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【徹底解説】『ホームズ&ワトソン』の評価は?あらすじから大爆死の理由、豪華キャストまで総まとめ

コメディー
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【徹底解説】『ホームズ&ワトソン』の評価は?あらすじから大爆死の理由、豪華キャストまで総まとめ

概要

2018年にアメリカで公開され、コメディ映画界に激震(悪い意味で)を走らせた問題作『ホームズ&ワトソン』(原題:Holmes & Watson)。
日本では劇場公開が見送られ、『俺たちホームズ&ワトソン』というお馴染みの邦題を与えられてDVDスルーとなった本作は、まさに知る人ぞ知る伝説のコメディ映画です。
主演を務めるのは、『タラデガ・ナイト 狂速のオーヴァル』や『俺たちステップ・ブラザース -義兄弟-』で世界中のコメディファンを熱狂させた最強のコメディ俳優コンビ、ウィル・フェレルとジョン・C・ライリー。
アーサー・コナン・ドイルが世に生み出した、かの有名な天才名探偵シャーロック・ホームズと、その相棒ジョン・ワトソンの物語を、この二人が大真面目に(そして極限までおバカに)パロディ化するという夢のような企画でした。
監督と脚本を務めたのは、『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』の脚本などで知られるイータン・コーエン。
公開前は「あの最強コンビが名探偵に!」と大きな期待を集めていましたが、いざ蓋を開けてみると、批評家から「笑いどころが一つもない」「時間の無駄」と映画史に残るレベルの歴史的な大バッシングを浴びることになります。
辛口批評サイト「Rotten Tomatoes」では驚異の10%という壊滅的なスコアを叩き出し、さらにはその年の最低映画を決める「第39回ゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)」において、最低作品賞を含む堂々の4冠を達成してしまいました。
一部の劇場では、あまりのくだらなさに上映途中で席を立つ観客(ウォークアウト)が続出したという、嘘のようなエピソードまで残されています。
しかし、「なぜここまで見事に失敗してしまったのか?」という視点で鑑賞すると、本作は一周回って奇妙な魅力と笑いを提供してくれる特異なエンターテインメント作品へと変貌します。
この記事では、エンタメ情報サイト「tvtomovie.com」の視点から、『ホームズ&ワトソン』のあらすじや見どころ、豪華すぎるキャストの無駄遣いぶり、そしてなぜこれほどの「大爆死」を遂げたのかという裏話までを徹底的に深掘りして解説していきます。

予告編

詳細(徹底解説)

あらすじと世界観

物語の舞台は、19世紀末のヴィクトリア朝時代のイギリス、ロンドン。
誰もが知る天才名探偵シャーロック・ホームズと、忠実な助手であるジョン・ワトソン医師は、その類まれなる推理力(という名の強運と思い込み)で数々の難事件を解決し、ロンドン市民から絶大な人気を集めていました。
しかし、彼らの前に最大の宿敵であるジェームズ・モリアーティ教授が立ちはだかります。
ある日、バッキンガム宮殿で開かれたヴィクトリア女王のパーティーにおいて、用意された巨大なケーキの中から死体が発見されるという前代未聞の事件が発生します。
死体にはモリアーティからの挑戦状が添えられており、「4日以内に事件を解決しなければ、ヴィクトリア女王の命はない」という恐るべき予告が記されていました。
かくして、イギリス帝国の存亡と女王の命を懸けた、ホームズとワトソンによる珍道中とも言えるドタバタ捜査が幕を開けます。
本作の世界観の最大の特徴は、19世紀のロンドンという歴史的な舞台設定を一切無視し、現代のポップカルチャーや政治的なジョーク(トランプ大統領のパロディである「Make England Great Again」の帽子など)を強引に詰め込んだ、アナクロニズム(時代錯誤)全開のコメディ空間になっている点です。
ロバート・ダウニー・Jr主演の大ヒット映画版『シャーロック・ホームズ』で見られたような、頭の中で先のアクションをシミュレーションする「ホームズ・ビジョン(スローモーション演出)」もパロディ化されていますが、フェレル演じるホームズの計算は毎回見事に外れ、自爆するというお約束のギャグが展開されます。

シーズン/章ごとの展開

本作は映画作品ですが、そのストーリーラインはわかりやすい3幕構成で進んでいきます。
第1幕は、ホームズとワトソンの出会い(少年時代)から始まり、大人になった二人がいかにして「迷コンビ」となったかが描かれる導入部分です。
天才ゆえに傲慢で、ワトソンを「共同捜査官」として一切認めようとしないホームズのサイコパス気味なキャラクター性が提示されます。
第2幕では、宮殿での殺人事件をきっかけに本格的な捜査が始まります。
二人はアメリカからやってきた女医のグレース・ハートや、男装の助手のミリーと出会い、ワトソンはハート医師と恋に落ちますが、ホームズはその関係に嫉妬して暴走を始めます。
証拠品である毒殺された遺体の組織をなぜか食べて味見したり、深夜の死体安置所で大騒ぎしたりと、推理とは名ばかりの奇行の数々が描かれます。
そして第3幕は、ヴィクトリア女王が乗船する豪華客船「タイタニック号」を舞台にした、文字通りのグランドフィナーレです。
史実を完全に無視したタイタニック号への乗船と、爆弾解除というスリリングな状況下で、ホームズはついにワトソンの存在の大きさに気づき、二人の絆が試される(そして爆笑を誘う)クライマックスへと雪崩れ込みます。

特筆すべき見どころ

本作の最大の見どころは、良くも悪くもウィル・フェレルとジョン・C・ライリーという、現代アメリカンコメディを牽引してきた「鉄板コンビ」が醸し出す、狂気じみた化学反応に尽きます。
イギリス英語のアクセントを不自然に誇張して喋り続けるフェレルの姿や、銃を乱射してすべてを解決しようとするライリーの脳筋ぶりは、彼らの過去の出演作が好きなファンにとってはたまらない「いつも通りの味」です。
さらに特筆すべきは、劇中で突然始まる本格的なミュージカルナンバー「Strange Sensation」の存在です。
なんとこの楽曲、ディズニー映画の『アラジン』や『美女と野獣』で知られる生ける伝説、アラン・メンケンが本作のためにわざわざ書き下ろしたという、あまりにも贅沢すぎる無駄遣いとなっています。
名曲に乗せてフェレルとライリーが本気で歌い踊るシーンは、映画の出来を度外視して感動すら覚える謎のクオリティを誇っています。
また、タイタニック号のシーンでは、映画『タイタニック』に悪役キャルとして出演していた俳優ビリー・ゼインが、「ビリー・ゼイン本人」としてカメオ出演するという、映画ファンにしか伝わらないようなシュールでニッチなギャグも仕込まれています。

制作秘話・トリビア

本作の裏話として最も有名なのが、配給元であるソニー・ピクチャーズが公開前に直面した「絶望」のエピソードです。
公開前に行われたテスト試写会での観客の反応があまりにも悪く、焦ったソニーの上層部は、この映画の配給権を動画配信サービス大手のNetflixに丸ごと売却(損切り)しようと試みました。
しかし、Netflix側も映画の惨状を察知したのか、なんとこのオファーをきっぱりと拒否したというのです。
結果的に予定通り劇場公開されることになりましたが、全米の劇場では「笑えなさすぎる」として途中で帰る観客が続出するという事態に発展しました。
さらに、第39回ゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)においては、「最低作品賞」「最低監督賞」「最低前日譚・リメイク・盗作・続編賞」「最低助演男優賞(ジョン・C・ライリー)」の4冠を獲得。
監督のイータン・コーエン(Etan Cohen)は、名前の綴りが似ているコーエン兄弟のイーサン・コーエン(Ethan Coen)としばしば混同されることがあり、「名監督のイーサンがこんな駄作を撮るはずがない!」と一部の映画ファンを混乱させたことも、本作のコメディ要素の一つとして語り継がれています。

キャストとキャラクター紹介

  • シャーロック・ホームズ:ウィル・フェレル / 内田直哉
    • 世界最高の頭脳を持つとされる名探偵ですが、本作ではその知性がすべて悪い方向(アホな方向)へと向かっているサイコパス気味な男として描かれています。
    • 自らの推理に絶対の自信を持ち、ワトソンを見下してぞんざいに扱いますが、実は彼がいないと何もできないという極度の寂しがり屋でもあります。
    • 常に自己中心的で子供のような癇癪を起こす姿は、まさにウィル・フェレルの十八番とも言える「愛すべきマンチャイルド」の究極系です。
  • ジョン・ワトソン医師:ジョン・C・ライリー / 石住昭彦
    • ホームズの忠実な助手であり、共同伝記作家であり、そして彼の最大の理解者です。
    • 常にホームズから「お前はただの助手だ」と冷遇されながらも、いつか自分を「共同捜査官」として認めてほしいと健気に願い続けています。
    • 医学的な知識よりも、とりあえず銃をぶっ放すことで問題を解決しようとするトリガーハッピーな一面があり、グレース医師に対してピュアな恋心を抱きます。
  • グレース・ハート医師:レベッカ・ホール / 阿部彬名
    • アメリカからやってきた優秀な女性医師であり、当時のイギリスでは珍しい最先端の医学知識を持っています。
    • 男性中心の社会の中で自らの実力を証明しようと奮闘する真面目なキャラクターですが、なぜかワトソンの独特の魅力に惹かれていき、シュールな恋愛模様を展開します。
    • コメディ映画に似つかわしくないほど真剣な演技が、逆に周囲の異常さを際立たせるスパイスとなっています。
  • ジェームズ・モリアーティ教授:レイフ・ファインズ / 中村章吾
    • ホームズの最大の宿敵であり、ロンドンの裏社会を牛耳る冷酷な犯罪界のナポレオンです。
    • アメリカへの逃亡を企てながら、ホームズを絶望の淵に追い込むための巧妙な罠を仕掛けます。
    • 圧倒的な威厳とオーラを放ちながらも、どうしようもなくバカバカしいホームズたちの行動に巻き込まれていく姿が笑いを誘います。

キャストの代表作品と経歴

  • ウィル・フェレル
    • アメリカの長寿コメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』で一時代を築き、その後『俺たちニュースキャスター』や『エルフ 〜サンタの国からやってきた〜』などでハリウッドのトップコメディスターに上り詰めました。
    • 「大の大人が子どものように振る舞う」という芸風において彼の右に出る者はおらず、本作でもその独自のスタイルをヴィクトリア朝の探偵という設定に全力でぶつけています。
  • ジョン・C・ライリー
    • 『シカゴ』や『めぐりあう時間たち』など、オスカー候補になるようなシリアスな名作で高く評価される演技派俳優でありながら、コメディ映画にも嬉々として出演する振り幅の広さが特徴です。
    • 声優を務めたディズニーのアニメ映画『シュガー・ラッシュ』のラルフ役でも世界的な人気を集めており、ウィル・フェレルとのコンビは本作で3度目となります。
  • レイフ・ファインズ
    • 『シンドラーのリスト』での冷酷なナチス将校役や、『ハリー・ポッター』シリーズの最強の闇の魔法使いヴォルデモート役など、映画史に残る数々の名悪役を演じてきたイギリスを代表する名優です。
    • 『グランド・ブダペスト・ホテル』などで見せたコミカルな一面が本作でも活かされており、アカデミー賞ノミネート俳優がラジー賞映画で全力の悪ふざけをしているというギャップだけでも見る価値があります。

まとめ(社会的評価と影響)

映画『ホームズ&ワトソン』は、興行収入の面でも批評の面でも、2018年を代表する最大級の「大爆死映画」として映画史にその名を刻むことになりました。
Rotten Tomatoesでの10%というスコアやラジー賞の席巻が示す通り、客観的に見れば本作は「失敗作」の烙印を押されて当然のクオリティかもしれません。
下品なジョーク、時代錯誤なパロディ、そしてあまりにも安易なストーリーテリングは、シャーロック・ホームズの熱狂的なファン(シャーロキアン)を激怒させるには十分すぎる破壊力を持っていました。
しかし、コメディというジャンルの本質は、美しさや整合性ではなく「笑えるかどうか」という極めて主観的な一点に尽きます。
「世界最低の映画」というレッテルを貼られたことで、本作は逆に「どれほどひどいのか自分の目で確かめたい」という悪趣味な映画ファン(B級映画ファン)たちの好奇心を強烈に刺激し、一種のカルト映画的なポジションを獲得しつつあります。
ウィル・フェレルとジョン・C・ライリーという、かつて一世を風靡した最強コンビの「やりたい放題」な姿を眺めながら、友人たちとツッコミを入れてゲラゲラ笑うための「パーティームービー」としては、これ以上ないほど完璧な素材だと言えるでしょう。
洗練された上質なユーモアに疲れた夜は、頭を空っぽにして、この歴史的スケールの「壮大なスベり芸」に身を委ねてみてはいかがでしょうか。

作品関連商品

  • 『俺たちホームズ&ワトソン』 ブルーレイ&DVDセット
    • 日本ではソニー・ピクチャーズから劇場未公開(DVDスルー)作品としてひっそりとリリースされた本編ディスクです。
    • 日本語吹き替え版では、内田直哉と石住昭彦というベテラン声優陣がフェレルとライリーの暴走を見事にローカライズして演じ切っており、字幕版とはまた違った味わい深いバカバカしさを堪能できます。
  • コナン・ドイル著『シャーロック・ホームズの冒険』(新潮文庫など)
    • 本作を観て大いに笑い、そして少しだけ混乱してしまった脳を正常な状態に戻すための「口直し」として、アーサー・コナン・ドイルによる正統派の原作小説を読み返すことを強くお勧めします。
    • 本物のホームズの圧倒的な知性と、ワトソンの常識人としての苦労を再確認することで、いかに映画版がぶっ飛んでいたかがより鮮明に理解できるはずです。
  • 映画『俺たちステップ・ブラザース -義兄弟-』DVD / Blu-ray
    • ウィル・フェレルとジョン・C・ライリーのコンビの真髄、そして彼らが最も輝いていた瞬間を味わいたい方には、2008年の本作が必見です。
    • 『ホームズ&ワトソン』で彼らのコメディに疑問を持った方は、ぜひこの名作(迷作)を観て、最強コンビの本来の実力と底抜けの面白さを再確認してください。
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