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【徹底解説】映画『猿の惑星(1968)』衝撃の結末とあらすじ!SF映画史に残る傑作の裏側と考察まとめ

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【徹底解説】映画『猿の惑星(1968)』衝撃の結末とあらすじ!SF映画史に残る傑作の裏側と考察まとめ

SF映画の歴史を語る上で、絶対に避けては通れない不朽の名作『猿の惑星』(原題:Planet of the Apes)。
1968年に公開された本作は、人間と猿の立場が完全に逆転した狂気の世界を描き、当時の観客に強烈なトラウマと衝撃を与えました。

特殊メイクの歴史を変えた画期的な猿の造形、人種差別や冷戦下の核戦争への恐怖といった深い社会的メッセージ、そして映画史に燦然さんぜんと輝く「あの衝撃のラストシーン」。
公開から半世紀以上が経過し、リブート版シリーズが世界中で大ヒットを記録している今だからこそ、すべての原点である1968年版を振り返る意義があります。
本記事では、あらすじから世界観の考察、制作の裏側、そして後世に与えた多大な影響まで、本作の魅力を余すところなく徹底解説します。

概要

映画『猿の惑星』は、1968年にアメリカで公開されたSF映画の金字塔です。
フランスの作家ピエール・ブールが1963年に発表した同名SF小説を原作とし、『パットン大戦車軍団』などを手掛けたフランクリン・J・シャフナーが監督を務めました。

脚本には、『トワイライト・ゾーン(未知の世界)』のクリエイターとして知られるロッド・サーリングと、『戦場にかける橋』のマイケル・ウィルソンという豪華な顔ぶれが参加しています。
主演は、当時ハリウッドを代表する大スターだったチャールトン・ヘストン
彼が演じる傲慢でシニカルな人間テイラーが、言葉を話す猿たちに支配され、人間が下等動物として扱われる未知の惑星で絶望的なサバイバルを繰り広げます。

本作の最大の発明とも言えるのが、ジョン・チェンバースが手掛けた画期的な特殊メイクです。
俳優の豊かな表情を活かしつつ、極めてリアルな猿の顔を作り上げたこの技術は高く評価され、アカデミー賞名誉賞(現在のメイクアップ&ヘアスタイリング賞の前身)を受賞しました。
その後、オリジナルシリーズとして全5作が制作されたほか、ティム・バートン監督によるリメイク版、そしてアンディ・サーキス主演による『創世記(ジェネシス)』からのリブートシリーズなど、今なお拡張し続ける巨大フランチャイズの原点です。

予告編

詳細(徹底解説)

あらすじと世界観:人類が家畜に転落した絶望の星

物語は、宇宙船イカロス号に乗る宇宙飛行士テイラーたちが、光速に近い速度での宇宙航海を経て、見知らぬ惑星に不時着するところから始まります。
船内時計が示す年は「西暦3978年」。
生き残ったテイラーら3人は不毛な砂漠を抜け、水と緑にあふれたオアシスを発見しますが、そこで彼らが目撃したのは、言葉を持たず野生動物のように暮らす原始的な人類の姿でした。

さらに彼らを絶望のどん底に突き落としたのは、馬に跨り、銃を構えて人間たちを「狩る」知的な猿たちの襲撃です。
この惑星では、ゴリラが軍隊と警察を、オランウータンが政治と宗教を、チンパンジーが科学と学問を司るという厳格な階級社会が築かれていました。
首を撃たれて声を失ったテイラーは、猿の科学者ジーラとコーネリアスの元に送られ、知性を持つ特異な存在として彼らの関心を惹きつけますが、同時に異端を恐れる保守派の指導者ザイアス博士から命を狙われることになります。
「人間が動物として扱われる」という痛烈な皮肉は、人類の傲慢さに対する強烈なアンチテーゼとなっています。

特筆すべき見どころ:差別問題と宗教対科学のメタファー

本作が単なる娯楽SFの枠を超えている理由は、1960年代のアメリカ社会が抱えていた社会問題を鋭く反映している点にあります。
当時のアメリカは公民権運動の真っ只中にあり、人間と猿の立場を逆転させることで、白人層が無自覚に行っていた「人種差別」の愚かさを視覚的に突きつけました。

また、猿の社会における「進化論の否定」と「教典の絶対視」は、宗教的原理主義と科学的真理の対立を見事に描き出しています。
真実を知るザイアス博士が、社会秩序を守るためにあえて異端の科学を弾圧する構図は、中世のガリレオ裁判を彷彿とさせます。
さらに、ジェリー・ゴールドスミスが作曲した前衛的で不協和音を多用したサウンドトラックは、狂気に満ちた異星の不気味さを極限まで高め、観客の不安を煽り続けます。

考察と制作秘話:映画史を変えた「衝撃のラスト」

本作を伝説たらしめている最大の要因は、あまりにも有名なラストシーンです。
猿たちの追跡を逃れ、人間の女性ノヴァを連れて海岸線を進むテイラー。
彼がその先に見たものは、半分砂に埋もれた「自由の女神像」でした。

テイラーが不時着した見知らぬ惑星は、遠い未来の「地球」そのものであり、人類は自らが引き起こした核戦争によって文明を滅ぼし、退化していたのです。
「ついにやりやがったな! この狂人ども! 永遠に呪われろ!」と泣き崩れるテイラーの絶叫は、冷戦下で核戦争の恐怖に怯えていた当時の観客に深いトラウマを植え付けました。

実は原作小説では、主人公は地球へ帰還するものの、すでに地球も猿に支配されていたという結末でした。
しかし、脚本家のロッド・サーリングが「自由の女神」のアイデアを提案し、この映画史に残るどんでん返しが誕生したのです。
また、当初の企画では原作通りに「高層ビルが建ち並ぶ高度な猿の近代都市」を描く予定でしたが、予算の都合で原始的な石造りの村に変更されました。
しかし、結果的にこれが「滅亡後の地球」という設定に驚くほどの説得力を持たせることになりました。

シリーズ/章ごとの展開:広がり続ける『猿の惑星』サーガ

1968年の大ヒットを受け、オリジナルシリーズは全5作が制作されました。
第2作『続・猿の惑星』(1970年)では地下のミュータント人類と猿の戦争が描かれ、さらに衝撃的な地球の終焉を迎えます。
第3作『新・猿の惑星』(1971年)では、ジーラとコーネリアスが現代(1970年代)のアメリカにタイムトラベルするという逆転現象が発生。
第4作『猿の惑星・征服』(1972年)、第5作『最後の猿の惑星』(1973年)を通して、いかにして猿が人類に代わって地球を支配するに至ったのかという「歴史のループ」が見事に完結します。
この壮大なタイムパラドックスの構築力は、現在に至るまでSF映画の教科書とされています。

キャストとキャラクター紹介

ジョージ・テイラー:チャールトン・ヘストン / 納谷悟朗(吹替)

本作の主人公であり、イカロス号の船長。
人間社会の争いや愚かさに嫌気がさし、冷笑的な態度をとって宇宙へ旅立ったシニカルな人物です。
しかし、猿の惑星では「言葉を話す下等動物」として扱われ、皮肉にも人類の尊厳と自由のために孤独な戦いを強いられることになります。
傲慢だった彼が、最後に自らの種族の愚かさに絶望し泣き崩れる姿は、本作の象徴的な名シーンです。

コーネリアス:ロディ・マクドウォール / 近石真介(吹替)

チンパンジーの若き考古学者であり、ジーラの婚約者。
教典の教えに疑問を持ち、「猿以前に高度な文明が存在したのではないか」という仮説を立てて遺跡の発掘調査を行っています。
テイラーの存在を知り、自らの学説を証明するチャンスだと考えつつも、社会からの弾圧を恐れる慎重な一面も持ち合わせています。
ロディ・マクドウォールは、続編でもコーネリアスやその息子シーザー役を演じ、シリーズの顔となりました。

ジーラ:キム・ハンター / 平井道子(吹替)

チンパンジーの動物心理学者であり、獣医。
情熱的で進歩的な考えの持ち主で、人間(特にテイラー)に知性が存在することを確信し、彼を助けようと奔走します。
猿でありながら、テイラーに「キスしてもいいか? ただしひどく不器用だが」と言わしめるほど、人間味と優しさにあふれた魅力的なキャラクターです。

ザイアス博士:モーリス・エヴァンス / 熊倉一雄(吹替)

オランウータンの指導者で、科学省長官兼信仰の擁護者。
一見すると盲目的な狂信者のように見えますが、実は「かつて人間が地球を支配し、自らの手で文明を滅ぼした」という恐るべき真実を唯一知っている人物です。
猿の平和な社会を守るため、人間の知性の復活を何よりも恐れ、テイラーを冷酷に抹殺しようとします。
単なる悪役ではなく、彼なりの大義を持った深みのあるキャラクターです。

ノヴァ:リンダ・ハリソン

猿の惑星に住む、野生の若い人間の女性。
言葉を話すことはできませんが、その野性的な美しさでテイラーの心を慰める存在となります。
名前を持たなかった彼女に、テイラーが「ノヴァ(新星)」と名付けました。
無垢な彼女の瞳は、理性を失った人類の哀れさを強調する役割を担っています。

キャストの代表作品と経歴

チャールトン・ヘストン(Charlton Heston)

1950年代からハリウッドの超大作で活躍した名優です。
『十戒』(1956年)のモーゼ役や、『ベン・ハー』(1959年)でのアカデミー賞主演男優賞受賞など、英雄や歴史的偉人を演じさせたら右に出る者はいませんでした。
そんな彼が、本作ではボロボロになり、猿に鞭打たれ、泥水をすする役を熱演したことは当時の観客に強烈なギャップと衝撃を与えました。
晩年は全米ライフル協会の会長を務めたことでも知られています。

ロディ・マクドウォール(Roddy McDowall)

子役時代から活躍し、『わが谷は緑なりき』(1941年)などで天才子役として名を馳せました。
『猿の惑星』シリーズでは、第2作を除くオリジナルシリーズ4作品に出演し、さらにテレビドラマ版でも猿役を演じるなど、フランチャイズにとって不可欠な存在となりました。
分厚い特殊メイクの下からでも伝わる、彼特有の繊細で知的な目の演技は、チンパンジーたちに「魂」を吹き込みました。

まとめ(社会的評価と影響)

映画『猿の惑星』は、公開当初から批評家と観客の双方に熱狂的に受け入れられ、SF映画というジャンルを一段上の「芸術」へと引き上げた記念碑的作品です。
Rotten Tomatoesなどの評価サイトでも常に90%以上のスコアを維持しており、アメリカ国立フィルム登録簿にも永久保存作品として登録されています。

本作が後世のポップカルチャーに与えた影響は計り知れません。
パロディやオマージュは無数に存在し、特殊メイクの技術は本作を境に飛躍的な進化を遂げました。
また、「ディストピア」や「ポストアポカリプス(文明崩壊後)」を描いた映画の金字塔として、常に比較対象とされる絶対的な基準となっています。

進化とは何か、人間らしさとは何か、そして人類の未来はどうなるのか。
ザイアス博士の「人間は殺戮さつりくと破壊の生き物だ。放っておけば砂漠を広げる」という警告は、環境破壊や戦争が絶えない現代において、公開当時以上に重く、鋭く私たちの心に突き刺さります。
映画史に輝く「絶望のラスト」を、ぜひその目で確かめてみてください。

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    オリジナルシリーズ全5作がセットになった決定版。特典映像には、特殊メイクのテスト映像や未公開シーンが収録されており必見です。
  • 原作小説:『猿の惑星』(ピエール・ブール著 / ハヤカワ文庫SF)
    映画とは全く異なる設定と結末を持つ原作。フランスの作家らしい皮肉と知的なユーモアに満ちており、映画との違いを楽しむことができます。
  • 関連映画:『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』(2011年)
    現代のCG技術(パフォーマンス・キャプチャー)を用いて、いかにして猿が知性を獲得したかを描くリブートシリーズ第1作。本作の前日譚として完璧なストーリー構成を誇ります。


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