YouTubeで見る不朽の名作「コンバット」!概要、キャスト、歴史的評価を徹底解説
「コンバット」の概要とあらすじ
『コンバット』(原題: Combat!)は、1962年から1967年にかけてアメリカABCネットワークで放送された、テレビドラマ史に輝く戦争ドラマの金字塔です。
物語は、第二次世界大戦のヨーロッパ戦線、ノルマンディー上陸作戦以降のフランスを舞台にしています。
アメリカ陸軍歩兵師団に所属する「キング中隊」第2小隊の分隊長サンダース軍曹と、彼が率いる兵士たちの過酷な戦いの日々を描いています。
単なるドンパチ(戦闘シーン)に終始せず、極限状態に置かれた兵士たちの恐怖、葛藤、友情、そして時には敵であるドイツ兵との間に芽生える奇妙な共感など、人間の内面を深く掘り下げたヒューマンドラマとして高く評価されています。
日本では1962年からTBS系で放送が開始され、子供から大人まで幅広い層に支持され、社会現象とも言えるほどの絶大な人気を博しました。
「コンバット」伝説のオープニングテーマ
(※レナード・ローゼンマン作曲による有名なオープニングテーマ。モノクロ版)
作品詳細(モノクロからカラーへ)
本作は全5シーズン、合計152話が制作されました。
特筆すべきは、第1シーズンから第4シーズン(第127話)まではモノクロ(白黒)で制作され、最終第5シーズン(第128話以降)のみカラーで制作された点です。
モノクロ版は、その陰影の濃淡が戦争のリアルなドキュメンタリータッチを際立たせ、重厚な雰囲気を生み出しました。
監督陣には、後に映画『M★A★S★H』や『ナッシュビル』などで巨匠となるロバート・アルトマンが名を連ねており、彼が手掛けたエピソードは特に評価が高いです。
戦争の悲惨さと不条理さを、分隊というミクロな視点から描き切った本作の手法は、後の多くの戦争映画やドラマ(『プライベート・ライアン』など)に多大な影響を与えました。
「コンバット」の主要キャスト(キング中隊の戦友たち)
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ギル・サンダース軍曹 (Sgt. Gil Saunders): ヴィック・モロー (Vic Morrow)
分隊を率いる叩き上げの分隊長。冷静沈着で厳しくも、部下思いの理想的なリーダー。
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チップ・ヘンリー少尉 (Lt. Chip Hanley): リック・ジェイソン (Rick Jason)
小隊長。大学出の将校だが、サンダースたちと共に前線で戦う。(第1シーズンは少尉、後に中尉に昇進)
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ケーリ(ケイジ)上等兵 (PFC Paul “Caje” LeMay): ピエール・ジャルベール (Pierre Jalbert)
ケイジャン(フランス系移民)の末裔でフランス語が堪能。ベレー帽がトレードマーク。
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カービー二等兵 (Pvt. William G. Kirby): ジャック・ホーガン (Jack Hogan)
BAR(ブローニング・オートマチック・ライフル)の射手。血気盛んだが憎めない存在。
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リトルジョン二等兵 (Pvt. Littlejohn): ディック・ピーボディ (Dick Peabody)
分隊で最も大柄な兵士。温厚な性格で力持ち。
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ドク (Doc): (衛生兵、複数の俳優が演じた)
分隊に随行する衛生兵。
キャストの他の代表作品名
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ヴィック・モロー:
- 『暴力教室 (Blackboard Jungle)』(映画)
- 『がんばれ!ベアーズ (The Bad News Bears)』(映画)
- 『トワイライトゾーン/超次元の体験 (Twilight Zone: The Movie)』(映画)
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リック・ジェイソン:
- 『人間の証明 (Proof of the Man)』(日本映画、ジョニー・ヘイワード役)
- 『気まぐれバス (The Wayward Bus)』(映画)
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ピエール・ジャルベール:
- 『エアポート’80 (The Concorde … Airport ’79)』(映画)
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ジャック・ホーガン:
- 『空挺肉弾部隊 (Paratroop Command)』(映画)
「コンバット」の社会的評価と影響(まとめ)
『コンバット』は、放送から半世紀以上が経過した現在でも、戦争ドラマの「原点」かつ「最高傑作」の一つとして世界中で愛され続けています。
その理由は、リアルな戦闘描写(当時としては画期的だった)と、戦争という異常な状況下での普遍的なヒューマニズムを描いた脚本の秀逸さにあります。
特に日本では、サンダース軍曹(日本語吹替: 田中信夫)とヘンリー少尉(同: 納谷悟朗)のダブル主人公体制が人気を博し、彼らのリーダーシップ像は多くの視聴者に感銘を与えました。
「コンバットごっこ」が子供たちの間で流行するなど、本作が日本のポップカルチャーに与えた影響は計り知れません。
本作は、戦争の英雄譚ではなく、名もなき兵士たちの「生」と「死」を真摯に見つめた作品として、不朽の価値を持っています。
「コンバット」の関連商品(DVD・プラモデル)
今なお色褪せない名作を手元に。
DVD
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『コンバット! DVDコレクション』(デアゴスティーニ・ジャパンなどから分冊百科として発売)
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『コンバット! コンプリートBOX』(全シーズンを網羅したDVD-BOXセット)
プラモデル
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タミヤなどの模型メーカーから、本作にインスパイアされた1/35スケールのアメリカ歩兵のプラモデル(「アメリカ歩兵 G.I.セット」など)が多数発売されています。
書籍
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『コンバット・クロニクル』(エピソードガイドや制作秘話をまとめた研究本)