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【傑作選】『謎の円盤UFO』の神回・人気エピソードを徹底解説!大人も泣けるSFドラマの真髄とは

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【傑作選】『謎の円盤UFO』の神回・人気エピソードを徹底解説!大人も泣けるSFドラマの真髄とは

『謎の円盤UFO』の概要

1970年にイギリスで製作され、日本でも熱狂的なファンを生んだSF特撮ドラマ『謎の円盤UFO(原題:UFO)』。

『サンダーバード』で知られるジェリー・アンダーソンが手掛けた初の実写作品でありながら、その内容は子供向けの冒険活劇とは一線を画す、極めてシリアスで大人向けのものでした。

地球防衛組織「SHADO(シャドー)」の隊員たちが、迫りくる宇宙人の脅威と戦う姿を描いていますが、単なる勧善懲悪では終わらないのが本作の最大の特徴です。

組織運営の苦悩、隊員のプライベートな葛藤、そして時には救いのない結末を迎えるエピソード群は、放送から半世紀以上経った今も色褪せることがありません。

本記事では、『謎の円盤UFO』の中でも特に評価が高く、ファンの間で「神回」と語り継がれている人気エピソードを厳選してご紹介します。

なぜこの作品が『新世紀エヴァンゲリオン』などのちのSF作品に多大な影響を与えたのか、その魅力の核心に迫ります。

詳細:トラウマ級の「神回」と作品の魅力

『謎の円盤UFO』が伝説となった理由

具体的なエピソード紹介に入る前に、本作がなぜこれほどまでに特別視されているのか、その背景を整理します。

最大の特徴は「リアリティと残酷さ」です。

本作に登場する宇宙人は、地球侵略や友好を目的としているのではなく、自身の肉体の衰えを補うために地球人の臓器を摘出し移植することを目的としています。

この設定のグロテスクさと、それを阻止するために私生活を犠牲にして戦うSHADO隊員たちの姿は、当時の視聴者に強烈なトラウマと感動を与えました。

また、ストレイカー最高司令官を中心とした「組織人としての苦悩」が描かれており、SFの設定を借りた重厚な人間ドラマであることが、人気を不動のものにしています。

ファンが選ぶ!絶対に見るべき人気エピソード

1. 第25話「宇宙人・地球逃亡!」(原題:A Question of Priorities)

本作の最高傑作として名高い、あまりにも悲劇的なエピソードです。

ストレイカー司令官の息子が交通事故で瀕死の重傷を負い、命を救うためにはアメリカから特効薬を空輸するしかありません。

ストレイカーはSHADOの輸送機を手配しますが、時を同じくして謎のUFOが襲来し、亡命を希望する重要人物を乗せた機体が攻撃されます。

「息子の薬を運ぶ輸送機を向かわせるか」「UFOを迎撃し、重要人物を守るか」。

究極の二者択一を迫られたストレイカーが下した決断、そしてその後に訪れる妻との決裂と孤独なラストシーンは、涙なしには見られません。

組織のトップに立つ者の孤独と責任を冷徹に描き切った、SFドラマ史に残る名作です。

2. 第24話『UFO時間凍結作戦』(原題:Timelash)

SF的なギミックとアクションが見事に融合した、エンターテインメント性の高い人気回です。

UFOがSHADO本部を攻撃するために、時間の流れを極端に遅くする特殊な装置を使用します。

周囲の時間が凍りついたようになり、人々がマネキンのように固まる中、特殊な薬物を投与されたストレイカーとレイク大佐だけが動き回り、敵と対峙します。

静止した世界でのカーチェイスや、敵が放つ光線がゆっくりと進む描写など、当時の映像技術を駆使した演出が光ります。

緊迫感あふれる展開は、シリーズ屈指のサスペンスアクションとして評価されています。

3. 第1話『宇宙人捕虜第一号』(原題:Identified)

記念すべき第1話であり、本作の世界観と恐怖の根源が提示された重要なエピソードです。

SHADOの設立経緯や、ムーンベース、インターセプター、スカイダイバーといった主要メカニックの活躍が描かれます。

しかし、最も衝撃的だったのは、撃墜したUFOから回収された宇宙人の検死解剖シーンです。

宇宙人の正体が、実は誘拐された地球人の臓器を移植されたサイボーグ的な存在であることが判明し、彼らが地球に来る目的が「資源(人体)」であると明かされます。

この衝撃的な設定は、以降のストーリーに常に暗い影を落とすことになります。

4. 第9話『湖底にひそむUFO』(原題:The Sound of Silence)

田舎の農家で起きた殺人事件とUFOの関連を探る、ミステリー色の強いエピソードです。

のどかな森の中で行方不明になった青年と、何かを隠しているその家族。

そして森に潜む宇宙人の恐怖が描かれます。

SFメカアクションだけでなく、こうした怪奇・ホラーテイストのエピソードも本作の魅力の一つです。

ラストシーンの物悲しさは、アンダーソン作品ならではの余韻を残します。

5. 第20話『謎の発狂石』(原題:Mindbender)

ストレイカー司令官が幻覚に襲われ、現実と虚構の区別がつかなくなるというサイケデリックな回です。

最大の見どころは、幻覚の中でストレイカーが「撮影スタジオのセット」に迷い込んでしまうメタフィクション的な演出です。

ドラマの登場人物が、自分たちがドラマの撮影中であることに気づきそうになる(あるいは狂気として処理される)という前衛的な脚本は、当時の視聴者を驚愕させました。

人間の精神の脆さに焦点を当てた、異色ながら記憶に残るエピソードです。

メカニックとファッションの魅力

エピソードの内容に加え、視覚的な魅力も人気の理由です。

ムーンベースの女性隊員が着用する紫色のウィッグやシルバーの衣装、潜水艦の先端が切り離されて戦闘機になる「スカイダイバー」のギミックなど、近未来的でありながらどこかレトロフューチャーなデザインは、今見ても洗練されています。

シルヴィア・アンダーソンが手掛けた衣装デザインは、モードファッションとしても評価されています。

『謎の円盤UFO』の参考動画

まとめ

『謎の円盤UFO』の人気エピソードに共通しているのは、「正義の味方」という甘い幻想を捨て、厳しい現実の中で最善を尽くそうとする大人たちの姿です。

特に『親愛なる者の死』におけるストレイカーの決断は、リーダーシップとは何か、守るべきもののために何を犠牲にできるかという、普遍的かつ重い問いを私たちに投げかけます。

本作は、『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明監督にも多大な影響を与えたことで知られています。

SHADOの地下基地の構造や、組織の持つ冷徹な雰囲気は、そのまま特務機関NERV(ネルフ)の描写に通じるものがあります。

子供の頃にメカのかっこよさに惹かれて見た方も、大人になった今こそ見返すことで、その真の深さに気づくことができるでしょう。

未見の方は、ぜひこれらの「神回」から視聴を始めてみてください。

関連トピック

エド・ストレイカー:SHADOの最高司令官。金髪のウィッグと冷徹な判断力で知られる本作の主人公

ジェリー・アンダーソン:本作の生みの親。『サンダーバード』などを手掛けた英国SF界の巨匠

新世紀エヴァンゲリオン:本作から多大な影響を受けたと公言されている日本のアニメ作品

SHADOメカニック:インターセプター、スカイダイバー、モービルなど、現在でもプラモデルが人気のメカ群

関連資料

『謎の円盤UFO Blu-ray BOX』:高画質で蘇った全26話を収録した映像ソフトの決定版

『ジェリー・アンダーソン メカニック大全』:UFOを含むアンダーソン作品のメカニックを網羅した解説書

『謎の円盤UFO 完全資料集成』:当時の制作資料やインタビューを掲載したファン必携のムック本

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