YouTubeで「世にも怪奇な物語」を徹底深掘り!あらすじ、キャスト、評価、関連商品まで完全ガイド

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YouTubeで「世にも怪奇な物語」を徹底深掘り!あらすじ、キャスト、評価、関連商品まで完全ガイド

「世にも怪奇な物語」とは? 概要とあらすじ

『世にも怪奇な物語』(原題: Histoires extraordinaires)は、1968年に公開されたフランス・イタリア合作のオムニバスホラー映画です。
怪奇小説の巨匠エドガー・アラン・ポーの短編小説を原作としています。

ロジェ・ヴァディム、ルイ・マル、フェデリコ・フェリーニという、当時のヨーロッパを代表する3人の巨匠監督が、それぞれ独自の世界観でポーの恐怖と幻想を描き出した作品です。

以下に、3つのエピソードのあらすじを紹介します。

  • 第一話「黒馬の哭く館」 (Metzengerstein)
    監督はロジェ・ヴァディム。
    若くして莫大な財産を相続した美貌の伯爵令嬢フレデリック(ジェーン・フォンダ)は、残酷で気まぐれな性格の持ち主でした。
    彼女は、先祖代々対立している家のウィルヘルム男爵(ピーター・フォンダ)に冷たくあしらわれたことに腹を立て、彼の厩舎に火を放ちます。
    ウィルヘルムは愛馬を助けようとして焼死してしまいます。
    その直後、フレデリックの城に、ウィルヘルム家のタペストリーに描かれていたものと瓜二つの、凶暴な黒馬が現れます。
    フレデリックはその黒馬に不可解なほど魅了され、次第に破滅的な運命へと導かれていきます。
  • 第二話「影を殺した男」 (William Wilson)
    監督はルイ・マル。
    裕福な家に生まれながら、サディスティックで残忍な性格を持つウィリアム・ウィルソン(アラン・ドロン)。
    彼の行く先々には、なぜか自分と全く同じ名前、同じ容姿、同じ声を持つ、もう一人のウィリアム・ウィルソンが必ず現れます。
    この「分身」は、ウィルソンが悪事を働こうとするたびに現れ、彼の良心を責めるかのように妨害します。
    賭博場でのイカサマを暴かれ、プライドを傷つけられたウィルソンは、ついに分身との対決を決意し、彼を短剣で刺し殺します。
    しかし、それは同時に自分自身を破滅させる行為でした。
  • 第三話「悪魔の首」 (Toby Dammit)
    監督はフェデリコ・フェリーニ。
    かつては人気を博したが、今やアルコール中毒で落ちぶれたイギリスのシェイクスピア俳優トビー・ダミット(テレンス・スタンプ)。
    彼は、報酬として最新型のフェラーリが贈られるという条件に惹かれ、イタリアでの映画出演(キリストを演じる西部劇)の仕事を引き受けます。
    ローマに到着したトビーは、テレビのインタビューや授賞式に引き回されますが、彼の精神はアルコールと幻覚によって蝕まれていました。
    彼は幼い頃から「毬を持った少女」の姿をした悪魔の幻影に悩まされており、ローマでもその姿を目にします。
    授賞式を抜け出したトビーは、手に入れたフェラーリを狂ったように飛ばし、悪魔の幻影に導かれるまま、崩落した橋へと猛スピードで突っ込んでいきます。

    YouTubeで観る「世にも怪奇な物語」珠玉のオープニング

    本作の独特な世界観と、豪華キャストの共演が垣間見える予告編(英語)がYouTubeで公開されています。
    (※オープニング単体や日本語の公式予告編は、現在YouTube上で確認が難しい状況です)。

    この予告編(Spirits of the Dead 1969 theatrical trailer)では、各エピソードの退廃的で幻想的な映像美、そしてジェーン・フォンダ、アラン・ドロン、テレンス・スタンプらのカリスマ的な姿を確認することができます。

    「世にも怪奇な物語」の作品詳細(製作背景とスタッフ)

    『世にも怪奇な物語』は、1968年に公開されたフランス・イタリア合作映画です。
    公開当時の邦題は『世にも怪奇な物語』でしたが、後に『悪魔の首』というタイトルでリバイバル公開されたこともあります。
    原作は、言わずと知れた怪奇小説の大家、エドガー・アラン・ポーの短編集『怪奇小説集(Histoires extraordinaires)』から取られています。
    (「黒馬の哭く館」は「メッツェンガーシュタイン」、「影を殺した男」は「ウィリアム・ウィルソン」、「悪魔の首」は「悪魔に首を賭けるな」が原作)。
    それぞれの監督が、ポーのゴシックな世界観を、60年代のカウンターカルチャー的な空気感の中で自由に解釈し、映像化しました。
    特にフェリーニが監督した「悪魔の首」は、彼特有のシュールレアリスムな映像が全開となり、強烈なインパクトを残します。
    音楽もエピソードごとに異なり、「黒馬の哭く館」はジャン・プロドロミデス、「影を殺した男」はディエゴ・マッソン、そして「悪魔の首」はフェリーニ作品には欠かせないニーノ・ロータが担当しています。

    「世にも怪奇な物語」の主要キャストと声優(または俳優)

    本作は、3つのエピソードそれぞれに、当時のヨーロッパやハリウッドを代表するスターが出演していることでも知られています。

    ジェーン・フォンダ – フレデリック(「黒馬の哭く館」)

    残酷な美貌の伯爵令嬢を演じました。
    ロジェ・ヴァディム監督(当時の夫)とは『バーバレラ』でもタッグを組んでいます。

    • 主な代表作: 『コールガール』(アカデミー主演女優賞受賞)、『黄昏』(アカデミー主演女優賞受賞)、『バーバレラ』、『9時から5時まで』。

    ピーター・フォンダ – ウィルヘルム男爵(「黒馬の哭く館」)

    ジェーン・フォンダの実弟であり、宿敵の男爵という皮肉な役柄で共演しています。

    • 主な代表作: 『イージー・ライダー』(製作・脚本・主演)、『Ulee’s Gold』(アカデミー主演男優賞ノミネート)、『さすらいのカウボーイ』。

    アラン・ドロン – ウィリアム・ウィルソン(「影を殺した男」)

    二面性を持つ主人公(と、その分身)という難役を、圧倒的な美貌と陰影のある演技で演じきりました。

    • 主な代表作: 『太陽がいっぱい』、『若者のすべて』、『サムライ』、『山猫』、『地下室のメロディー』。

    ブリジット・バルドー – ジュゼッピーナ(「影を殺した男」)

    賭博場のシーンに登場し、アラン・ドロンと緊迫した対決を見せます。

    • 主な代表作: 『素直な悪女』、『軽蔑』、『ビバ!マリア』。

    テレンス・スタンプ – トビー・ダミット(「悪魔の首」)

    アルコールに溺れ、破滅へと向かう英国人俳優を狂気的に演じました。

    • 主な代表作: 『コレクター』、『スーパーマン』(ゾッド将軍役)、『プリシラ』、『イギリスから来た男』。

    「世にも怪奇な物語」の社会的評価と影響

    『世にも怪奇な物語』は、単なるホラー映画という枠を超え、3人の巨匠監督による競作として、アートフィルムとしても高く評価されています。
    60年代末期の退廃的でサイケデリックな文化を色濃く反映しており、その映像美学は今見ても新鮮です。
    特にフェデリコ・フェリーニが監督した第三話「悪魔の首」は、批評家や観客から最も高い評価を受けることが多く、フェリーニの最高傑作の一つに数える声もあります。
    ローマの街をフェラーリで疾走するシーンの疾走感と、対照的な悪魔(少女)の不気味な静けさ、そして衝撃的なラストシーンは、多くの観客に「トラウマ映画」として強烈な印象を植え付けました。
    このエピソードは、カンヌ国際映画祭で高い評価を受け、その後のカルト的な人気を決定づけました。
    ロジェ・ヴァディムの「黒馬の哭く館」は、ジェーン・フォンダの退廃的な美しさを捉えたビジュアル面(特に衣装)が高く評価されています。
    ルイ・マルの「影を殺した男」は、アラン・ドロンの魅力を最大限に引き出しつつ、ドッペルゲンガーという古典的なテーマをスタイリッシュに描いた正統派の怪奇譚として評価されています。
    3つのエピソードがそれぞれ全く異なる個性を持ちながら、「ポーの幻想世界」という共通項で繋がっており、60年代ヨーロッパ映画の豊かさと奥深さを象徴する一作と言えるでしょう。

    「世にも怪奇な物語」の関連商品(DVD・グッズなど)

    本作は、長らく鑑賞が困難な時期もありましたが、現在ではDVDやBlu-rayで手軽に鑑賞することが可能です。
    特に近年では、美しい映像を堪能できる「4Kリマスター版」のBlu-rayも発売されており、中古市場やオンラインストアで入手することができます。
    ブックオフなどの店舗やオンラインストアでも、中古DVDやBlu-rayの取り扱いが見られます。
    また、サウンドトラックも非常に評価が高く、特にニーノ・ロータが手掛けた「悪魔の首」の音楽は、単体でも人気があります。
    エドガー・アラン・ポーの原作小説(「メッツェンガーシュタイン」「ウィリアム・ウィルソン」「悪魔に首を賭けるな」を含む短編集)も、様々な出版社から翻訳版が刊行されています。
    映画と原作を読み比べて、巨匠たちがポーの世界をどのように解釈・再構築したかを楽しむのも一興です。

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