PR

【トンデモ映画】『ゴースト・ラブ』を徹底解説!あらすじ・キャスト・若き日のトランプ出演とラジー賞の裏側まで総まとめ

コメディー
この記事は約11分で読めます。

【トンデモ映画】『ゴースト・ラブ』を徹底解説!あらすじ・キャスト・若き日のトランプ出演とラジー賞の裏側まで総まとめ

概要:ラジー賞を席巻した、映画史に残る愛すべき超絶B級ファンタジー

映画『ゴースト・ラブ』(原題:Ghosts Can’t Do It)は、1990年(製作は1989年)に公開されたアメリカのファンタスティック・ロマンティック・コメディ映画です。
監督・脚本・撮影・編集といった主要な製作陣のクレジットをほぼ一人で独占しているのは、『類猿人ターザン』や『ボレロ/愛欲の日々』などで世のB級映画ファン(あるいはラジー賞ファン)を狂喜させてきたジョン・デレクです。
そして、主演および製作を務めたのは、彼の妻であり、1970年代から80年代にかけて世界的なセックスシンボルとして名を馳せたボー・デレク。
この夫婦タッグが放つ本作は、年の差夫婦の夫が死後、幽霊となって妻に「自分の魂を入れるための若い男の肉体」を探させるという、倫理的にも常識的にもツッコミどころしかない驚愕のストーリー展開を見せます。
大御所名優のアンソニー・クインを夫役に起用し、無駄に豪華なロケーションで撮影されているにもかかわらず、その支離滅裂な展開と自己愛に満ちた演出により、公開直後から批評家たちから総スカンを食らいました。
結果として、1990年の第11回ゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)において、『フォード・フェアレーンの冒険』と同点という形でまさかの「最低作品賞」に輝いてしまいます。
さらに、最低監督賞(ジョン・デレク)、最低主演女優賞(ボー・デレク)を獲得し、ラジー賞の主要部門を見事に総なめにしました。
しかし、本作を映画史において真に特異な存在にしているのは、あの第45代アメリカ合衆国大統領であるドナルド・トランプが「本人役」でカメオ出演しているという事実です。
しかもトランプ氏はこの映画の演技によって「最低助演男優賞」を受賞しており、将来の大統領がラジー賞俳優として名を刻むという、奇跡のような歴史的瞬間を記録した作品でもあります。
日本では劇場未公開のままビデオスルーとなりましたが、そのあまりのぶっ飛び具合と「怖いもの見たさ」から、一部のカルト映画マニアの間で密かに語り継がれてきました。
本記事では、そんな常軌を逸した奇作『ゴースト・ラブ』の狂気に満ちたあらすじや、豪華すぎるキャストの無駄遣い、そして後世に語り継がれるべきトンデモ見どころについて、余すところなく徹底解説していきます。

予告編

詳細(徹底解説):狂気の愛か、老人の妄想か?ツッコミどころ満載の迷作

あらすじと世界観:肉体を求めて世界をさまよう恐怖の「ボディハンティング」計画

物語の主人公である美しきヒロイン、ケイティ・オデア・スコットは、自分よりも30歳も年上の大富豪スコットと結婚し、誰もが羨むような豪華絢爛な生活を送っていました。
年齢の壁など微塵も感じさせないほど二人は深く愛し合っており、乗馬や旅行を楽しみながら、熱烈で情熱的な夜を毎晩のように過ごしていました。
しかしある日、スコットは乗馬中に突然重い心臓発作で倒れてしまいます。
なんとか一命を取り留めたものの、医師からは心臓移植の年齢制限を超えていると告げられ、さらには「もう二度と激しい運動(つまりケイティとのベッドタイム)はできない」という絶望的な宣告を受けてしまいます。
愛する若き妻を満足させられない老いぼれた体で生きながらえることに耐えられなかったスコットは、なんと猟銃を持ち出して自ら命を絶つという、極端すぎる選択をしてしまいます。
スコットの死後、悲しみに暮れるケイティの前に、なぜかスコットの幽霊が現れます。
実はスコットは、あの世への案内係である新米の天使を言葉巧みに騙し、天国へ行くことを拒否して、幽霊として地球に留まる特別許可を強引に勝ち取っていたのです。
幽霊となったスコットの姿はケイティにしか見えず、声も彼女にしか聞こえません。
しかし、幽霊であるスコットは物理的な物体に触れることができず、当然ながらケイティを抱きしめることも、愛し合うこともできませんでした(これが原題である「Ghosts Can’t Do It=幽霊にはそれができない」の由来です)。
性生活を取り戻したいという執念に燃えるスコットは、ケイティにとんでもない提案を持ちかけます。
それは、「ケイティが若くて健康な肉体を持つ男を誘惑して殺害し、その男が死ぬ瞬間にスコットの魂がその肉体を乗っ取る」という、倫理観が完全に欠如した恐るべき計画でした。
かくしてケイティは、亡き夫の「新しい乗り物」を探すため、夫の遺産を使い果たす勢いでモルディブからワイオミングまで世界中を飛び回ることになります。
彼女は夫のビジネスの事後処理を口実に、ドナルド・トランプなどの実業家たちと意味不明な商談をこなしながら、並行して「肉体の品定め」を続けます。
そしてついに、ファウストというハンサムだけれども少し頭の弱そうな青年をターゲットに絞り、彼をベッドに誘い込んで暗殺の機会をうかがい始めます。
しかし、ケイティは次第に純朴なファウストに情を移してしまい、彼を殺すことに強い躊躇ためらいを覚え始めます。
一方のスコットは、自分の妻が別の若い男とイチャイチャしている姿を特等席(霊体)で見せつけられ、嫉妬と苛立ちを募らせていくという、誰得なのか全く分からないカオスな愛憎劇が展開されていきます。
最終的にファウストは海でシュノーケリング中に事故で溺死してしまうのですが、なぜか「死体には乗り移れない」という都合の良いルールが発動します。
ケイティが必死に心肺蘇生を行ってファウストが息を吹き返したまさにその瞬間、スコットの魂が強引に肉体に割り込んで乗っ取ることに成功します。
こうして、愛する夫の魂と若いイケメンの肉体を手に入れたケイティは、大喜びで彼と熱い口づけを交わし、ハッピーエンド(?)を迎えるのでした。

特筆すべき見どころ:若き日のドナルド・トランプの迷演技と不条理な世界

本作の最大の見どころであり、後世の歴史家たちをも困惑させる要素が、若き日のドナルド・トランプ(当時40代前半)のカメオ出演シーンです。
ケイティが亡き夫のビジネスを引き継いで商談を行う相手として、トランプ氏はニューヨークの豪華なオフィスのセットに「不動産王ドナルド・トランプ」本人として登場します。
彼はケイティに対して、「この部屋では、見えないものは信じないことだ」などと、いかにもやり手のビジネスマン風の説教めいたセリフをドヤ顔で放ちます。
トランプ氏はひたすらに口をすぼめながら独自の身振り手振りで「凄腕の自分」をアピールしていますが、映画の本筋とは全く何の関係もないシーンであり、物語のテンポを著しく阻害しています。
この自己顕示欲の塊のような怪演により、トランプ氏は見事にラジー賞の最低助演男優賞をかっさらっていくという伝説を残しました。
また、映画全体の演出も狂気に満ちています。
ボー・デレクがいかに美しく、いかに魅力的であるかをカメラに収めること「だけ」に心血が注がれており、彼女がシャワーを浴びるシーンや、無意味に水着で浜辺を駆け回るシーンがこれでもかと挿入されます。
一方で、大名優アンソニー・クインは、全編を通じてパジャマやバスローブ姿のまま、画面の隅で若き妻に嫉妬して悪態をつき続けるだけの幽霊役を強いられており、その哀愁漂う姿は映画ファンにとって涙なしでは見られません。
幽霊であるスコットの存在を表現するための特殊効果も、当時の技術レベルを考慮してもあまりにお粗末でチープであり、それがかえって本作の奇妙なカルト感を増幅させるスパイスとなっています。

制作秘話・トリビア:ジョン&ボー・デレク夫妻のフェティッシュな願望?ラジー賞席巻の理由

本作を語る上で避けて通れないのが、監督のジョン・デレクと主演のボー・デレクという、ハリウッドきっての「お騒がせ年の差夫婦」の存在です。
二人が交際を始めた時、ジョンは40代後半、ボーはなんとまだ16歳であり、アメリカ国内での未成年淫行の罪を逃れるために、ボーが18歳になるまでヨーロッパで逃亡生活を送っていたという強烈な過去を持っています。
そのような背景を踏まえて本作を観ると、この映画は単なるファンタジーではなく、「老いていく夫(ジョン)が、自分が死んだ後も若い妻(ボー)を独占し続けたい」という、監督自身の生々しくフェティッシュな個人的願望をそのまま映像化したものだと解釈することができます。
事実、批評家たちからは「これは映画ではなく、ジョン・デレクの不気味な妄想日記である」と徹底的に叩かれました。
また、本作がラジー賞を席巻した理由は、単に映画としての出来が悪かったからだけではありません。
デレク夫妻は過去作『類猿人ターザン』や『ボレロ/愛欲の日々』でも、同様の「ボー・デレクの肉体を鑑賞するだけのナルシスト映画」を連発しており、批評家や映画業界全体から「いい加減にしろ」という呆れと怒りを買っていた時期でもあったのです。
本作『ゴースト・ラブ』は、そんな彼らの独りよがりな映画作りが極限まで達した臨界点とも言える作品であり、ラジー賞は彼らへの「引導を渡す」意味合いも込めて、主要部門をこぞって授与したと言われています。

キャストとキャラクター紹介:大御所から実業家まで、カオスな登場人物たち

ケイティ・オデア・スコット:ボー・デレク

本作のヒロインであり、若く美しい大富豪の未亡人。
亡き夫スコットを異常なまでに愛しており、彼をこの世に繋ぎ止めるためなら殺人も厭わないという、狂気を孕んだ純愛を貫きます。
劇中では常に完璧なメイクと衣装(または水着)で画面の中心に立ち、男たちを無自覚に魅了し続けます。
ボー・デレクの大根演技と相まって、サイコパス一歩手前の恐ろしいキャラクターとして描かれています。

スコット:アンソニー・クイン

ケイティの30歳年上の夫であり、老境に差し掛かった大富豪。
妻との性生活ができなくなったことを苦に自殺し、幽霊となって妻に若い肉体の調達を命じるという、とんでもない利己主義者です。
名優アンソニー・クインが、なぜこの仕事を引き受けてしまったのか、映画史における永遠の謎の一つとされています。
嫉妬に狂いながら画面の端でブツブツと文句を言い続ける姿は、妙な笑いを誘います。

ファウスト:レオ・ダミアン

ケイティに見初められ、スコットの新しい「器」として狙われる哀れな青年。
ハンサムで筋肉質ですが、どこか抜けており、ケイティの露骨な誘惑にホイホイと乗せられてしまいます。
最終的には溺死しかけたところを蘇生され、その瞬間にスコットに意識を乗っ取られてしまうという、本作最大の被害者です。

本人役:ドナルド・トランプ

ニューヨークの不動産王として、本人役で堂々のカメオ出演。
ケイティとビジネスの交渉を行うシーンで、誰よりも目立とうとする強烈なオーラを放ちます。
彼の出演シーンは物語の進行に全く寄与していませんが、後世の視点から見ると、歴史的資料としての価値だけは異常に高いと言えます。

天使:ジュリー・ニューマー

スコットがあの世で出会う、少し間抜けな新米の天使。
スコットの口車に乗せられて彼を地球に送り返してしまい、その後も彼の行動にハラハラしながら見守り続けます。
60年代のテレビドラマ『バットマン』のキャットウーマン役で知られる彼女が、奇抜な衣装で登場します。

キャストの代表作品と経歴:名声と悪評が入り混じる出演者たち

主演のボー・デレクは、1979年の映画『テン(10)』で、コーンロウの髪型で水着姿で走るシーンが世界中で大流行し、一躍トップスターとなりました。
しかし、その後の作品選び(主に夫であるジョン・デレク監督作)が災いし、「演技ができない女優」の代名詞としてラジー賞の常連となってしまいます。
本作の数年後には、ラジー賞の「1980年代最低女優賞」という不名誉な特別賞まで授与されることになります。
夫のスコットを演じたアンソニー・クインは、『道』のザンパノ役や、『アラビアのロレンス』、『その男ゾルバ』などで知られる、映画史に輝く伝説的な名優であり、アカデミー賞を2度も受賞しています。
そんな巨匠がなぜ本作のような超絶B級映画に出演したのかは不明ですが、晩年の彼は多額の慰謝料や養育費を支払うために、仕事を選ばず何にでも出演していた時期であり、本作もその一つだったと考えられています。
そして、カメオ出演のドナルド・トランプは、この後も『ホーム・アローン2』や『ちびっこギャング』など様々な映画に顔を出しますが、本作での「ラジー賞最低助演男優賞」受賞が彼の映画キャリアの最初のピーク(?)と言えるでしょう。
大統領就任後の2019年にもドキュメンタリー映画『華氏119』などの映像でラジー賞最低主演男優賞を受賞しており、ラジー賞とは切っても切れない深い縁を持つ人物です。

まとめ(社会的評価と影響):究極の「見ちゃいけない映画」としての愛され方

映画『ゴースト・ラブ』は、「どうして誰も企画の段階で止めなかったのか」と心から不思議に思えるほど、常識と倫理観が崩壊した作品です。
批評家からの評価は文字通り「底抜け」であり、Rotten Tomatoesなどの評価サイトでも長年0%やそれに近い点数を叩き出しています。
しかし、その「あまりのひどさ」が逆に一種の芸術的な域に達しており、「究極のZ級映画」「トンデモ映画の金字塔」として、好事家たちの間では極めて高い(ある意味での)評価を獲得しています。
特に、ジョン・デレク監督の露骨すぎる妻へのフェティシズムや、アンソニー・クインの悲哀に満ちた無駄遣い、そしてドナルド・トランプの場違いなドヤ顔演技のトリプルコンボは、他のいかなる映画でも決して味わうことのできない強烈なカタルシスを提供してくれます。
「映画の教科書に載せてはいけない悪例」のすべてが詰まっている本作は、映画の多様性と、人間の欲望の深さ(そして浅はかさ)を教えてくれる、貴重な反面教師的なテキストと言えるかもしれません。
万人にオススメできる作品では決してありませんが、友人たちとお酒を飲みながらツッコミを入れて楽しむパーティー・ムービーとしては、これ以上ないほど最高のポテンシャルを秘めた一本です。

作品関連商品:入手困難な幻のカルトアイテム

  • 『ゴースト・ラブ』VHS(中古):日本ではDVD化されておらず、当時のレンタル落ちVHSがネットオークションなどで高値で取引されています。映像の粗さが、逆にこの映画の怪しさを引き立ててくれます。
  • 輸入盤DVD『Ghosts Can’t Do It』:リージョンコードや字幕の問題はありますが、海外版のDVDであれば現在でも入手可能です。トランプ氏の若き日の勇姿をどうしても高画質で確認したいマニア向けです。
  • 映画『テン(10)』Blu-ray / DVD:ボー・デレクがなぜあれほどまでに世界中を熱狂させ、ジョン・デレクがなぜあそこまで彼女に執着したのかを理解するための必須科目。彼女の真の魅力と、まともな映画作りがどのようなものかを確認できます。
タイトルとURLをコピーしました