懐かしの名作ドラマ『奥さまは魔女』!絶対に見るべき人気エピソード5選と作品の魅力を深掘り
ドラマ『奥さまは魔女』の概要
1964年から1972年にかけてアメリカで放送され、日本でも国民的な人気を博したテレビドラマ『奥さまは魔女』(原題: Bewitched)。
「奥さまの名前はサマンサ、旦那さまの名前はダーリン。ごく普通の二人は、ごく普通の恋をし、ごく普通の結婚をしました。ただひとつ違っていたのは、奥さまは魔女だったのです!」
この有名なナレーションと共に始まる物語は、魔女サマンサと人間ダーリンのドタバタな結婚生活をユーモラスかつハートフルに描き、半世紀以上経った今も世界中で愛され続けています。
サマンサが鼻をピクピクと動かして魔法をかける愛らしい仕草や、個性豊かな魔女の親戚たちに振り回されるダーリンの奮闘ぶりは、何度見ても色褪せない魅力に溢れています。
本記事では、全8シーズン・254話の中から、ファンや批評家から特に評価の高い「神回」とも呼べる人気エピソードを厳選してご紹介します。
単なるコメディにとどまらず、夫婦のあり方や社会風刺をも含んだこの傑作シットコムの世界へ、改めてご案内します。
人気エピソードの詳細解説
1. 第1シーズン 第1話「花嫁は魔女だった」 (I, Darrin, Take This Witch, Samantha)
すべてはここから始まりました。
広告代理店に勤める真面目な青年ダーリンと恋に落ちた美女サマンサ。
二人は結婚初夜を迎えますが、そこでサマンサは自分が魔女であることを告白します。
衝撃を受けるダーリンでしたが、愛の力でその事実を受け入れ、「魔法を使わず、普通の人間として暮らすこと」を条件に結婚生活をスタートさせます。
エンドラ(サマンサの母)の強烈なキャラクターや、魔法と現実のギャップに戸惑うダーリンの初々しい反応が見どころです。
2. 第1シーズン 第17話「特訓!特訓!また特訓!」 (A Is for Aardvark)
ファンの間で「シリーズ最高傑作」との呼び声も高い、深みのあるエピソードです。
足を骨折して動けなくなったダーリンのために、サマンサは特例として彼に魔法の力を与えます。
最初は便利さに喜ぶダーリンでしたが、指先一つで何でも思い通りになる世界に次第に虚しさを感じ始めます。
「苦労や努力があるからこそ、人生は楽しい」という、物語の核心にあるテーマを見事に描き出した名作です。
3. 第2シーズン 第18話「タバサ誕生」 (And Then There Were Three)
スティーブンス家に待望の長女・タバサが誕生する記念すべき回です。
サマンサの妊娠から出産までの一連のエピソードは、魔女の家系に生まれた子供が「人間か魔女か」というサスペンス要素も含んでおり、視聴者を釘付けにしました。
後にタバサ自身も魔女の素質を見せ始め、物語は「子育てコメディ」としての新たな魅力を獲得していきます。
無邪気なタバサの可愛らしさは、シリーズ後半の大きな原動力となりました。
4. 第2シーズン 第5話「腹黒いオウム」 (The Joker Is a Card)
強烈な個性を放つ人気キャラクター、アーサーおじさん(ポール・リンド)の初登場回の一つとして有名です。
サマンサの叔父であるアーサーは、イタズラ好きの魔法使い。
彼がダーリンに贈ったプレゼントや魔法によって、スティーブンス家は大混乱に陥ります。
エンドラとはまた違ったタイプの「はた迷惑な親戚」との攻防戦は、スラップスティック・コメディ(ドタバタ喜劇)としての本作の真骨頂です。
5. 第2シーズン 第33話「ダーリンが二人?」 (Divided He Falls)
仕事に忙殺されるダーリンを心配したサマンサが、魔法で彼を「仕事をするダーリン」と「遊びたいダーリン」の二人に分裂させてしまうお話です。
真面目一方で堅物のダーリンと、享楽的で陽気なダーリン。
演じるディック・ヨークの巧みな演じ分けが光るエピソードであり、人間が持つ多面性をコミカルに描いています。
最後には「やはり一人の完全なダーリンが一番」という結論に至る、夫婦愛を感じさせるラストも秀逸です。
【長く愛される理由】
『奥さまは魔女』が単なるファンタジーコメディではない理由は、その底流に流れる「異文化理解」と「寛容」の精神にあります。
魔女(特別な能力を持つマイノリティ)と人間(マジョリティ)の結婚生活における軋轢と和解は、当時のアメリカ社会における公民権運動や女性解放運動といった社会情勢を隠喩していたとも言われています。
しかし、説教臭さは一切なく、あくまで「笑って、ほっこりできる」エンターテインメントに徹している点が、時代を超えて支持される最大の理由でしょう。
参考動画
まとめ
『奥さまは魔女』は、魔法というファンタジー要素を入り口にしつつ、普遍的な家族の絆や夫婦の愛を描いたドラマ史に残る金字塔です。
今回ご紹介したエピソードは、初めて見る方にも、懐かしく見返したい方にも自信を持っておすすめできるものばかりです。
特に、サマンサのチャーミングな笑顔と、トラブルを乗り越えるたびに深まるダーリンとの絆は、現代の私たちにも温かい気持ちを届けてくれます。
動画配信サービスやDVDなどで、ぜひあの「鼻ピク」の魔法にかかってみてはいかがでしょうか。
関連トピック
二人のダーリン(キャスト交代劇)
第1シーズンから第5シーズンまでダーリンを演じたディック・ヨークが、深刻な背中の怪我により降板を余儀なくされ、第6シーズンからディック・サージェントに交代した有名な裏話とその影響について。
スピンオフ作品『タバサ』
大人になった娘のタバサを主人公にしたスピンオフドラマ。サマンサの息子アダムも登場し、母譲りの魔法で騒動を巻き起こす続編的な作品の概要。
日本版『奥さまは魔女』
2004年に米倉涼子主演、原田泰造共演で制作された日本版リメイクドラマ。舞台を現代の日本に置き換え、日本的な嫁姑問題などを取り入れたアレンジについて。
ニコール・キッドマン主演映画版
2005年に公開されたハリウッドリメイク映画。「ドラマのリメイク版を撮影している女優が本物の魔女だった」というメタフィクション構造を取り入れた異色作の評価。
関連資料
『奥さまは魔女 コンプリート・ボックス』
全8シーズン、254話を完全収録したDVD-BOX。カラー化された初期シーズンや特典映像が含まれるファン必携のアイテム。
『エリザベス・モンゴメリーの生涯』
サマンサを演じた主演女優の伝記。華やかなキャリアの裏にあった私生活や、社会活動家としての一面を知ることができる書籍。
『アメリカ・テレビドラマの黄金時代』
60年代から70年代のシットコムブームを解説した書籍。『奥さまは魔女』が社会に与えた影響や、当時の制作背景について詳しく分析されている資料。

