【神回】ドラマ『かわいい魔女ジニー』消えゆくジニーを救え!「ジニーの誕生日」で見せたトニーの愛と豪華すぎるパーティー
「ジニーの誕生日」の概要
「嫉妬の炎」でトニーを焼き尽くすことも多いジニーですが、今回彼女を襲ったのは「悲しみ」でした。
第2シーズン第11話(通算41話)「ジニーの誕生日(原題:The Girl Who Never Had a Birthday)」は、自分の誕生日を知らないジニーが、アイデンティティの喪失から魔法の力を失い、身体まで透明になって消えかけてしまうという、シリアスな導入から始まるエピソードです。
彼女を救うため、トニーとロジャーはNASAのスーパーコンピューターを私的流用(!)して誕生日を割り出そうと奔走します。そしてクライマックスのパーティーでは、クレオパトラやシェイクスピアなど歴史上の偉人が大集合してしまう、シリーズ屈指のスケールとユーモアに溢れた名作回です。
第11話「ジニーの誕生日」の詳細と見どころ
あらすじ:誕生日はいつ?
ある日、ジニーはふと「自分には誕生日がない」ことに気づき、深い悲しみに暮れます。人間のように誕生日を祝ってもらえない孤独感から、彼女の魔法力は弱まり、ついには足元から透明になり始めてしまいます。
彼女が完全に消滅してしまうのを防ぐため、トニーとロジャーは協力して「ジニーの誕生日」を特定しようとします。
見どころ1:NASAのハイテクとロジャーの奮闘
トニーは、NASAの最新鋭コンピューター「ERIC(エリック)」を使ってジニーの誕生日を計算することを思いつきます。
ロジャー・ヒーリー少佐は、ジニーの記憶にある歴史的な出来事(誰と会ったか、どんな災害があったかなど)をデータとしてERICに入力する役割を担います。アラスカ行きの任務を言い渡されそうになりながらも、親友とジニーのために必死にデータを打ち込むロジャーの友情(とドタバタ)が光ります。
見どころ2:時空を超えたバースデー・パーティー
トニーは計算結果を待つ間、ジニーを元気づけるためにサプライズ・パーティーを企画します。しかし、「もっと盛大に祝いたい」というトニーの不用意な一言を聞いたジニーは、魔法で「盛大なゲスト」を招いてしまいます。
リビングルームに現れたのは、クレオパトラ、シェイクスピア、ヘンリー8世、ベンジャミン・フランクリン、ジークムント・フロイトといった歴史上の偉人たち(本物)。
そこへ間の悪いことにベローズ大佐がやってきますが、大佐はこれを「精巧な仮装パーティー」だと勘違いし、フロイト博士と精神分析の議論を始めてしまうシーンは爆笑必至です。
オチの秀逸さ
最終的に誕生日は判明しますが、ジニーはある事実に気づきます。「誕生日があるということは、歳を取るということ」。
永遠の若さを保ちたい魔女の乙女心により、結局彼女は誕生日なんていらない!とトニーを責めるという、なんとも『ジニー』らしいオチで幕を閉じます。
考察:トニーの愛情
普段は「君のせいでクビになる!」と怒ってばかりのトニーですが、この回では消えそうなジニーを見て本気で焦り、軍規違反(コンピューターの私用)を犯してでも彼女を救おうとします。二人の絆の強さが再確認できるエピソードでもあります。
参考動画
まとめ
「ジニーの誕生日」は、魔女というファンタジー設定と、NASAという科学の現場、そして歴史上の人物という要素が見事に融合した、本シリーズの魅力を凝縮したようなエピソードです。
ベローズ大佐の天然ぶり、ロジャーの献身、そしてトニーの隠しきれない愛情。すべてが詰まったこの回は、笑いの中に温かい涙を誘う、まさに「神回」と呼ぶにふさわしい傑作です。
ちなみに、このエピソードで示されたジニーの生年月日は、紀元前64年4月1日と言われています(諸説あり)。
関連トピック
エリック(ERIC)
劇中に登場するNASAの巨大コンピューター。当時の人々が抱いていた「万能な電子頭脳」のイメージが反映されており、レトロフューチャーなデザインも見どころの一つです。
ジークムント・フロイト
パーティーに招かれたゲストの一人。精神科医であるベローズ大佐が、尊敬するフロイト(本物)と夢中で会話するシーンは、精神医学ネタを扱った最高のブラックジョークとなっています。
ヘイドン・ローク(ベローズ大佐役)
このエピソードでの「異常な状況を合理的に(間違って)解釈する」演技は名人芸。彼のリアクション芸がなければ、このドラマの面白さは半減していたと言われるほどの名バイプレイヤーです。
関連資料
DVD『かわいい魔女ジニー シーズン2』
このエピソードは前後編(第10話・11話)で構成されることもありますが、多くのDVDセットや配信では連続して楽しむことができます。カラー作品として脂が乗ってきた時期の映像美も必見です。

