わんぱくフリッパーのうんちく集!イルカのフリッパーと少年たちの冒険、時代を超えた海のロマン

わんぱくフリッパーのうんちく集!イルカのフリッパーと少年たちの冒険、時代を超えた海のロマン

「わんぱくフリッパー」の概要

『わんぱくフリッパー』(原題: Flipper)は、1960年代にアメリカで製作・放送されたテレビドラマシリーズです。

フロリダ州の海洋公園(コーラル・キー・パーク)を舞台に、海洋監視員である父親ポーター・リックスと、その二人の息子サンディ、バッド、そして彼らの賢い相棒であるイルカの「フリッパー」が織りなす冒険と家族愛の物語です。

日本でも1966年から放送が開始され、その愛らしいフリッパーの活躍と美しい海の映像で、瞬く間にお茶の間の人気番組となりました。

この記事では、多くの人々の心に残る名作『わんぱくフリッパー』の概要と、知られざる詳細な「うんちく」を紹介します。

「わんぱくフリッパー」の詳細とトリビア

『わんぱくフリッパー』をより深く楽しむための、いくつかの興味深い「うんちく」をご紹介します。

フリッパーは一頭ではなかった

番組のスターであるイルカの「フリッパー」ですが、実はその役は一頭のイルカが演じていたわけではありません。

最も多くのシーンを演じ、フリッパーとしてのイメージを確立したのは「キャシー」という名前のメスのバンドウイルカでした。

しかし、ジャンプなどのスタントシーンや、特定の演技(例えば尾ビレで水面を叩く「テールウォーク」)は、他のイルカ(スージー、パティ、スコッティなど)が演じていました。

動物の撮影は負担が大きいため、複数のイルカがローテーションを組んで撮影に臨んでいたのです。

ちなみに、設定上フリッパーは「オス」でしたが、メインで演じたキャシーが「メス」だったのは、オスよりもメスの方が一般的に気性が穏やかで、撮影に適していたためと言われています。

映画版がオリジナルだった

多くの人はテレビドラマシリーズ(1964年〜1967年)を『わんぱくフリッパー』として記憶していますが、その原点は1963年に公開された同名の劇場版映画『Flipper(邦題:わんぱくフリッパー)』です。

この映画がヒットしたことを受けて、テレビシリーズの製作が決定しました。

ただし、映画版とテレビ版ではキャストが異なっており、映画版でサンディ少年を演じたのは、テレビ版で弟のバッド役を演じたルーク・ハルピンでした(映画版では別の俳優がバッド役を演じています)。

日本独自の有名なテーマソング

「♪呼べばこたえる フリッパー」というフレーズで始まる日本語版の主題歌は、日本での人気を決定づけた大きな要因の一つです。

この曲(作詞:小園江圭子、作曲:広瀬健次郎、歌:キング・ブラザーズ、上高田少年合唱団)は、日本オリジナルで制作されたものです。

本国アメリカ版のテーマソング(インストゥルメンタル)とは全く異なりますが、日本ではこの明るくキャッチーな曲が番組の代名詞となりました。

この曲を聞くだけで、フリッパーが海をジャンプする姿を思い出す人も多いでしょう。

フリッパーの「声」の秘密

フリッパーが発する「キューキュー」という高く愛らしい鳴き声(チャープ音)は、多くの視聴者の耳に残っています。

しかし、この音は実際のイルカの声をそのまま録音したものではありません。

実は、オーストラリアなどに生息する「ワライカワセミ」という鳥の鳴き声を録音し、それを加工(ピッチを上げるなど)して作られた効果音でした。

この人工的な「声」によって、フリッパーの感情や知性がより効果的に表現されました。

イルカブームの火付け役

この番組の放送により、日本全国で爆発的な「イルカブーム」が起こりました。

それまで一般的には「クジラ」と混同されがちだった「イルカ」という存在が、「賢い」「人懐っこい」「人間の友達」というポジティブなイメージで広く認知されました。

日本中の水族館でイルカショーが人気を博すようになり、「フリッパー」という名前は、イルカの代名詞的な存在となりました。

その後のリブート作品

『わんぱくフリッパー』の人気は根強く、放送終了後も何度かリブート(再製作)されています。

1995年からは『新・わんぱくフリッパー』として、新たなキャストでテレビシリーズが製作されました。

このシリーズには、オリジナルのバッド役であったルーク・ハルピンが、成長した姿でゲスト出演するエピソードもありました。

また、1996年にはイライジャ・ウッド主演で映画『フリッパー』が公開されるなど、時代を超えて愛されるテーマとなっています。

参考動画

まとめ

『わんぱくフリッパー』は、フロリダの美しい海を背景に、一頭の賢いイルカと少年たちの純粋な友情、そして家族の絆を描いた、テレビ史に残る名作です。

CG技術のない時代に、本物のイルカ(主にキャシー)が見せた驚くべき演技と、少年たちとの温かい交流は、世界中の視聴者に夢と感動を与えました。

日本においては、独自のテーマソングと共にイルカブームを巻き起こし、海洋生物への関心を高めるきっかけを作った作品とも言えます。

現代の私たちが忘れかけている、自然と人間との共生の素晴らしさを、『わんぱくフリッパー』は今もなお問いかけてくれているのかもしれません。

関連トピック

名犬ラッシー: 動物と人間の深い絆を描いた作品として、『わんぱくフリッパー』と並び称される、世界的に有名なテレビドラマおよび映画シリーズです。

イルカ (バンドウイルカ): フリッパーのモデルとなったイルカの種類です。非常に高い知能を持ち、水族館のショーやドルフィンスイムなどで人間と触れ合う機会も多い動物です。

テレビ黄金時代の海外ドラマ: 1960年代には、『奥さまは魔女』『スパイ大作戦』『スタートレック』など、日本でも大ヒットした多くのアメリカ製テレビドラマが放送されました。『フリッパー』もその代表作の一つです。

ルーク・ハルピン: テレビ版で弟のバッド・リックス役を演じた俳優です。愛くるしい演技で人気を博し、後に『新・わんぱくフリッパー』にも出演しました。

関連資料

わんぱくフリッパー (DVD / 輸入盤): 1960年代のオリジナルテレビシリーズを収録したDVDボックスセットです。当時の美しい映像でフリッパーの活躍を存分に楽しむことができます。

フリッパー (1996年版) (Blu-ray/DVD): イライジャ・ウッド主演でリメイクされた映画版です。オリジナルとは異なるストーリーですが、イルカと少年の友情というテーマは共通しています。

海のいきもの図鑑 (書籍): フリッパーことバンドウイルカの生態や、彼らが住む海の環境、他の海洋生物について詳しく知ることができる図鑑です。番組を見た後に読むと、より一層興味が深まります。

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