【伝説の英国ドラマ】超能力×スパイの傑作!『電撃スパイ作戦 (The Champions)』の絶対に見るべき人気エピソードと魅力を徹底解説
『電撃スパイ作戦』の概要
1960年代後半、イギリスのITC(インコーポレイテッド・テレビジョン・カンパニー)が制作し、日本でも熱狂的なファンを生んだSFスパイアクションドラマ『電撃スパイ作戦(原題:The Champions)』。
『サンダーバード』や『プリズナーNo.6』などで知られるITC作品の中でも、本作は「スパイアクション」に「超能力(ESP)」という要素を組み合わせた画期的な設定で人気を博しました。
チベットでの飛行機事故で未知の文明に救われ、常人離れした身体能力とテレパシー能力を得た3人の諜報員(クレイグ、シャロン、リチャード)。彼らが国際秘密機関「ネメシス」のエージェントとして難事件を解決していく物語は、今なお色褪せない魅力を持っています。
本記事では、本作の基本設定から、ファンの間で語り継がれる「神回」とも言える人気エピソード、そして当時の視聴者を虜にした独自の魅力について詳しく解説します。
『電撃スパイ作戦』の詳細と人気エピソード
『電撃スパイ作戦』の基本設定と魅力
本作の最大の特徴は、007シリーズのような「スパイガジェット(秘密兵器)」に頼るのではなく、人間自身の能力拡張(超能力)を武器にしている点です。
- 3人の主人公: 暗号解読のプロであるクレイグ(スチュアート・デイモン)、科学者であり医師のシャロン(アレクサンドラ・バステドウ)、パイロットのリチャード(ウィリアム・ゴーント)。
- 特殊能力: 視覚、聴覚の超人的な強化、人間離れした腕力や跳躍力、そして3人の間で会話ができる「テレパシー」。
- ネメシス: ジュネーブに本部を置く国際的な平和維持組織。彼らの上司であるトレメイン部長からの指令を受け、世界各地で任務を遂行します。
ファンが選ぶ!絶対に見るべき人気エピソード
全30話の中から、特に評価が高く、本作の魅力が凝縮されたエピソードを厳選して紹介します。
*邦題は放送時と異なる場合があります。
1. 第1話「第三の能力」(原題:The Beginning)
すべての始まりとなるエピソード。中国から脱出した3人がヒマラヤ山脈上空で撃墜され、チベットの雪原に不時着します。瀕死の重傷を負った彼らは、謎の古代文明の住人に救助され、手術によって「超能力」を授けられます。
普通の人間だった彼らが、自身の変化に戸惑いながらも、新たな力を自覚し、追手と戦う姿は必見。シリーズの基礎を知る上で外せない一話です。
2. 「見えない敵」(原題:The Invisible Man)
SF要素が強い人気エピソード。目に見えない透明人間による犯罪が発生し、ネメシスの3人が捜査に乗り出します。
通常の視覚では捉えられない敵に対し、彼らの強化された「聴覚」や「第六感」がどう対抗するのかが見どころ。透明人間という古典的なテーマを、クールなスパイアクションに落とし込んだITCらしい名作です。
3. 「地下金庫脱出」(原題:Get Me Out of Here!)
密室サスペンスの傑作。シャロンが、厳重なセキュリティで守られた地下金庫の中に閉じ込められてしまいます。酸素が尽きるまでのタイムリミットが迫る中、クレイグとリチャードが救出に挑みます。
外部からの侵入が不可能な金庫に対し、3人のテレパシーによる連携と、知恵を絞った脱出劇が展開されます。派手なアクションよりも、心理的な緊張感とチームワークが光る一話です。
4. 「自白」(原題:The Interrogation)
シリーズ屈指の心理ドラマ。主人公の一人、クレイグが敵組織に捕らえられ、過酷な尋問を受けます。
自白剤や精神的な拷問に対し、超人的な精神力で耐え抜くクレイグ。しかし、精神の均衡が崩れかけた時、仲間たちのテレパシーが彼を支えます。「肉体の強化」だけでなく「精神の絆」を描いた、シリアスで感動的なエピソードです。
5. 「雪原の死闘」(原題:Operation Deep-Freeze)
南極の基地で核爆発の危機が迫るエピソード。極寒の地という過酷な環境下で、彼らの超能力が試されます。
冒頭のチベットの設定ともリンクする「雪と氷」のシチュエーションは、本作の映像美を象徴するものであり、白い衣装に身を包んだシャロンの美しさもファンの間で語り草となっています。
キャストと日本語吹き替えの魅力
日本では1960年代後半に放送され、その際の声優陣も作品の人気を支えました。
- クレイグ(広川太一郎):軽妙かつ二枚目な語り口で、キャラクターの魅力を倍増させました。
- シャロン(小原乃梨子):知的でクールな女性エージェントを好演。
- リチャード(羽佐間道夫):冷静沈着なリチャードを渋い声で演じました。
この豪華な吹き替え陣による掛け合いも、日本でカルト的な人気を誇る理由の一つです。
参考動画
まとめ
『電撃スパイ作戦』は、単なる勧善懲悪のアクションドラマにとどまらず、「人間が能力を覚醒させたらどうなるか」というSF的な問いかけを含んだ作品でした。
クールなファッション、スタイリッシュなオープニング映像、そして「テレパシーで繋がる仲間」という設定は、後の『バイオニック・ジェミー』や多くのアニメ作品にも多大な影響を与えています。
DVDボックスなどで視聴可能な現在、CG全盛の現代だからこそ、生身のアクションと脚本の面白さで勝負していたこの「英国スパイアクションの金字塔」を、ぜひ体験してみてください。
関連トピック
ITC(インコーポレイテッド・テレビジョン・カンパニー): 『サンダーバード』『謎の円盤UFO』などを制作したイギリスの制作会社。
アレクサンドラ・バステドウ: ヒロインのシャロンを演じ、その美貌で日本でも多くのファンを獲得した女優。
広川太一郎: クレイグの声を担当。アドリブを交えた独特の語り口(広川節)で知られる伝説の声優。
超能力(ESP): 1960〜70年代のSFブームにおける主要なテーマ。本作はその先駆けの一つ。
関連資料
DVD『電撃スパイ作戦 コレクターズBOX』: 全話収録のDVDボックス。
書籍『ITCの系譜』: 英国テレビ界を席巻したITC作品の歴史と魅力を解説した研究本。
サントラ『The Champions Original Soundtrack』: トニー・ハッチによる印象的なテーマ曲を収録したCD。

