PR

【豪華スターの無駄遣い?】『アメリカン・パロディ・シアター』徹底解説!80年代カルチャーとB級SFが炸裂する伝説のコント集

コメディー
この記事は約7分で読めます。





【豪華スターの無駄遣い?】『アメリカン・パロディ・シアター』徹底解説!80年代カルチャーとB級SFが炸裂する伝説のコント集

【豪華スターの無駄遣い?】『アメリカン・パロディ・シアター』徹底解説!80年代カルチャーとB級SFが炸裂する伝説のコント集

『アメリカン・パロディ・シアター』の概要

1987年に公開された『アメリカン・パロディ・シアター』(原題:Amazon Women on the Moon)は、まさに「80年代の深夜テレビ」をそのまま映画館に持ち込んだような、奇想天外なオムニバス・コメディ映画です。
製作総指揮は『ブルース・ブラザース』や『狼男アメリカン』のジョン・ランディス。
監督陣にはランディスに加え、『グレムリン』のジョー・ダンテなど、当時のハリウッドを牽引していたヒットメーカー5人が集結しました。
本作の最大の特徴は、ストーリーらしいストーリーが存在しないことです。
深夜にテレビのチャンネルをザッピングしているかのように、低予算B級SF映画、バカバカしいCM、メロドラマ、深夜のニュースなどが矢継ぎ早に切り替わっていきます。
特筆すべきは、その出演陣の豪華さです。
当時人気絶頂あるいはブレイク直前のミシェル・ファイファー、ロザンナ・アークエット、キャリー・フィッシャー、スティーヴ・グッテンバーグらが、数分間のコントのために出演し、真顔でバカなことをやり遂げています。
日本での公開時は「アメリカン・パロディ・シアター」という邦題が付けられましたが、原題は劇中に登場する架空の映画『月のアマゾン・ウーマン』を指しています。
ナンセンス・ギャグの金字塔『ケンタッキー・フライド・ムービー』の精神的続編とも言える、愛すべきカルト・クラシックを徹底解説します。

『アメリカン・パロディ・シアター』の予告編

『アメリカン・パロディ・シアター』の詳細(徹底解説)

あらすじと構成:深夜テレビのザッピング体験

本作には一貫した主人公はいません。
映画全体が「ある視聴者が深夜にテレビを見ている」という体裁をとっています。
その中心となる番組が、1950年代に作られた(という設定の)架空のB級SF映画『月のアマゾン・ウーマン(Amazon Women on the Moon)』です。
月へ向かった宇宙飛行士たちが、そこで酸素マスクなしで生きる美女軍団「アマゾン族」に捕らえられるという、いかにもなプロットの映画が流れますが、途中でフィルムが飛び、映像が乱れ、頻繁に「CM」や「別番組」が割り込みます。
視聴者は、このチープなSF映画の続きを気になりつつも、次々と流れるブラックユーモア満載のスケッチ(コント)に翻弄されることになります。
この「ザッピング」という構成自体が、ケーブルテレビやVCR(ビデオデッキ)が普及し始めた80年代アメリカのメディア環境を強烈に風刺しています。

抱腹絶倒のスケッチ紹介

本作は20本以上の短いスケッチで構成されていますが、特に印象的で人気の高いエピソードをいくつか紹介します。

  • 「透明人間の息子(Son of the Invisible Man)」:監督 カール・ゴットリーブ
    名優エド・ベグリー・Jrが演じる男が、自分が透明人間になったと思い込み、家族の前で全裸になって大騒ぎするエピソード。
    実際には全く透明になっておらず、ただの「全裸の変なおじさん」を家族が気まずそうに見守るというシュールな空間が笑いを誘います。
  • 「病院(Hospital)」:監督 ジョン・ランディス
    ミシェル・ファイファーとピーター・ホートンが出演する医療ドラマのパロディ。
    子供が産まれる感動の瞬間に、医師が取り出したのは赤ん坊ではなく……まさかの「アレ」だったという衝撃のオチ。
    あまりにバカバカしい展開ですが、ファイファーの演技が無駄に上手いのがポイントです。
  • 「黒人のいないブラック・ソウル(Blacks Without Soul)」:監督 ロバート・K・ワイス
    「ソウルフルな歌声を持つ白人歌手」ばかりを集めた架空のレコードのCM。
    デヴィッド・アラン・グリア演じる司会者ドン・“ノー・ソウル”・シモンズが、B.B.キング(本人!)に向かって「君にはソウルがない」と言い放つブラックジョークは、当時の音楽業界への皮肉が効いています。
  • 「ビデオ・デート(Two I.D.s)」:監督 ピーター・ホートン
    ロザンナ・アークエットとスティーヴ・グッテンバーグ演じるカップルがデートをしますが、お互いのプロフィールや相性を確認するために、逐一「チェック用のビデオ」を確認し合うというコント。
    マニュアル化された恋愛や、テクノロジー依存への先見的な風刺が含まれています。
  • 「アパート大騒動(Mondo Condo)」:監督 ジョン・ランディス
    アーセニオ・ホール演じる男が、自宅のアパートで次々と家電製品や家具に襲われるドタバタ劇。
    まさにカートゥーン・アニメを実写化したようなフィジカル・コメディで、爆発オチまで一気に駆け抜けます。

架空のSF映画『月のアマゾン・ウーマン』の愛すべきチープさ

劇中劇として断片的に挿入されるこの映画は、50年代SF映画(特に『月世界のクイーン』や『キャット・ウーマン・オブ・ザ・ムーン』など)への愛情あふれるパロディです。

  • 明らかにピアノ線が見えている宇宙船。
  • 宇宙空間なのに「流星の音」がうるさい。
  • 月面なのに重力が地球と同じ。
  • なぜか月面に巨大な蜘蛛がいる(作り物感満載)。

主演を務めるのは、B級映画の女王シビル・ダニング。彼女の過剰にセクシーな衣装と大根役者ぶり(という演技)は、このジャンルのファンならニヤリとすること間違いありません。
クライマックスで、フィルムが溶けて上映事故になる演出まで含めて、「映画あるある」が詰め込まれています。

制作秘話・トリビア

  • ヘンリー・シルヴァの本人役:いかつい悪役顔で知られるヘンリー・シルヴァが、「『地獄の強打者』という番組の司会者」として本人役で登場し、一般人を殴り倒すという強烈な自虐ネタを披露しています。
  • キャリー・フィッシャーの出演:『スター・ウォーズ』のレイア姫でおなじみの彼女ですが、本作への出演料は「現金」ではなく「アンティークの家具」だったという噂があります。
  • ラス・メイヤーの登場:お色気映画の帝王ラス・メイヤー監督が、本人役でカメオ出演しており、自身のトレードマークである巨乳女優について語るシーンがあります。これは映画マニア向けのかなりコアなジョークです。

キャストとキャラクター紹介

  • ミシェル・ファイファー

    当時は『スカーフェイス』などで評価を上げ、『イーストウィックの魔女たち』と同年の出演。
    「病院」のスケッチで、シリアスな顔をして狂った妊婦を演じています。これほどの美女がここまでふざけた映画に出るのは奇跡的です。

  • アーセニオ・ホール

    後に自身のトークショーを持ち大ブレイクするコメディアン。
    「アパート大騒動」での体を張った演技は、エディ・マーフィ『星の王子ニューヨークへ行く』での相棒役を彷彿とさせます。

  • シビル・ダニング

    『ハウリングII』などで知られるセクシー女優。
    劇中劇の女王アルファ役で、露出度の高い衣装と、無意味に威圧的な演技を披露。まさに「B級映画のアイコン」としての役割を全うしています。

  • エド・ベグリー・Jr

    環境活動家としても知られる俳優。
    「透明人間の息子」で、全裸(局部は家具などで隠れる)で歩き回るという、キャリアでも類を見ない怪演を見せました。

  • B.B.キング(本人)

    ブルースの王様がまさかのカメオ出演。
    「ソウルがない」とディスられ、困惑した表情を浮かべる数秒のためだけに出演しています。

『アメリカン・パロディ・シアター』のまとめ(社会的評価と影響)

『アメリカン・パロディ・シアター』は、公開当時は批評家から「散漫だ」「当たり外れがある」と厳しい評価を受けました。
しかし、オムニバス形式の宿命として、見る人によって「お気に入りのエピソード」が異なる点が、逆にカルト的な人気を呼ぶ要因となりました。
深夜のテレビ番組やCMが持っていた「怪しさ」や「胡散臭さ」を真空パックした本作は、80年代アメリカの大衆文化を知るための貴重な資料(タイムカプセル)でもあります。
現在では、そのあまりに豪華すぎるキャストと、ジョン・ランディスたちの「映画愛に基づいた悪ふざけ」が高く評価されており、『サタデー・ナイト・ライブ』や『モンティ・パイソン』が好きな人にはたまらない傑作として語り継がれています。
頭を空っぽにして、ピザとコーラを片手に深夜に見るのに、これほど適した映画はありません。

作品関連商品

  • Blu-ray/DVD:『Amazon Women on the Moon (Special Edition)』
    (北米盤などが存在。未公開スケッチやNG集などの特典映像が豊富です。日本版は廃盤になっていることが多く、中古市場で高値がつくことも)
  • 関連映画:『ケンタッキー・フライド・ムービー』
    (ジョン・ランディス監督による前身的作品。本作が気に入ったなら必見の、さらに過激で下品なコント集です)
  • 関連映画:『THE MOVIE/ムービー・ヴィジョン』
    (ジョー・ダンテ監督が手掛けた、本作に近いテイストのスケッチ集)


タイトルとURLをコピーしました