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【徹底解説】実写版映画『キャッツ』の評価はなぜ低い?あらすじから炎上・酷評の理由、豪華キャストまで総まとめ

ミュージカル
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概要

2019年に公開され、世界中の映画ファンやミュージカルファンをかつてないほどの困惑と熱狂(悪い意味での)の渦に巻き込んだ実写版映画『キャッツ』(原題:Cats)。
本作は、T・S・エリオットの詩集を元に、アンドリュー・ロイド・ウェバーが作曲を手がけた伝説的な大ヒット・ブロードウェイ・ミュージカルを、巨額の製作費を投じて実写映画化した超大作です。
監督を務めたのは、『英国王のスピーチ』でアカデミー賞を受賞し、ミュージカル映画『レ・ミゼラブル』を大成功に導いた名匠トム・フーパー。
さらに、テイラー・スウィフト、ジェニファー・ハドソン、ジュディ・デンチ、イアン・マッケランといった、グラミー賞やオスカーに輝く超一流のアーティストや名優たちが集結するという、まさに盤石の布陣で制作されました。
公開前は「『レ・ミゼラブル』の感動を再び!」と世界中から特大の期待が寄せられていましたが、初の予告編が解禁された瞬間、その期待は一転して凄まじい悲鳴へと変わります。
最先端のVFX「デジタル・ファー・テクノロジー」によって生み出された、人間の顔と猫の体が不気味に融合したキャラクターたちのビジュアルが、強烈な「不気味の谷」現象を引き起こしたのです。
結果として、批評家からは「映画史に残る大惨事」「目に焼き付いて離れない悪夢」といった容赦ない酷評の嵐を浴び、興行収入的にも巨額の赤字を出して大爆死。
その年の最低映画を決定する「第40回ゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)」においては、最低作品賞、最低監督賞を含む怒涛の6部門を制覇するという伝説的な記録を打ち立ててしまいました。
しかし、その圧倒的な「奇妙さ」が逆に一部の観客のツボにハマり、「応援上映」や「ツッコミ上映」で異様な盛り上がりを見せるなど、早くもカルト映画としての地位を確立しつつあります。
この記事では、エンタメ情報サイト「tvtomovie.com」の視点から、映画『キャッツ』のあらすじや独自の世界観、豪華キャスト陣のパフォーマンス、そしてなぜこれほどの歴史的な酷評を受けたのかという裏話までを徹底的に深掘りして解説していきます。
目を背けたくなるようなビジュアルの奥に隠された、一流の音楽とダンスの真価に迫りましょう。

予告編

詳細(徹底解説)

あらすじと世界観

物語の舞台は、ネオンが妖しく輝くロンドンの路地裏。
そこには、人間に飼いならされることを拒み、誇り高く野性を生きる猫たちの集団「ジェリクルキャッツ」が暮らしていました。
今宵は、年に一度だけ開かれる特別な舞踏会「ジェリクル舞踏会」の夜。
この夜、長老猫であるオールドデュトロノミーによって、最も純粋なジェリクルキャッツにふさわしい一匹の猫が選ばれます。
選ばれた猫は「天上への旅」を許され、新たなジェリクルの命を得て生まれ変わることができるのです。
ロンドンの街に捨てられたばかりの若く純真な白猫ヴィクトリアは、個性豊かで風変わりなジェリクルキャッツたちと次々に出会っていきます。
魔術師の猫、美食家の猫、鉄道を愛する猫、そしてかつては美しかったが今は落ちぶれてしまった娼婦猫のグリザベラなど、様々な猫たちが自らの人生を歌と踊りでアピールします。
しかし、その神聖な舞踏会を邪魔しようと、恐ろしい犯罪王の猫マカヴィティが暗躍を始めていました。
果たして、栄えある天上への旅を許されるのは一体どの猫なのか、ヴィクトリアの目線を通じて、一夜の幻想的な物語が紡がれていきます。
本作の世界観は、巨大なセットを用いることで「猫の視点(人間の視点から見ると家具やゴミ箱が巨大に見える)」を表現していますが、猫のサイズ感の縮尺がシーンによってコロコロ変わるという大雑把な演出が、観客の混乱と笑いを誘う要因の一つとなっています。

特筆すべき見どころ

ビジュアルの不気味さばかりが取り沙汰されがちな本作ですが、その根底に流れる「音楽」と「ダンス」のクオリティは間違いなく世界最高峰のレベルにあります。
最も特筆すべきは、ジェニファー・ハドソン演じるグリザベラが歌い上げる、ミュージカル史に残る不朽の名曲「Memory(メモリー)」のシーンです。
顔中を涙と鼻水で濡らしながら、魂の底から絞り出すように歌う彼女の圧倒的な歌唱力は、それまでの奇妙な映像美学を吹き飛ばし、観客の胸を激しく打つほどの感動を呼び起こします。
また、世界的ポップスターであるテイラー・スウィフトがアンドリュー・ロイド・ウェバーと共同で本作のために書き下ろした新曲「Beautiful Ghosts」も、ヴィクトリアの心情を見事に表現した名曲として高い評価を受けています。
さらに、英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルであるフランチェスカ・ヘイワード(ヴィクトリア役)をはじめとする、世界トップクラスのダンサーたちが披露する超絶技巧のダンスパフォーマンスは圧巻の一言。
クラシックバレエ、タップダンス、ヒップホップなど、多彩なジャンルの身体表現がスクリーン上で躍動する姿は、純粋なダンス映画として見れば十分に価値のある芸術作品だと言えます。

制作秘話・トリビア

本作を歴史的怪作たらしめた最大の元凶は、監督のトム・フーパーが強いこだわりを持って導入した「デジタル・ファー・テクノロジー」です。
これは、俳優たちがモーションキャプチャ用のタイツを着て演技を行い、後からCGでリアルな猫の毛並み(ファー)を合成するという最先端の技術でした。
しかし、人間の生身の顔面や手足の輪郭を残したまま、体だけを毛皮で覆い、さらに胸の膨らみ(胸の谷間)まで残すという中途半端な擬人化デザインが、人間の脳に「生理的な嫌悪感」を抱かせる結果となってしまったのです。
ネズミやゴキブリまでもが人間の顔を持ったCGキャラクターとして登場するシーンは、世界中の映画館で悲鳴が上がった語り草となっています。
さらに驚くべきは、公開直前までVFXの作業が間に合わず、一部のシーンで俳優の生身の手(結婚指輪がはまったまま)が映り込んでしまうという前代未聞の放送事故レベルのミスが発生していたことです。
これに気づいたユニバーサル・ピクチャーズは、公開中であるにもかかわらず、劇場に向けてCGを修正した「アップデート版」の映像データを再配布するという、まるでテレビゲームのバグ修正パッチのような異例の対応を取り、映画業界の歴史に新たな伝説を刻みました。

キャストとキャラクター紹介

  • ヴィクトリア:フランチェスカ・ヘイワード / 葵わかな
    • ロンドンの街に捨てられたばかりの若く美しい白猫で、本作の主人公(狂言回し)的な役割を担います。
    • ジェリクルキャッツの世界を初めて体験し、戸惑いながらも彼らの生き様から大切なものを学んでいきます。
    • 演じるヘイワードの驚異的な柔軟性とバレエのステップは、CGの違和感を凌駕する美しさを放っています。
  • グリザベラ:ジェニファー・ハドソン / 高橋あず美
    • かつてはジェリクルキャッツ一の美貌を誇っていましたが、外の世界に飛び出して落ちぶれ、ボロボロの姿で戻ってきた娼婦猫です。
    • 仲間たちから蔑まれ、孤独に打ちひしがれながらも、過去の栄光と明日への希望を歌う名曲「Memory」は本作最大のハイライトです。
  • ボンバルリーナ:テイラー・スウィフト / 沢城みゆき
    • 犯罪王マカヴィティと行動を共にする、妖艶でセクシーな赤毛の雌猫です。
    • 空中からキャットニップ(猫が酔っ払う植物)を撒き散らしながら登場し、妖しい魅力で舞踏会をパニックに陥れます。
    • テイラー自身の持ち歌かと思うほどキャッチーなナンバーを、ゴージャスに歌い踊りながら披露します。
  • オールドデュトロノミー:ジュディ・デンチ / 大竹しのぶ
    • ジェリクルキャッツたちから尊敬を集める、最高齢の長老猫です。
    • 年に一度の舞踏会で、誰を天上に送るかを決める重要な決定権を持っています。
    • 原作の舞台版ではオスの役でしたが、本作ではジュディ・デンチが威厳たっぷりにメス猫として演じており、その圧倒的な存在感で場を引き締めています。
  • マカヴィティ:イドリス・エルバ / 山寺宏一
    • ロンドンの裏社会を牛耳り、魔法の力で神出鬼没に現れる「犯罪界のナポレオン」と呼ばれる悪党猫です。
    • 自分が天上へ行くために、ライバルとなる候補の猫たちを次々と誘拐していく本作のメインヴィランです。

キャストの代表作品と経歴

  • ジェニファー・ハドソン
    • オーディション番組『アメリカン・アイドル』出身の圧倒的な歌唱力を誇るシンガーであり、女優です。
    • 2006年の映画『ドリームガールズ』での演技が絶賛され、アカデミー賞助演女優賞をはじめ数々の賞を総なめにしました。
    • 本作の「Memory」のパフォーマンスは、彼女のキャリアの中でもトップクラスの感情表現であり、「彼女の歌声だけで映画の元は取れる」と評する評論家も少なくありません。
  • テイラー・スウィフト
    • グラミー賞を何度も受賞し、現代の音楽業界の頂点に君臨する世界的なポップ・アイコンです。
    • 自身が大の猫好き(愛猫家)であることから本作への出演を熱望し、新曲の提供まで行うなど並々ならぬ情熱を注ぎました。
    • 映画自体の評価は散々でしたが、彼女のパフォーマンスシーンだけはYouTubeなどでも高い再生回数を誇り、ファンからは愛され続けています。
  • ジュディ・デンチ
    • 『恋におちたシェイクスピア』でのアカデミー賞助演女優賞受賞や、『007』シリーズの「M」役で知られるイギリスを代表する大女優です。
    • 実は1981年の舞台版『キャッツ』のオリジナルキャストとして出演予定でしたが、アキレス腱を断裂して降板したという苦い過去があり、本作は彼女にとって約40年越しのリベンジ出演となりました。

まとめ(社会的評価と影響)

実写版映画『キャッツ』は、エンターテインメントの歴史において「大失敗した超大作」の代名詞として、後世まで長く語り継がれる運命を背負った作品です。
最先端のCG技術が、必ずしも観客の感動や共感に結びつくわけではないという「不気味の谷」の恐ろしさを、1億ドル近い巨額の製作費を投じて世界中に証明してしまった大事件でした。
ラジー賞での6部門制覇や、Rotten Tomatoesでの批評家スコア19%という容赦ない数字は、この映画がどれほど「普通の映画の文法」から逸脱してしまっていたかを物語っています。
しかし、本作を単なる「質の低い駄作」として切り捨てるのは少しもったいないかもしれません。
なぜなら、劇中の音楽のクオリティ、美術セットの豪華さ、そしてトップアーティストたちによる本気の歌とダンスは、間違いなく超一級品だからです。
「最高級の食材(キャスト・音楽)を、最悪の調理法(CG・演出)で混ぜ合わせた結果、誰も味わったことのない未知の珍味が誕生した」と表現するのが、本作の最も的確な評価と言えるでしょう。
公開から数年が経過した現在では、その狂気じみた映像体験をアルコールを片手に仲間と笑いながら楽しむ「カルト映画」としての再評価も進んでいます。
完璧な名作映画に飽きてしまった夜、脳の処理能力をバグらせるような強烈な刺激が欲しい方には、これ以上ないほどおすすめできる「劇薬」のようなエンターテインメント作品です。

作品関連商品

  • 『キャッツ』ブルーレイ+DVD
    • 問題のCG映像を高画質で隅々まで確認できる、勇気ある映画ファン必携のディスクパッケージです。
    • 特典映像には、トム・フーパー監督の音声解説や、キャストたちが撮影に向けて過酷な「猫の動き(キャットスクール)」を学ぶメイキング映像などが収録されており、彼らがどれほど大真面目にこの怪作に取り組んでいたかを知ることができます。
  • 『キャッツ』オリジナル・サウンドトラック
    • 映画の映像を見ずに、純粋に「音楽」だけを楽しむという、本作の最も安全で贅沢な味わい方ができるサウンドトラックCDです。
    • ジェニファー・ハドソンの「Memory」やテイラー・スウィフトの「Beautiful Ghosts」など、ハイレゾ音源で聴きたくなる名曲がずらりと並んでおり、アンドリュー・ロイド・ウェバーの楽曲の力強さを再確認できます。
  • T・S・エリオット著『キャッツ – ポッサムおじさんの猫とつき合う法』(ちくま文庫など)
    • すべての原点となった、T・S・エリオットによるユーモアあふれる詩集です。
    • 映画の難解な世界観や、奇妙な名前の猫たちの背景を深く理解するための最高の副読本であり、映画で混乱した頭を文学の世界で静かに整理するのにおすすめの一冊です。
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