Netflixで配信されるやいなや世界中で再生回数を伸ばし、ついには「Netflix史上最も視聴された映画トップ10」にまで食い込んだSFアクション映画『ウォー・マシーン:未知なる侵略者』。
「ジャック・リーチャー」で人気を確立したアラン・リッチソンが、米陸軍レンジャー部隊の選抜訓練中に謎の巨大殺戮マシーンと戦う、という一見シンプルな作品です。
しかしその裏側には、監督が実際に見た「悪夢」から生まれた企画の経緯や、ほぼCGに頼らない過酷な実写スタント、劇場公開から配信へ切り替わった制作事情など、日本ではあまり知られていない話がたくさんあります。
この記事では、英語圏のインタビューやレビューをもとに、作品の魅力と評価を詳しく解説します。
- 『ウォー・マシーン:未知なる侵略者』のあらすじと基本情報(ネタバレなし)
- 監督の悪夢から生まれた企画の裏話と、過酷な撮影エピソード
- Rotten Tomatoes・Metacriticなど海外での評価と賛否のポイント
- 続編『War Machines(原題)』の最新情報
作品の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原題 | |
| 邦題 | ウォー・マシーン:未知なる侵略者 |
| 制作国 | オーストラリア/アメリカ |
| 公開・配信年 | 2026年(オーストラリアで2月12日に限定劇場公開、Netflixで3月6日から全世界配信) |
| ジャンル | SFアクション/ミリタリーSF/サバイバル |
| 監督 | パトリック・ヒューズ(Patrick Hughes) |
| 脚本 | パトリック・ヒューズ、ジェームズ・ボーフォート(James Beaufort) |
| 原作 | なし(ヒューズ監督によるオリジナルストーリー) |
| 制作会社・配信元 | Lionsgate、Hidden Pictures、Huge Film、Range Media Partners ほか/配信:Netflix |
| 上映時間 | 約106〜107分(R指定) |
| 日本での視聴方法 | Netflixで独占配信中(2026年10月時点) |
作品の概要
『ウォー・マシーン:未知なる侵略者』は、米陸軍レンジャー部隊の選抜訓練という極めてリアルな軍事ドラマと、宇宙から飛来した殺戮マシーンとのサバイバルを掛け合わせたSFアクション映画です。
監督は『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』や『ヒットマンズ・ボディガード』シリーズで知られるオーストラリア出身のパトリック・ヒューズ。
ヒューズにとっては、長編デビュー作『Red Hill(原題)』以来となる、自ら原案・脚本・製作まで手がけた「パッション・プロジェクト(個人的な思い入れの強い企画)」です。
企画のアイデア自体は2017年に生まれ、2021年11月にライオンズゲート(Lionsgate)で製作が決まったと米Varietyが報じました。
2024年3月には主演にアラン・リッチソンが決定し、同時にNetflixがライオンズゲートから配信権を取得したことがDeadlineで伝えられています。
もともとは劇場公開を前提に開発された作品でしたが、配信各社からの強い引き合いを受けてNetflixでの配信に切り替わった、という経緯があります。
作品の雰囲気をひと言でいえば、1980年代のアクション映画を思わせる「男くさい」サバイバル劇です。
海外のレビューでは『プレデター』や『宇宙戦争』、さらにはゲーム『メタルギア』シリーズを連想させるという声が多く、予告編公開時にはSNSで「メタルギアっぽい」と話題になりました。
CGよりも実際のロケ地やスタントを重視した、手触りのある映像づくりも大きな特徴です。
小難しい設定よりも、圧倒的な敵から逃げ、知恵で立ち向かう緊張感を楽しみたい人、『リーチャー』でアラン・リッチソンのファンになった人、『プレデター』のような軍隊vs怪物ものが好きな人には特におすすめです。
一方で、R指定らしく遺体の描写などはかなり生々しいので、苦手な方は注意してください。
予告編・オープニング映像
あらすじと世界観(ネタバレなし)
アフガニスタンでの任務中、ある米陸軍の二等軍曹(スタッフ・サージェント)は、レンジャー部隊を一緒に目指そうと語り合っていた兄を、タリバンの襲撃で目の前で失います。
自身も膝に重傷を負いながら、兄を救えなかった後悔を抱えたまま、彼は2年後、兄との約束を果たすためにコロラド州で行われるレンジャー選抜プログラム(RASP:Ranger Assessment and Selection Program)に参加します。
選抜プログラムでは、候補生は名前ではなく番号で呼ばれます。
主人公に与えられた番号は「81」。
戦闘工兵として優秀な実績を持つ81は、訓練では群を抜いた成績を収めるものの、仲間と打ち解けようとせず、チームリーダーの役割も拒み続けます。
上官たちはPTSD(心的外傷後ストレス障害)を抱える彼の精神状態を不安視しながらも、最終試験で81をリーダーに任命します。
最終試験は「デス・マーチ」と呼ばれる模擬任務で、森の奥に墜落した機密航空機を破壊し、パイロットを救出するという内容です。
ところが演習中、空からの謎の衝撃で通信が途絶え、チームは川辺で見慣れない物体を発見します。
それが訓練用の標的ではなく「何か」だと気づいたときには、すでに手遅れでした。
しかも候補生たちが持っているのは訓練用の空砲だけ。
ここから、81たちの本当の「最終試験」が始まります。
物語の舞台は、ほぼ森と山岳地帯、そして激流の川に限られています。
世界で何が起きているのかを登場人物も観客もほとんど知らされないまま、「目の前の1体からどう生き延びるか」に焦点を絞った構成が、本作の緊張感を生み出しています。
見どころ
CGに頼らない本物のスタントと過酷なロケ
本作最大の見どころは、実際の自然の中で撮影された体当たりのアクションです。
リッチソンは米ScreenRantのインタビューで、山の斜面を駆け下り、クラス5(最も危険度の高い等級)の激流に飛び込み、ジップラインを渡り、実際のレンジャー選抜で使われる障害物コースを走ったと振り返っています。
特に激流をロープ1本で渡る脱出シーンについて、ヒューズ監督は「VFXなしで撮るために、入念な準備を重ねた」と説明しています。
前半の「選抜訓練ドラマ」としての面白さ
殺戮マシーンが登場するまでの約30分は、泥と汗にまみれた選抜訓練の描写が続きます。
海外の批評家の間でも、この前半を「長すぎる」と感じる人と「リアルで引き込まれる」と感じる人に評価が分かれましたが、ここで候補生たちの関係性や81の孤立が丁寧に描かれるからこそ、後半のサバイバルが生きてきます。
軍事考証に詳しい米Military Timesは、退役軍人の視点から「巨大ロボットが現れても、誰かが『これも採点対象?』と言い出しそう」とユーモアを交えて評しており、選抜訓練の雰囲気の再現度にも注目です。
「空砲しかない」絶望感から生まれる知恵の勝負
候補生たちは訓練用の空砲しか持っておらず、序盤はまともに反撃すらできません。
圧倒的な敵を前に、方位磁石の異常からマシーンの接近を察知するなど、限られた手段で生き延びようとする展開は、銃撃戦中心のアクション映画とはひと味違うスリルがあります。
戦闘工兵という81の専門知識がどう生きてくるのかも、物語の大きな鍵になります。
アラン・リッチソンの存在感
『リーチャー』の主人公リーチャーは理詰めの格闘家ですが、本作の81は、心に深い傷を抱えて感情を閉ざした兵士です。
寡黙な役柄ながら、体の大きさとは裏腹に見せる弱さや迷いが、多くのレビューで評価されています。
「巨体の男が巨大ロボットと戦う」という見た目のわかりやすさも、本作が世界中でヒットした理由のひとつでしょう。
制作秘話・トリビア
きっかけは監督が見た「悪夢」
ヒューズ監督はScreenRantのインタビューで、本作の原点をデビュー作『Red Hill』の撮影時にさかのぼって語っています。
オーストラリア・ビクトリア州の山間部、人口200人ほどの町で、真冬の深夜(気温マイナス7度、雪が積もる中)に銃撃戦のシーンを撮っていたところ、ロケ担当から「今すぐ道路から撤収しろ」と指示されたそうです。
機材を片づけたその直後、番号の付いたヘッドバンドを着け、完全武装した約200人の兵士が、軍用トラックを従えて無言で走り抜けていきました。
後に、それがオーストラリア陸軍特殊空挺連隊(SAS)の選抜試験だったと知った監督は、特殊部隊の選抜制度を徹底的に調べ始め、やがて米陸軍のRASPにたどり着きます。
選抜の最後の24時間で模擬任務を行うという仕組みに、「ゴールを越えること自体が、主人公の救済になる」物語の可能性を見いだしたといいます。
それでも物語の決め手がなかなか見つからなかったところ、ある夜「雨と雷の森の中で、レーザーを放つ巨大な機械に追われる」悪夢を見て、冷や汗とともに目を覚ましたことで、ついに作品の核が固まったそうです。
マシーンは主人公の「恥」の象徴
オーストラリアのメディアThe AU Reviewのインタビューで、「マシーンは罪悪感やトラウマのような心理的な存在なのでは?」と問われたヒューズ監督は、マシーンは81が抱える恥の具現化だと答えています。
ただの怪物映画として観ても楽しめますが、兄を救えなかった男が「止まらない機械」と向き合う物語として観ると、印象が変わるかもしれません。
撮影はオーストラリアとニュージーランドで
撮影は2024年9月16日から12月中旬にかけて行われました。
ロケ地はビクトリア州のブライト(Bright)、マートルフォード(Myrtleford)、メルボルン、メルボルンのドックランズ・スタジオ、そしてニュージーランドのクイーンズタウンです。
物語の舞台は米コロラド州ですが、実際にはオーストラリアの山岳地帯で撮られており、キャストにもジェイ・コートニーやダニエル・ウェバーなどオーストラリア出身の俳優が多く参加しています。
なお、監督がSASの兵士を目撃した『Red Hill』の撮影地も、同じビクトリア州の山間部(ハイ・カントリー)でした。
オーストラリアでの「劇場公開」の本当の理由
本作はNetflix配信の約3週間前、オーストラリアで限定的に劇場公開されています。
豪紙The Sydney Morning Heraldによると、これはオーストラリアの税制優遇で追加の10%の払い戻しを受けるために劇場公開が条件だったためで、52スクリーン・5週間の上映で興行収入は約8万2000豪ドルにとどまりました。
製作費は約8000万ドルとされ、興行としては「失敗」でも、配信では記録的ヒットという珍しい形になりました。
監督自身も出演、脚本家も出演
ヒューズ監督は劇中に「ヒューズ曹長(Master Sergeant Hughes)」としてカメオ出演しています。
また、共同脚本のジェームズ・ボーフォートも俳優として出演しており、作り手が文字どおり「現場に立った」作品でもあります。
監督と主演はおそろいのタトゥー
米TheWrapによると、ヒューズ監督とリッチソンは、監督自身がデザインした「War Machine」のロゴのタトゥーをおそろいで入れています。
タトゥーに縁がなかった監督にとって、これが人生初のタトゥーだったそうです。
2人はAmazon向けに別の作品でも再タッグを組んでおり、強い信頼関係がうかがえます。
音楽は豪州の映画音楽賞にノミネート
劇伴を担当したのは作曲家ドミトリ・ゴロフコ(Dmitri Golovko)。
2026年のオーストラリアの「スクリーン・ミュージック・アワード(APRA AMCOS主催)」で、長編映画音楽賞にノミネートされました。
キャストとキャラクター紹介
81(演:アラン・リッチソン)
本作の主人公で、勲章を受けた戦闘工兵の二等軍曹です。
アフガニスタンで兄を失った過去と、それによるPTSDを抱えながら、兄との約束であるレンジャー部隊入りを目指します。
訓練では抜群の成績を残しながらも、仲間との間に壁を作り、リーダーになることを避けています。
劇中で本名が明かされないことも、作品の大きな特徴です。
7(演:ステファン・ジェームズ)
81とともに選抜に挑む候補生で、最終試験では81の右腕(副リーダー)を務めます。
物語の早い段階で重傷を負い、仲間に支えられながら逃げ続けることになります。
実は81の過去とつながりを持つ人物でもあり、終盤に向けて重要な役割を果たします。
15(演:ブレイク・リチャードソン)
選抜に挑む候補生の一人です。
極限状態の中で、感情を見せない81に対して怒りをぶつける場面があり、米Tom’s Guideのレビューでは「最も印象に残った演技」として挙げられています。
60(演:キーナン・ロンズデール)、57(演:ダニエル・ウェバー)
ともに81と同じチームで最終試験に挑む候補生です。
番号で呼ばれる候補生たちは、それぞれが異なる背景と動機を抱えており、極限状態の中で人間らしさが浮かび上がっていきます。
シェリダン上級曹長(演:デニス・クエイド)
レンジャー選抜を統括する上官です。
81の能力を高く評価しながらも、その精神状態を気にかけ、一度は休養を勧めます。
最終的には81を最終試験のリーダーに任命する、物語の重要な鍵を握る人物です。
トーレス曹長(演:エサイ・モラレス)
シェリダンとともに選抜を指揮する上官です。
厳しい態度で候補生たちを鍛え上げる一方、81の扱いについてはシェリダンと意見を交わします。
81の兄(演:ジェイ・コートニー)
アフガニスタンで部隊を率いていた81の兄です。
弟と一緒にレンジャー部隊を目指そうと語っていた矢先、タリバンの襲撃で命を落とします。
登場時間は長くありませんが、81のすべての行動の原点となる存在です。
主要キャスト・スタッフの経歴と代表作
アラン・リッチソン(Alan Ritchson)
1982年、米ノースダコタ州生まれ。
ドラマ『ヤング・スーパーマン』のアクアマン役や『タイタンズ』のホーク役などを経て、Prime Videoのドラマ『リーチャー ~正義のアウトロー~』の主演で一躍トップスターになりました。
映画では『ハンガー・ゲーム2』『ミュータント・タートルズ』『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』『アンジェントルメン』などに出演しています。
本作の準備として、キャストは数週間にわたって実際のレンジャー訓練を模したブートキャンプに参加しました。
リッチソン本人は、格闘中心の『リーチャー』と比べても本作は肉体的に格段にきつく、「危うく体を壊すところだった」という趣旨のコメントを残しています。
デニス・クエイド(Dennis Quaid)
『ライトスタッフ』『インナースペース』『デイ・アフター・トゥモロー』などで知られるベテラン俳優です。
近年も話題作への出演が続いており、本作では若い候補生たちを見守る厳格な上官役で、作品に重みを与えています。
ステファン・ジェームズ(Stephan James)
カナダ出身の俳優で、陸上選手ジェシー・オーエンスを演じた『栄光のランナー/1936ベルリン』や、『ビール・ストリートの恋人たち』、ドラマ『ホームカミング』などで評価を高めてきました。
本作では、重傷を負いながらも81を支える7役で、物語の感情面を担っています。
ジェイ・コートニー(Jai Courtney)
オーストラリア出身で、『ダイ・ハード/ラスト・デイ』『ターミネーター:新起動/ジェニシス』、『スーサイド・スクワッド』のキャプテン・ブーメラン役などで知られます。
本作では短い出演ながら、主人公の行動原理を形づくる兄を演じています。
エサイ・モラレス(Esai Morales)
『ラ★バンバ』で注目され、近年は『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』の敵役ガブリエルで再び脚光を浴びました。
本作では選抜を指揮するトーレス曹長を演じています。
パトリック・ヒューズ監督(Patrick Hughes)
オーストラリア出身の映画監督で、2010年の長編デビュー作『Red Hill』で注目され、ハリウッドへ進出しました。
『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』『ヒットマンズ・ボディガード』『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』『マン・フロム・トロント』などの娯楽アクションを手がけ、本作が6本目の長編映画です。
本作の製作をきっかけに、ボーフォート、グレッグ・マクリーン(『ウルフクリーク/猟奇殺人谷』の監督)とともに製作会社Huge Filmを立ち上げています。
⚠️結末と考察(ネタバレあり)
⚠️ここから先はネタバレを含みます。
未見の方はご注意ください。
激しい追撃の末、仲間は次々と命を落とし、最後に残ったのは81と負傷した7の2人だけになります。
7はここで、自分が81の兄を知っていたことを打ち明けます。
81は戦闘工兵としての観察眼で、マシーンに通気(冷却)システムがあることを見抜き、演習の序盤に通った採石場までマシーンをおびき寄せます。
そして通気口に砂利を流し込んで内部をオーバーヒートさせ、ついにマシーンを爆破することに成功します。
7を連れて訓練基地に帰還した81は、念願のレンジャー部隊(第75レンジャー連隊)入りを認められます。
しかし同時に、序盤で報じられていた「小惑星」の正体が、実は大量のエイリアン・マシーンであり、すでに人類との世界規模の戦争が始まっていることが明かされます。
81がマシーンの弱点である通気システムの情報を伝えると、それは中央軍(CENTCOM)に送られ、81は次の攻撃作戦を率いる任務を与えられて物語は幕を閉じます。
この結末は、たった1体のマシーンとの戦いが「序章」にすぎなかったことを示すもので、海外では「続編ありきの終わり方」と賛否を呼びました。
一方で、81が兄を救えなかった自分を許し、今度は仲間(7)を連れて帰ることに成功するという点で、彼個人の物語はきちんと完結しています。
ヒューズ監督がマシーンを「81の恥の具現化」と語っていることを踏まえると、マシーンを倒すことは、彼が過去を乗り越える行為そのものだったと読めるでしょう。
またヒューズ監督はTheWrapの取材で、エンディングの曖昧さについてはNetflix社内でも議論があったと明かしています。
監督は「攻撃を受けた最初の24時間で、敵の正体や目的までわかるはずがない」という考えから、あえて謎を残したと説明しており、81の本名、マシーンの出どころ、その目的は続編で明かされると予告しています。
海外の評価と反響
評価スコア
- Rotten Tomatoes:Tomatometer(批評家スコア)66%(65件)、Popcornmeter(観客スコア)64%前後(2026年6〜7月時点の各種報道より)
- Metacritic:Metascore(批評家)54点(11件、「賛否両論または平均的」)、ユーザースコア6.8〜6.9(2026年3月時点の報道より)
- IMDb:情報源によって数値が大きく異なるため、最新の数値は公式サイトでご確認ください
Rotten Tomatoesのスコアは、配信直後の69〜70%から少しずつ下がり、60%台後半〜半ばで推移しています。
同サイトの批評家総評では、リッチソンのたくましい魅力を存分に生かした作品であり、キャラクターの掘り下げには物足りなさがあるものの、アクションの見せ場は十分だ、という趣旨でまとめられています。
受賞・ノミネート歴
2026年のオーストラリア「スクリーン・ミュージック・アワード」で、ドミトリ・ゴロフコの音楽が長編映画音楽賞にノミネートされました。
批評家に褒められた点
多くの批評家が評価したのは、実写にこだわったスタントと、テンポのよいアクション演出です。
オーストラリアのThe AU Reviewは、余計な理屈をこねずに「強い兵士vs止まらない機械」に徹した潔さを、80年代のマッチョなアクション映画の伝統を受け継ぐものとして好意的に評価しました。
スペインの映画サイトMicropsia Cineは、長回し風に見せる追跡シーンの演出が作品に推進力を与えていると評しています。
リッチソンの存在感についても、ほとんどのレビューで肯定的に受け止められています。
批判された点
一方で、物語の既視感やキャラクターの薄さを指摘する声も少なくありません。
米TheWrapのレビューは、候補生を番号で呼ぶ設定を、軍隊が個人の名前を奪うことへの批評ではなく、単に「かっこいいから」使っているように見えると皮肉りました。
米The Hollywood Reporterは、巨大マシーンの見た目を「脚の生えたロボット掃除機」になぞらえるなど辛口の評価です。
また、軍隊を無批判に称揚する「プロパガンダ的」な姿勢を問題視する批評家もおり、ここは評価が分かれたポイントです。
記録的な視聴数とSNSの反響
批評家の評価は賛否が分かれたものの、視聴者の反応は圧倒的でした。
配信1週目で約3930万回の視聴を記録し、2週連続で世界1位、93か国でトップ10入り、そのうち87か国で1位を獲得しています。
2026年6月にはNetflixの「歴代人気映画トップ10」入りを果たし、2026年上半期のNetflix映画で最多の約1億4700万回の視聴数を記録しました。
予告編の公開直後には、SNSで「メタルギアっぽい」「トニー・スタークはカメオ出演するの?」(マーベル作品の同名キャラクター「ウォーマシン」との混同)といったユーモアあふれる反応が広がりました。
日本でもFilmarksなどで感想が多く投稿されていますが、「前半の訓練パートのほうが面白かった」「敵の弱点があっけない」といった辛口の声もあり、海外の批評家と近い評価の傾向が見られます。
よくある質問(FAQ)
続編はある?
はい、続編の製作が決まっています。
2026年6月にNetflixが正式に発表し、パトリック・ヒューズが再び監督と脚本を担当し、リッチソンは製作にも加わります。
続編のタイトルは、『エイリアン』から『エイリアン2(原題:Aliens)』への流れを意識した複数形の『War Machines(原題)』と報じられていますが、公開時期はまだ発表されていません(2026年10月時点)。
どこで見られる?
Netflixの独占配信作品なので、Netflixで視聴できます(2026年10月時点)。
DVDやBlu-rayなどの販売は、現時点では確認できていません。
ブラッド・ピット主演の『ウォー・マシーン』とは関係ある?
まったく関係ありません。
Netflixには、ブラッド・ピットが主演した2017年の戦争風刺映画『ウォー・マシーン:戦争は話術だ!』という同名作品があります。
検索や視聴の際は、2026年製作でアラン・リッチソン主演の本作と間違えないよう注意してください。
実話や原作はある?
原作はなく、ヒューズ監督のオリジナルストーリーです。
ただし、レンジャー選抜プログラム(RASP)自体は実在の制度で、監督がオーストラリアSASの選抜試験を目撃した体験や、自身の悪夢がアイデアの元になっています。
R指定の理由は?
米国では、激しい暴力描写、凄惨な映像、汚い言葉づかいを理由にR指定(17歳未満は保護者同伴が必要)を受けています。
マシーンの攻撃による遺体の描写などがかなり生々しいため、家族で観る場合は注意が必要です。
まとめ
『ウォー・マシーン:未知なる侵略者』は、レンジャー選抜訓練という現実的な舞台に、正体不明の殺戮マシーンを放り込んだ、潔いほどまっすぐなSFサバイバル・アクションです。
物語やキャラクターの深さには物足りなさも残るため、批評家の評価は賛否が分かれました。
しかし、激流や山岳での体を張ったスタント、空砲しか持たない兵士たちの絶望感、そしてアラン・リッチソンの圧倒的な存在感が多くの視聴者の心をつかみ、Netflix歴代トップ10入りという大ヒットにつながりました。
監督の悪夢から生まれたマシーンは、兄を失った主人公の心の傷そのものでもあります。
アクションを楽しみつつ、81がどう過去と向き合うのかに注目して観ると、より味わい深く感じられるはずです。
続編『War Machines(原題)』で世界がどう広がるのかも楽しみなところです。
『プレデター』や『宇宙戦争』のような「人間vs圧倒的な存在」の物語が好きな人、『リーチャー』でリッチソンのファンになった人、難しいことを考えずに約1時間45分の緊張感を味わいたい人に、ぜひ観てほしい1本です。
関連商品
本作はNetflixオリジナル作品のため、DVD・Blu-ray、サウンドトラックなどの関連商品は、現時点(2026年10月)では販売を確認できていません。
主演アラン・リッチソンの代表作『リーチャー ~正義のアウトロー~』(Prime Video)や、パトリック・ヒューズ監督の『ヒットマンズ・ボディガード』シリーズは、本作が気に入った方におすすめです。
参考リスト
- War Machine (2026 film)(Wikipedia英語版)
- War Machine(Rotten Tomatoes)
- ‘War Machine 2’ In the Works at Netflix With Patrick Hughes Returning(TheWrap)
- ‘War Machine’ Review(TheWrap)
- War Machine Review(The Hollywood Reporter)
- War Machine’s Giant Killer Robot Comes From A Real-Life Nightmare(ScreenRant/AOL)
- Alan Ritchson’s New Netflix Sci-Fi Movie Was Even More Physically Demanding Than Reacher(ScreenRant/AOL)
- Interview: Director Patrick Hughes and Alan Ritchson on War Machine(The AU Review)
- Film Review: War Machine(The AU Review)
- War Machine review: Finally, a training scenario with aliens(Military Times)
- Netflix ‘War Machine’ review(Tom’s Guide)
- Alan Ritchson’s Netflix Sequel Gets an Official Title: Enter ‘War Machines’(What’s on Netflix)
- Sci-fi thriller War Machine becomes Netflix’s #1 film of 2026 so far(t2online)
- SF新作『ウォー・マシーン: 未知なる侵略者』初予告編公開(玩具人)
