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【傑作怪奇ミステリー】飛行機が6日遅れで到着?乗客の記憶がない…『秘密指令S』第1話「死の6日間」を徹底解説

サスペンス・ミステリー
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【傑作怪奇ミステリー】飛行機が6日遅れで到着?乗客の記憶がない…『秘密指令S』第1話「死の6日間」を徹底解説

「死の6日間」の概要

1969年に英国で放送され、日本でも人気を博したスパイ・ミステリードラマ『秘密指令S(Department S)』。

その記念すべき第1話「死の6日間(原題:Six Days)」は、シリーズの中でも特に「不可解な謎」が際立つ傑作エピソードです。

ロンドンのヒースロー空港に着陸した旅客機。乗員乗客は「定刻より早く着いた」と喜んでいますが、地上管制塔は大パニックに陥っていました。

なぜなら、その飛行機は予定より6日も遅れて到着しており、その間行方不明になっていたからです。

しかし、機内の誰一人として、その「失われた6日間」の記憶を持っていませんでした。

この記事では、視聴者を一瞬で引き込むこのミステリーの全貌、個性豊かな登場人物たち、そして意外な真相について詳しく解説します。

「死の6日間」の詳細

ストーリー:消えた時間の謎

物語は、アストラ航空の旅客機が平穏にヒースロー空港へ着陸するところから始まります。

パイロットや乗客たちは順調なフライトだったと信じて疑いませんでしたが、地上では彼らは「6日前に消息を絶った飛行機」として捜索の対象になっていました。

機体に異常はなく、燃料計も通常のフライト分しか減っていません。しかし、カレンダーの日付は確かに6日進んでいます。

乗客全員が集団催眠にかかったのか? それとも超常現象か?

インターポール(国際刑事警察機構)の中に設置された、不可解な難事件専門の特殊部署「Department S(デパートメントS)」に出動要請が下ります。

捜査:Department Sの介入

捜査に乗り出したのは、元FBIの行動派スチュワート・サリバン、コンピュータを駆使する理知的なアナベル・ハースト、そして推理小説家であり派手なファッションとキザな言動がトレードマークのジェイソン・キングの3人です。

彼らは、乗客たちの健康診断の結果から、ほぼ全員の腕に小さな注射痕(あざ)があることを発見します。

また、ある乗客の所持品や、機内に残されたわずかな痕跡から、飛行機がどこか別の場所へ着陸していた可能性が浮上します。

真相:空白の6日間に何が起きたのか

(※ここからネタバレを含みます)

ジェイソン・キングの突飛な推理と、スチュワートたちの地道な捜査により、驚くべき犯罪計画が明らかになります。

この事件は、乗客の一人であるイギリス政府高官ハレットを狙った、東側諸国による巧みな諜報作戦でした。

犯行グループは客室乗務員を買収し、機内食に強力な睡眠薬を混入。乗客全員が眠り込んでいる間に、別のパイロットが操縦を代わり、飛行機をアルバニア(当時の東側)の秘密滑走路へと誘導しました。

そこで6日間かけてハレットを洗脳・尋問して軍事機密を聞き出した後、再び全員を眠らせて飛行機を離陸させ、何事もなかったかのようにロンドンへ向かわせたのです。

乗客たちが「時間の経過」に気づかなかったのは、その間ずっと薬で眠らされていたからでした。

キャラクターの魅力

このエピソードの大きな見どころは、やはりジェイソン・キング(演:ピーター・ウィンガード)のキャラクターです。

「マーク・ケイン」という主人公が活躍する冒険小説の作者である彼は、現実の捜査でも「自分の小説ならどうするか?」という視点で推理を展開します。

「死の6日間」でも、常識にとらわれない彼の大胆な仮説が、結果的に真実を射抜く鍵となります。

また、彼と対照的なリアリストであるスチュワートとの掛け合いも、本作の醍醐味の一つです。

「死の6日間」の参考動画

まとめ

『秘密指令S』第1話「死の6日間」は、「集団記憶喪失」と「消えた時間」というSF的な導入部から、冷戦時代を反映したスパイ・サスペンスへと着地する、脚本の妙が光るエピソードです。

単なる謎解きだけでなく、60年代後半のロンドンのファッションや雰囲気、そして何よりジェイソン・キングという稀代のキャラクターのデビュー戦として、今なお色褪せない魅力を放っています。

「論理的に説明がつかない事件などない」という信念のもと、不可能犯罪に挑む彼らの活躍は、現代のミステリーファンにも十分におすすめできるクオリティです。

もし、あなたが「日常が突然非日常に変わる」ようなミステリーをお探しなら、ぜひこのエピソードから『秘密指令S』の世界に足を踏み入れてみてください。

関連トピック

スピンオフドラマ『ジェイソン・キング(Jason King)』 – 本作の人気キャラクター、ジェイソン・キングを主人公にした続編シリーズ。

ITCエンターテインメント – 『サンダーバード』や『プリズナーNo.6』など、数々のカルト的名作を生み出した制作会社。

ピーター・ウィンガード – ジェイソン・キングを演じた俳優。その独特なスタイルは、映画『オースティン・パワーズ』のモデルの一つとも言われる。

関連資料

DVD『秘密指令S コレクターズ・ボックス』 – 全エピソードを収録したDVDボックス。

書籍『The Cult TV Book』 – 英国のカルトTV番組を詳細に解説した資料本。

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