『ミスター・エド』は前回の丙午(1966年)にも放送されていた?喋る名馬が駆け抜けた60年前を徹底調査
概要
2026年の今年は、60年に一度の「丙午(ひのえうま)」です。
ふと、「前回の丙午である1966年(昭和41年)に、あの有名な喋る馬のドラマ『ミスター・エド(Mister Ed)』は放送されていたのだろうか?」という疑問を持たれた方もいるかもしれません。
結論から申し上げますと、アメリカ本国では、まさに1966年の2月まで放送が続いていました。
つまり、前回の丙午の年明けは、まだ現役のコンテンツとして人々に親しまれていたのです。
一方、日本では少し複雑な放送事情がありました。
本記事では、『ミスター・エド』の1966年当時の放送状況を詳しく解説するとともに、なぜこの作品が今なお語り継がれる名作なのか、その魅力と驚きの撮影秘話に迫ります。
昭和のテレビ黄金期を彩った「天才馬」の記憶を、60年の時を超えて一緒に紐解いていきましょう。
詳細
1. アメリカでは「丙午」の年も現役だった
アメリカでの『ミスター・エド』の放送期間は、1961年1月5日から1966年2月6日までです。
CBSネットワークで全6シーズン、143話が制作されました。
したがって、1966年の年明けから2月初旬にかけて、最終シーズン(シーズン6)のクライマックスが放送されており、前回の丙午の年も間違いなく「現役の番組」として視聴者を楽しませていました。
2. 日本での放送状況:ちょうど「谷間」の時期?
日本における放送状況は、アメリカとは少し異なります。
日本では、主に以下の2つの期間に分けて放送されました。
- 第1期(フジテレビ系列): 1962年10月~1964年4月(タイトル『ミスター・エド』)
- 第2期(日本テレビ系列): 1968年4月~9月(タイトル『お馬のエドくん』)
このように、記録上では1966年(昭和41年)は、ちょうどレギュラー放送の「谷間」の時期にあたります。
しかし、当時の人気ぶりから、地方局での再放送や単発的な放送が行われていた可能性は十分にあります。
日本のお茶の間では「懐かしい番組」になりつつあり、アメリカでは「惜しまれつつ終了する番組」だった、というのが1966年当時のリアルな空気感だったと言えるでしょう。
3. どうやって撮影していた?「喋る馬」のトリック
このドラマの最大の魅力は、主人公の建築家ウィルバーと、彼にだけ人語を話す愛馬エドの掛け合いです。
CGのない時代、エドの「口の動き」は驚くべきアナログな手法で作られていました。
当初は、口の中にナイロンの糸を入れて引くことで唇を動かしていましたが、エド役の馬(本名:バンブー・ハーベスター)は非常に賢く、すぐに「ウィルバー役のアラン・ヤングが話を終えて足に触れると、口を動かせばいい」ということを学習したと言われています。
そのため、後半のシーズンでは糸を使わず、演技として自然に口を動かしていたという逸話が残っています。
4. 吹き替えの力:四代目三遊亭金馬
日本でこれほど人気が出た理由の一つに、卓越した日本語吹き替えがあります。
エドの声を担当したのは、落語家の四代目三遊亭金馬(当時は三遊亭小金馬)さんでした。
その軽妙で人間味あふれる「べらんめえ調」の語り口は、馬のキャラクターに独特の愛嬌を吹き込み、作品を日本独自の色に染め上げました。
参考動画
まとめ
『ミスター・エド』は、前回の丙午である1966年の初頭まで、アメリカで愛され続けていた長寿番組でした。
日本ではちょうど放送の端境期にあたりましたが、その後の再放送や『お馬のエドくん』としての復活も含め、60年代を通じて日本の子供たちに動物への愛情とユーモアを届け続けました。
「二人(一人と一頭)だけの秘密」という設定がもたらすドキドキ感と、種族を超えた友情は、時代が変わっても色褪せることがありません。
60年という還暦のサイクルを一巡した今、改めてこの心温まるコメディを見返してみると、当時のシンプルな笑いが現代の疲れを癒やしてくれるかもしれません。
もし配信などで見かける機会があれば、ぜひ「あ、前の丙午の時も頑張っていた馬だな」と思い出してみてください。
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関連資料
『Mister Ed: The Complete Series』DVD-BOX(輸入盤ですが、全シーズンを網羅したファン必携のアイテムです。)
『昭和のテレビ欄 1954-1988』(当時の放送スケジュールや番組の空気感を肌で感じられる資料集です。)
『三遊亭金馬 噺家三代』(エドの声を演じた金馬師匠の自伝。当時の吹き替え裏話などが期待できます。)

