出すという、アナログな手法とハイテクが融合した描写が魅力です。

3. 心理トリック

パリス(変装したトレズ)は、巧みな話術で敵の司令官を挑発します。「お前の部下には裏切り者がいる」と疑心暗鬼にさせ、司令官自らにコンピュータを使って「忠誠度チェック」を行わせるよう仕向けます。

司令官が暗号キーを入力した瞬間、バーニーたちがその信号を傍受する、という鮮やかな連携プレーが展開されます。

見どころ1:レナード・ニモイの「パリス」というキャラクター

『スタートレック』の感情を持たないバルカン人スポックとは打って変わり、この「パリス」という役は、感情豊かで、キザで、ユーモアのセンスもあるプレイボーイとして描かれています。

マジシャン出身という設定が生かされ、手先が器用で、変装だけでなく声帯模写や即興の演技にも長けています。

第1話から、ジム・フェルプスやバーニーとも息の合ったコンビネーションを見せ、「このチームならやっていける」と視聴者に確信させる見事な登場でした。

見どころ2:60年代末の「未来的な映像美」

第4シーズンに入り、映像の演出スタイルも変化しました。

多用されるズームレンズ、極端なクローズアップ、色鮮やかな照明など、70年代の到来を予感させるサイケデリックでスタイリッシュな映像美が特徴です。

特に、巨大なコンピュータが並ぶ無機質な部屋と、そこで繰り広げられるスパイたちの有機的な動きのコントラストは、今見ても非常にクールです。

見どころ3:時間制限のサスペンス

暗号を解読できる時間はわずか数分。

敵の目が届く場所で、バーニーが狭いダクトの中で汗だくになりながら作業を進めるシーンは、シリーズの真骨頂である「静かなる緊張感」に満ちています。

一瞬の遅れが命取りになる状況で、フェルプスがいかに時間を稼ぐか、そのリーダーシップも見逃せません。

「暗号解読」の参考動画

まとめ

第4シーズン第1話「暗号解読」は、人気キャラクターの交代という番組存続の危機を、レナード・ニモイという新たな才能を迎えることで「進化」へと変えた記念碑的なエピソードです。

「パリス」という新しい個性が加わったことで、IMFの作戦はより演劇的で、より複雑な心理戦へと深みを増していきました。

また、当時の人々が抱いていた「コンピュータへの畏怖と憧れ」が物語の核になっており、レトロフューチャーな世界観を楽しむ上でも最高の教材と言えます。

マーティン・ランドーのファンだった方も、食わず嫌いせずにぜひ見ていただきたい一作。

きっと、ニモイ演じるパリスの、ニヒルで知的な魅力の虜になるはずです。

関連トピック

パリス(The Great Paris) – 第4・5シーズンに登場する変装の達人。元奇術師であり、世界中のあらゆる人物になりすますことができる。演じるのはレナード・ニモイ。

ローラン・ハンド – 第3シーズンまで活躍した変装の名人。演じたマーティン・ランドーの降板は当時大きなニュースとなったが、パリスへの交代は成功例として語られる。

メインフレーム(汎用京速計算機) – このエピソードの主役とも言える、部屋を埋め尽くすほどの巨大コンピュータ。磁気テープが回転する描写は60-70年代SFの象徴。

ラテックス製マスク – IMFの変装に欠かせないアイテム。本エピソードでも、パリスがマスクを剥ぐシーンが印象的に描かれている。

関連資料

DVD『スパイ大作戦 シーズン4 日本語完全版』 – パリス初登場の興奮を、当時の日本語吹き替え(納谷悟朗など豪華声優陣)で楽しめるBOX。

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自伝『私はスポックではない(I Am Not Spock)』 – レナード・ニモイの著書。スパイ大作戦出演時の心境や、スポック役との葛藤についても触れられている。

CD『Mission: Impossible – The Best of TV Scores』 – シーズンごとにアレンジが微妙に異なるテーマ曲を聴き比べるのも、マニアックな楽しみ方の一つ。

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