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【徹底解説】映画『マダム・ウェブ』の評価はなぜ低い?あらすじから大爆死の理由、SNSでのミーム化とキャストまで総まとめ

サスペンス・ミステリー
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概要

2024年に公開され、アメコミ映画界に(良くも悪くも)特大のインパクトを残したマーベル映画『マダム・ウェブ』(原題:Madame Web)。
本作は、ソニー・ピクチャーズが展開する『ヴェノム』や『モービウス』に続く「ソニー・スパイダーマン・ユニバース(SSU)」の第4弾として制作されたサスペンス・ミステリー作品です。
原作コミックでは、スパイダーマンを導く盲目で車椅子に乗った老女のミュータントとして知られる「マダム・ウェブ」ですが、本作では若き日の彼女(キャシー・ウェブ)を主人公に据え、いかにして彼女が未来予知の能力に目覚めたのかを描くオリジンストーリーとなっています。
主演には『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』のダコタ・ジョンソンを迎え、さらにシドニー・スウィーニーやイザベラ・メルセドといった今をときめく若手人気女優たちが集結するという、非常に華やかなキャスティングが話題を呼びました。
しかし、いざ劇場公開されるや否や、批評家および一般観客から容赦ない酷評の嵐を浴びることになります。
辛口批評サイトRotten Tomatoesでは批評家スコアが11%というSSU史上最低の数字を叩き出し、全世界の興行収入も約1億ドルという、アメコミ大作としては歴史的な大赤字(大爆死)を記録してしまいました。
その不自然な脚本や、ツッコミどころ満載の編集、そして「スパイダーマンの映画だと思わせておいてスパイダーマン要素が皆無」という肩透かしな展開は、SNS上で巨大なミーム(ネタ)として消費される事態に発展しました。
さらに、主演のダコタ・ジョンソン自身がプロモーション活動中に「こんな映画になるとは思っていなかった」「二度とこういう作品には出ない」と半ば作品を見限るようなぶっちゃけ発言を連発したことで、映画本編よりも舞台裏のゴシップの方が面白がられるという異例の事態を引き起こしました。
この記事では、エンタメ情報サイト「tvtomovie.com」の視点から、映画『マダム・ウェブ』のあらすじや独自の世界観、豪華キャストの魅力、そしてなぜここまで評価が地に落ちてしまったのかという「大爆死の真相」までを徹底的に深掘りして解説していきます。
単なる失敗作として切り捨てるにはあまりにも味わい深い、愛すべきトンデモ映画の裏側に迫りましょう。

予告編

詳細(徹底解説)

あらすじと世界観

物語の舞台は、アベンジャーズもスパイダーマンもまだ存在していない2003年のニューヨーク。
主人公のキャシー・ウェブは、人命救助にやりがいを感じる優秀な救急救命士として、相棒のベン・パーカー(後のスパイダーマンの叔父)とともに慌ただしい日々を送っていました。
キャシーは幼い頃に母親を亡くしており、親の愛を知らずに育ったため、他者と深く関わることを避ける孤独な女性です。
ある日、彼女は救命活動中に橋から転落し、生死の境をさまよう大事故に遭います。
奇跡的に一命を取り留めたキャシーでしたが、その日を境に、数秒先の未来の出来事がフラッシュバックのように見える「予知能力(デジャブ)」に目覚めてしまいます。
自分の身に起きている不可解な現象に戸惑うキャシーでしたが、地下鉄の車内で、見ず知らずの3人の少女(ジュリア、マティ、アーニャ)が、謎の黒いスパイダーマンのような男に惨殺されるという恐ろしい未来を予知してしまいます。
直感的に少女たちを助け出したキャシーは、暗殺者エゼキエル・シムスからの執拗な追跡から逃れながら、少女たちを守り抜く決意を固めます。
調査を進めるうちに、エゼキエルがかつてアマゾンのジャングルでキャシーの母親を裏切り、特殊な蜘蛛の力を奪った張本人であることが判明します。
さらに、エゼキエルは「将来、この3人の少女たちがスパイダーウーマンとなり、自分を殺す」という未来を恐れ、今のうちに彼女たちの芽を摘もうとしていることが明らかになります。
本作の世界観は、スーパーヒーロー映画でありながら「主人公が直接的な物理攻撃を持たない(未来予知の頭脳戦で戦う)」という、一風変わったサイコスリラーのようなアプローチをとっています。
2003年という時代設定を活かし、カルバン・クラインの看板やビヨンセの楽曲、そしてガラケー(折りたたみ携帯)といったゼロ年代カルチャーが随所に散りばめられているのも特徴です。

シーズン/章ごとの展開

本作のストーリーラインは、能力の覚醒から過去の因縁の精算へと向かう3幕構成で展開されます。
第1幕は、キャシーの孤独な日常と、未来予知能力の覚醒を描く導入部です。
彼女の母親が1973年のペルーのジャングルで「クモ人間(アラーニャ)」の部族を探していた際のエピソードがプロローグとして描かれ、因縁の始まりが提示されます。
第2幕では、地下鉄での少女たちとの出会いを発端に、逃亡劇と謎解きがスタートします。
キャシーは少女たちを森の中に隠し、自らの出生の秘密と能力の正体を知るために単身ペルーへと渡ります。
ここで彼女は、母親が自分を身ごもったまま不治の病に侵されており、お腹の子供(キャシー)を救うために伝説の蜘蛛を探していたという衝撃の真実を知り、母親との精神的な和解を果たします。
そして第3幕のクライマックスでは、未来を見通す力を完全にコントロールできるようになったキャシーが、少女たちを狙うエゼキエルとの最終決戦に挑みます。
巨大なペプシコーラの看板がそびえ立つ花火工場での決戦は、物理的な力を持たないキャシーがいかにして知略と未来予知で強敵を出し抜くかという、サスペンスアクションとしての見せ場となっています。

特筆すべき見どころ

本作の最大の見どころであり、同時に観客を最も困惑させたのが「未来予知」の映像表現です。
キャシーが未来の危険を察知すると、映画のフィルムが巻き戻るような奇妙なエフェクトがかかり、同じシーンを別の視点から何度も繰り返す(タイムループのような)演出が多用されます。
これがサスペンスとしての緊張感を生む一方で、「映像の使い回しでテンポが悪い」という批判も招く両刃の剣となっていました。
また、マーベルファンにとっての最大の見どころは、やはりアメコミお馴染みの「3人のスパイダーウーマンのスーツ姿」です。
予告編でも大々的にフィーチャーされていたこのスーツ姿ですが、実は本編中ではエゼキエルの「予知夢」やキャシーの「未来のビジョン」の中でしか登場せず、現実の2003年の時間軸では少女たちは最後まで普通の女子高生のままであるという、凄まじい肩透かし演出が用意されています。
さらに、後のスパイダーマンことピーター・パーカーの誕生をめぐるエピソードも盛り込まれており、アダム・スコット演じる若き日のベンおじさんと、妊娠中のメアリー・パーカー(ピーターの母)が登場します。
作中でピーターの名前が直接呼ばれることはありませんが、「甥っ子ができるんだ」と喜ぶベンおじさんの姿は、MCUとは別次元のSSUユニバースにおける重要なミッシングリンクとなっています。

制作秘話・トリビア

本作が映画史に刻まれた最大の理由は、映画本編の出来栄え以上に、そのプロモーション活動中の「炎上劇」にあります。
予告編でキャシーが発した「He was in the Amazon with my mom when she was researching spiders right before she died.(彼[エゼキエル]はアマゾンで私の母と一緒にクモの研究をしていた。母が死ぬ直前にね)」という非常に説明的で不自然なセリフは、海外のTikTokやX(旧Twitter)で巨大なネットミームとなり、大喜利の素材としてオモチャにされました。
さらに深刻だったのが、悪役エゼキエル・シムスを演じたタハール・ラヒムの音声問題(ADRの不自然さ)です。
撮影後に脚本が大幅に変更されたのか、エゼキエルの口の動きと英語のセリフが全く合っておらず、背中を向けている時やマスクを被っている時に後から録音したセリフを無理やり被せているのが素人目にも分かるレベルの編集となっており、「史上最悪のアフレコ」と映画ファンから酷評されました。
極めつけは、主演のダコタ・ジョンソンが見せた前代未聞の「ぶっちゃけプロモーション」です。
彼女はインタビューで「完成した映画は、私が最初に出演契約した時の脚本とは全くの別物になっていた」「AIが書いたような映画」「二度とこういうスーパーヒーロー映画には出ない」と清々しいほどの苦言を呈しました。
シドニー・スウィーニーに至っては、米国のコメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』にホストとして出演した際、「私が出演した『マダム・ウェブ』は多分誰も観てないと思うけど」と自虐ネタにし、会場の爆笑を誘う始末。
スタジオの迷走とキャストの正直すぎるリアクションが相まって、本作は公開直後から「愛すべき失敗作」としてのカルト的な地位を確立することになったのです。

キャストとキャラクター紹介

  • キャシー・ウェブ(マダム・ウェブ):ダコタ・ジョンソン / 平野綾
    • ニューヨークの救急救命士で、本作の主人公です。
    • 母親からの愛情を知らずに育ったため、他者との関わりを極端に避けるシニカルな性格ですが、未来予知の能力に目覚めたことで、見ず知らずの少女たちの命を預かることになります。
    • 劇中では赤いレザージャケットを羽織り、タクシーや救急車を荒々しく乗り回して敵と物理的なカーチェイスを繰り広げる、泥臭いヒロイン像を見せています。
  • ジュリア・コーンウォール:シドニー・スウィーニー / 潘めぐみ
    • エゼキエルに命を狙われる3人の少女の一人です。
    • 家族が崩壊しており、孤独を抱える気弱なオタク少女ですが、未来では2代目「スパイダーウーマン」になる運命を背負っています。
    • 黒い縁付きのメガネと制服姿という、いかにもステレオタイプなギーク女子をシドニー・スウィーニーが可愛らしく演じています。
  • マティ・フランクリン:セレステ・オコナー / 伊瀬茉莉也
    • 裕福な家庭に育つも、両親が仕事で不在がちで愛情に飢えている反抗期のスケボー少女です。
    • 未来ではスパイダーマンの能力に加えて、4本のロボットアームを操る「スパイダーウーマン」へと覚醒します。
    • 生意気な態度でキャシーを困らせますが、徐々に彼女たちと家族のような絆を築いていきます。
  • アーニャ・コラソン:イザベラ・メルセド / ファイルーズあい
    • 父親を強制送還で失い、一人でアパートに暮らしながら数学に打ち込む秀才のヒスパニック系少女です。
    • 未来では「アラニャ」という名のスパイダーウーマンとなり、白いスーツを身に纏います。
    • キャシーと同じアパートに住んでいたことから、この数奇な運命に巻き込まれていきます。
  • エゼキエル・シムス:タハール・ラヒム / 子安武人
    • 本作のメインヴィランであり、未来で3人の少女に殺される夢にうなされ、彼女たちを暗殺しようと目論む男です。
    • キャシーの母親から奪った蜘蛛の力で、壁を這い、強力な毒の力を持っていますが、なぜか常に「裸足」で街中を歩き回るという強烈なビジュアルを持っています。
  • ベン・パーカー:アダム・スコット / 萩原聖人
    • キャシーの救命士としての相棒であり、のちのスパイダーマンの「ベンおじさん」となる人物です。
    • ユーモアに溢れ、常にキャシーを気遣う優しい性格の持ち主であり、劇中では恋人のメアリー(ピーターの母)との関係が描かれます。

キャストの代表作品と経歴

  • ダコタ・ジョンソン
    • 俳優ドン・ジョンソンと女優メラニー・グリフィスの間に生まれたサラブレッドであり、世界的メガヒットとなった官能恋愛映画『フィフティ・シェイズ』シリーズのアナスタシア役で一躍トップスターの仲間入りを果たしました。
    • 近年は『サスペリア』や『ロスト・ドーター』など、芸術性の高いインディーズ作品での演技が高く評価されていました。
    • 本作への出演は彼女にとって初のスーパーヒーロー映画への挑戦でしたが、脚本の大幅改変に落胆し、公開前に所属エージェントを解雇して移籍するというハリウッドらしい生々しい騒動の引き金にもなりました。
  • シドニー・スウィーニー
    • HBOの衝撃的な学園ドラマ『ユーフォリア/EUPHORIA』のキャシー役でブレイクし、エミー賞にノミネートされるなど、現在ハリウッドで最も出演オファーが殺到している若手トップ女優の一人です。
    • ラブコメ映画『恋するプリテンダー』の世界的大ヒットにより、新世代のセックス・シンボルおよびロマコメ女王としての地位を完全に確立しました。本作での出番の少なさと扱いの雑さは、彼女のファンから大きな不満を買うことになりました。

まとめ(社会的評価と影響)

映画『マダム・ウェブ』は、アメコミ映画が抱える「フランチャイズ構築の焦り」と「スタジオの過剰な介入」が引き起こした、教科書通りのような大失敗作として歴史に名を刻むことになりました。
Rotten Tomatoesでの11%というスコアや、興行収入の大赤字は、観客がすでに「他作品への伏線(ユニバース展開)を張るためだけに作られた中身のない映画」に完全に飽きている、いわゆる「スーパーヒーロー疲労」を象徴する出来事だと言えます。
スパイダーウーマンの活躍を期待してチケットを買った観客に、2時間の壮大な「プロローグ」だけを見せつけ、肝心のスーツ姿は妄想の中でしか登場しないという構成は、明らかなマーケティングの失敗であり、詐欺的だと批判されても仕方のないものでした。
さらに、後から無理やり繋ぎ合わせたような不自然な脚本とアフレコは、映画作りにおけるスタジオ(ソニー・ピクチャーズ)側の迷走ぶりを浮き彫りにしています。
しかし、これらの数々の欠点やダコタ・ジョンソンの「やる気のなさ(諦めの境地)」が逆に一周回って面白がられ、SNS時代における「極上のB級ツッコミ映画」として異常なネットミームを産み出したのは、本作が持つ奇妙な魅力と言えるかもしれません。
洗練された完璧なMCU作品に少し疲れてしまった時、2000年代初頭に大量生産されていた「ちょっと野暮ったくてツッコミどころの多いアメコミ映画」のノスタルジーを感じたい方にとっては、本作は最高の暇つぶし(ヘイト・ウォッチング)になること請け合いです。

作品関連商品

  • 『マダム・ウェブ』ブルーレイ&DVDセット
    • 映画本編に加え、メイキング映像やNGシーン集が収録されたディスクパッケージです。
    • 本編ではほとんど見ることができなかった「スパイダーウーマンのスーツの細部」や、キャストたちが撮影現場でいかに過酷なアクションに挑んでいたかを特典映像で補完することができます。ダコタ・ジョンソンのぶっちゃけ発言を思い出しながらメイキングを見ると、また違った味わいがあります。
  • マーベル・コミック『アメイジング・スパイダーマン』シリーズ
    • 原作コミックにおける本物の「マダム・ウェブ」の活躍を知りたい方におすすめの原作コミックです。
    • 映画版の若くてアクティブなキャシーとは全く異なる、車椅子に座りながらマルチバース全体を監視し、スパイダーマンに謎めいた助言を与える「盲目の老女ミュータント」としての本来の姿を確認することで、映画版がどれほど大胆な改変を行っていたかを理解できるはずです。
  • 映画『スパイダーマン:スパイダーバース』(Blu-ray/DVD)
    • 同じソニー・ピクチャーズが制作した、アニメーション映画の歴史を変えた大傑作です。
    • 『マダム・ウェブ』で感じたモヤモヤやスパイダーマン成分の不足を完全に解消したい場合は、迷わず本作を鑑賞して、マルチバース設定の正しい使い方と、最高峰の映像体験で心を浄化することを強く推奨します。
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