【かわいい魔女ジニー うんちく】ジニーの「おへそ」が放送禁止だった?『奥さまは魔女』とのライバル秘話を徹底解説

【かわいい魔女ジニー うんちく】ジニーの「おへそ」が放送禁止だった?『奥さまは魔女』とのライバル秘話を徹底解説

『かわいい魔女ジニー』の概要

『かわいい魔女ジニー』(原題: I Dream of Jeannie)は、1965年から1970年にかけてアメリカで放送された、大人気シチュエーション・コメディです。

不時着した無人島で奇妙な壺を拾った宇宙飛行士トニー・ネルソン(演:ラリー・ハグマン)。

彼が壺のフタを開けると、中から2000歳の魔人(ジニー、演:バーバラ・イーデン)が出現します。

ジニーはトニーをご主人様(Master)と認め、彼のもとで巻き起こすドタバタな日常がコミカルに描かれました。

日本でも放送され、特にジニーのチャーミングな魅力と「殿(との)!」という吹き替えで人気を博しました。

この作品は、先行する大ヒット作『奥さまは魔女』の強力なライバルであり、当時のテレビ業界を反映した興味深い「うんちく」が数多く存在します。

『かわいい魔女ジニー』の詳細うんちく

最大のうんちく「ジニーのおへそは放送禁止だった」

本作に関する最も有名な「うんちく」は、ジニーの「おへそ」に関するものです。

ジニーはアラビア風のセクシーな衣装(ハーレムパンツ)を身に着けていますが、当時のアメリカのテレビネットワーク(NBC)の放送基準では、女性の「おへそ」を露出することはタブーとされていました。

そのため、バーバラ・イーデンは撮影中、常におへそが隠れるように衣装を調整(ハイウエストのパンツを着用)する必要がありました。

シーズン1はモノクロだったためあまり目立ちませんでしたが、シーズン2からカラー放送になると、衣装の鮮やかさと共にお腹周りへの注目も高まりました。

プロデューサーたちは検閲当局と戦い続けましたが、ついに最終シーズンまでジニーがおへそを見せることはありませんでした。

このエピソードは、1960年代のテレビ界の保守的な側面を象徴する逸話として語り継がれています。

ライバルは『奥さまは魔女』

『かわいい魔女ジニー』は、先行して大ヒットしていた『奥さまは魔女』(ABC局、1964年開始)の成功を受けて企画された作品です。

「魔力を持つ美女が人間の男性と暮らす」という基本設定は共通していますが、両作には明確な違いがありました。

  • 『奥さまは魔女』(サマンサ): 魔女であることを隠し、魔法を使わずに「普通の主婦」になろうと努力する。
  • 『かわいい魔女ジニー』(ジニー): 魔人(精霊)であることを隠さず(トニーとロジャーは知っている)、ご主人様のために積極的に魔法を使いたがる。

サマンサが自立した現代の主婦像を反映していたのに対し、ジニーはご主人様に尽くすことを至上の喜びとする、より古典的で従順な女性像として描かれました。

この二つの人気番組は、当時激しい視聴率競争を繰り広げたライバル関係にありました。

モノクロで始まったシーズン1

『奥さまは魔女』と同様に、『かわいい魔女ジニー』も放送開始当初(シーズン1:1965年〜1966年)はモノクロ(白黒)で制作されました。

これは、当時まだカラーテレビが一般家庭に普及しきっておらず、制作費を抑えるためでもありました。

シーズン2(1966年)からカラー放送に移行し、ジニーのピンク色の衣装や、魔法のエフェクト、カラフルな壺の中のインテリアが鮮やかに描かれるようになりました。

トニー役ラリー・ハグマンの苦悩

ご主人様であるトニー・ネルソン少佐を演じたラリー・ハグマン(後に『ダラス』のJ.R.役で世界的大スターとなる)は、このコメディ作品の撮影に多くのストレスを抱えていたと言われています。

彼はジニーに振り回される「受け」の演技が中心であることに不満を持ち、撮影現場で奇行に走ることもあったと伝えられています。

しかし、バーバラ・イーデンとの化学反応は素晴らしく、二人のコミカルな掛け合いが番組の大きな魅力となりました。

ジニーは「魔女」ではなく「魔人(ジーン)」

日本では『かわいい魔女ジニー』という邦題で親しまれていますが、原題は『I Dream of Jeannie』です。

Jeannie(ジニー)という名前は、アラビアの神話に登場する精霊「ジン(Djinn)」や「ジーニー(Genie)」(魔人、ランプの精)に由来しています。

そのため、厳密には彼女は「Witch(魔女)」ではなく「Genie(魔人)」です。

彼女の年齢は2000歳で、紀元前64年4月1日生まれという設定でした。

参考動画

まとめ

『かわいい魔女ジニー』は、1960年代のアメリカの宇宙開発競争という時代背景(トニーは宇宙飛行士)の中で生まれた、ユニークなファンタジー・コメディです。

「おへそ問題」に象徴される当時の放送規制と戦いながらも、バーバラ・イーデン演じるジニーの圧倒的な魅力と、ラリー・ハグマンとの絶妙なコンビネーションで、ライバル『奥さまは魔女』と並ぶ大ヒットを記録しました。

ご主人様のために一生懸命に魔法を使い、時にそれが大騒動になってしまうジニーの姿は、今見ても色褪せないキュートさとユーモアに満ちています。

関連トピック

『奥さまは魔女』: 本作の最大のライバルであり、比較対象とされる作品。設定やキャラクターの違いを見比べるのも一興です。

バーバラ・イーデン: ジニー役を演じ、一躍セックスシンボルとなった女優。当時30代でしたが、そのキュートな魅力で世界中を虜にしました。

ラリー・ハグマン: トニー・ネルソン役の俳優。本作の後、1980年代の大ヒットドラマ『ダラス』の冷酷な石油王J.R.役で、まったく異なるキャラクターを演じ切り、再び大ブレイクしました。

1960年代のアメリカのテレビ: カラー放送への移行期であり、本作や『奥さまは魔女』のようなファンタジー・コメディが全盛期を迎えた時代です。

関連資料

かわいい魔女ジニー コンプリート・シリーズ [DVD]: 全5シーズン、全139話を収録したDVDボックス。モノクロのシーズン1からカラーのファイナルシーズンまで、ジニーの活躍をすべて楽しめます。

I Dream of Jeannie (Original Television Soundtrack) [CD/配信]: ヒューゴ・モンテネグロらが手掛けた、あの軽快でエキゾチックなテーマ曲や劇中音楽を収録したサウンドトラック。

Barbara Eden “Jeannie Out of the Bottle” [洋書]: 主演のバーバラ・イーデン自身による自伝。撮影の裏側や、「おへそ問題」、ラリー・ハグマンとの関係などについて赤裸々に綴られています。

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