懐かしのSFドラマ『巨人の惑星』!マニアが選ぶ神回エピソードと色褪せない特撮の魅力を徹底解説
ドラマ『巨人の惑星』の概要
1960年代後半、日本のお茶の間を釘付けにしたアメリカのSFテレビドラマ『巨人の惑星(原題:Land of the Giants)』をご存じでしょうか。
『宇宙家族ロビンソン』や『タイムトンネル』を手掛けたパニック映画の巨匠、アーウィン・アレンによる最後のテレビシリーズです。
物語の舞台は、すべてが地球の12倍の大きさという驚異の世界。
宇宙船スピンドリフト号の乗客たちが、巨大な猫、巨大な子供、そして彼らを捕獲しようとする巨人政府(SID)の魔手から逃げ惑うサバイバル・アクションです。
本記事では、本作の基本設定や魅力の深掘りはもちろん、全51話の中から特にファンの支持が厚い「傑作エピソード」を厳選してご紹介します。
CGのない時代に作られた驚異の特撮技術と、極限状態で試される人間ドラマの真髄に迫ります。
『巨人の惑星』人気エピソードと詳細解説
『巨人の惑星』とは?設定と魅力の再確認
エピソード紹介の前に、このドラマがなぜこれほどまでに熱狂的なファンを持つのか、その背景をおさらいしましょう。
1. 圧倒的なスケール感「12倍の世界」
物語は1983年(放送当時は近未来)、ロンドンからロサンゼルスへ向かう定期旅客宇宙船「スピンドリフト号」が、謎の雲に巻き込まれ、地球と酷似しているものの、あらゆる物が12倍のサイズである惑星に不時着することから始まります。
ここでは、単なる安全ピンやマッチ棒が巨大な凶器となり、猫や犬は怪獣クラスの脅威となります。
CGが存在しない時代、巨大なセット(プロップ)を実際に建設し、合成技術を駆使して描かれた映像は、今見ても色褪せない迫力があります。
2. 個性豊かな7人の遭難者たち
リーダーシップ溢れる機長のスティーブ、副操縦士のダン、元エンジニアの実業家マーク、美しいスチュワーデスのベティ、謎の美女ヴァレリー、天才少年バリー。
そして、本作のコメディリリーフでありトラブルメーカーでもある司令官のフィッツヒュー。
特に、臆病で強欲なフィッツヒュー(日本語吹き替え:愛川欽也氏の名演が有名)が巻き起こす騒動と、それをカバーする仲間たちの絆が物語の核となっています。
マニアが選ぶ!『巨人の惑星』必見の人気エピソード
全2シーズン、51話の中から、特撮のクオリティ、脚本の面白さ、人間ドラマの深さで評価の高いエピソードをピックアップしました。
第1話「必殺の不時着(The Crash)」
記念すべきパイロット版であり、本作の世界観が凝縮された一話です。
- あらすじ: 謎の宇宙雲を抜けたスピンドリフト号が不時着。外に出た乗員たちは、目の前に現れた巨大な自動車や、自分たちを見下ろす「巨人」の姿に驚愕します。
- 見どころ: 巨大な実験室のセットや、巨大な猫との遭遇シーンなど、予算をかけた特撮が満載。乗員たちが自分たちの置かれた絶望的な状況を理解していく過程がスリリングに描かれています。
第2話「幽霊の住む町(Ghost Town)」
SFサスペンスの要素が強い人気回です。
- あらすじ: 巨人の子供に見つかった一行は、ある町に逃げ込みますが、そこは無人のゴーストタウンでした。実はその町は、巨人の科学者が作った「ミニチュアの町」だったのです。
- 見どころ: 自分たちと同じサイズの家や家具があることに安堵したのも束の間、それが巨人の子供の「おもちゃ」であると気づいた時の恐怖。カフカ的な不条理さと、巨人の少女との奇妙な交流が描かれます。
第17話「黄金の檻(The Golden Cage)」
人間ドラマとして非常に評価が高いエピソードです。
- あらすじ: メンバーの美貌の女性ヴァレリーが、巨人の科学者に捕らえられてしまいます。しかし、彼女はそこで美しいドレスや宝石を与えられ、何不自由ない生活(飼育)を提案されます。
- 見どころ: 「自由な逃亡生活」か「籠の中の安全な生活」か。極限状態における人間の尊厳を問うテーマ。ヴァレリーを救出しようとするマークとの恋愛模様も絡み、大人のドラマとして完成度が高い一作です。
第25話「貝殻の追跡(Shell Game)」
聴覚障害を持つ巨人の少年と、地球人たちの交流を描いた感動回。
- あらすじ: 巨人社会で疎外されている耳の不自由な少年が、浜辺でスピンドリフト号の乗員を発見します。彼は乗員たちを「小さな友達」として匿い、巨人の追っ手から守ろうとします。
- 見どころ: 言葉が通じなくても心が通じ合う展開は、SFの王道。少年が補聴器を通じて初めて「音」を聞くシーンは涙を誘います。ラストの別れのシーンはシリーズ屈指の名場面と言われています。
第43話「地球の特使(The Unsuspected)」
第2シーズンのサスペンスフルな傑作。
- あらすじ: 自分たち以外にも地球人がいることを知る一行。しかし、その男は精神的に不安定で、巨人たちを崇拝していました。
- 見どころ: 「同じ地球人だから味方とは限らない」という疑心暗鬼が描かれます。巨人社会の警察機構(SID)の恐ろしさと、内部からの裏切りという二重の恐怖がサスペンスを盛り上げます。
巨人社会の謎:SIDとは何か?
単なる冒険活劇にとどまらないのが、このドラマの奥深い点です。
巨人の社会は高度な科学力を持ちながら、独裁的な警察国家として描かれています。特に秘密警察「SID」のインスペクター・コビック(冷徹な捜査官)は、執拗に「小人(地球人)」を追いかけます。
彼らにとって地球人は「未知のウイルスを持ち込むかもしれない害獣」であり、同時に「高度な技術(小型化技術など)を持つ研究対象」でもあります。
この「追う者」と「追われる者」の緊迫感が、視聴者を飽きさせないスパイスとなっています。
『巨人の惑星』の参考動画
『巨人の惑星』のまとめ
ドラマ『巨人の惑星』は、半世紀以上前の作品でありながら、そのアイデアと映像のインパクトは現代でも通用するパワーを持っています。
「もしも自分が小人になったら?」という普遍的な空想を、圧倒的な熱量で映像化した本作。
リーダーのスティーブの勇気、フィッツヒューの人間臭さ、そして毎回工夫を凝らした「巨大な日常品を使ったアクション」は、今見返しても新しい発見があります。
特撮ファンはもちろん、人間ドラマを楽しみたい方にも自信を持っておすすめできる名作です。
近年ではリメイクの噂も絶えませんが、まずはオリジナルの持つ「アナログ特撮の温かみと狂気」を体験してみてはいかがでしょうか。
関連トピック
アーウィン・アレン:『ポセイドン・アドベンチャー』『タワーリング・インフェルノ』などを手掛け、「パニック映画の巨匠」と呼ばれるプロデューサー。
タイムトンネル:アレン制作のSFドラマ。歴史上の有名な事件の現場にタイムトラベルする物語。
宇宙家族ロビンソン:アレン制作のSFドラマ。宇宙迷子になったロビンソン一家の冒険を描く。『ロスト・イン・スペース』の原典。
プロップ(小道具):SF映画やドラマで使用される小道具。本作では鉛筆や電話機などの巨大プロップが見どころ。
愛川欽也:本作のフィッツヒュー役の吹き替えを担当。「なるほど!ザ・ワールド」などの司会でも知られる名優。
関連資料
DVD BOX『巨人の惑星』:全エピソードを収録したファン必携のボックスセット。特典映像も豊富。
書籍『アーウィン・アレンの世界』:アレン作品のメカニックデザインや舞台裏を解説した資料集。
サウンドトラック『The Fantasy Worlds of Irwin Allen』:ジョン・ウィリアムズらが手掛けた劇伴を収録したアルバム。
