YouTubeで映画「ローガンズラン」

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YouTubeで映画「ローガンズラン」

「ローガンズラン」の概要

「ローガンズラン(Logan’s Run)」は、1976年に公開されたアメリカのSF映画です。

原作はウィリアム・F・ノーランとジョージ・クレイトン・ジョンソンによる同名のSF小説です。

物語の舞台は、戦争と汚染によって荒廃した地上の代わりに、巨大なドーム型都市に人々が暮らす23世紀の未来社会です。

この都市では、人口過剰を防ぐ厳格な資源管理のため、人々は30歳になると「カルーセル(回転木馬)」と呼ばれる儀式によって「再生(実際には抹殺)」されることが義務付けられていました。

人生は快楽のみを追求するためにあり、人々は若く美しいまま30歳までを謳歌します。

しかし、このシステムに疑問を持ち、30歳を超えて生きるために都市から逃亡しようとする者たち「ランナー(逃亡者)」も存在しました。

本作のあらすじは、そのランナーを追跡・抹殺する任務を負った保安警察官「サンドマン(砂男)」である主人公、ローガン5(ローガン・ファイブ)の物語です。

ある日、ローガンは都市の管理コンピュータから、ランナーたちが目指すとされる伝説の地「サンクチュアリ(聖域)」の実態を調査するため、偽のランナーとして逃亡するよう特命を受けます。

ローガンは、同じく逃亡を試みる女性ジェシカ6(ジェシカ・シックス)と共に、かつての親友であり同僚のサンドマン、フランシス7(フランシス・セブン)の執拗な追跡をかわしながら、ドーム都市の外に広がる未知の世界へと脱出を図ります。

若さと快楽だけが支配するディストピア社会の恐怖と、そこからの自由を求める人間の闘いを描いた、1970年代を代表するSF作品の一つです。

「ローガンズラン」の予告編

1976年公開当時の「ローガンズラン」のオリジナル劇場予告編(トレーラー)はこちらで視聴可能です。

当時の最先端の特殊効果や、作品の壮大な世界観を感じることができます。

「ローガンズラン」の詳細

「ローガンズラン」は、メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)によって製作・配給されました。

監督は、「八十日間世界一周」や「007/私を愛したスパイ」などを手掛けたマイケル・アンダーソンが務めました。

音楽は、巨匠ジェリー・ゴールドスミスが担当し、シンセサイザーとオーケストラを融合させた先進的なスコアで、映画の未来的な雰囲気とスリルを盛り上げました。

本作の大きな見どころは、その革新的な特殊効果(SFX)です。

ドーム都市のミニチュアワーク、レーザー光線が飛び交う戦闘シーン、そして特に「カルーセル」の儀式で人々が宙を舞うシーンの合成技術は高く評価されました。

これらの功績により、本作は第49回アカデミー賞において、特別業績賞(視覚効果)を受賞しました。

また、撮影技術賞と美術賞にもノミネートされています。

映画のヒットを受け、1977年にはテレビドラマシリーズ版も制作・放送されましたが、こちらは1シーズン(全14話)で終了しました。

長年にわたりハリウッドではリメイクの企画が何度も浮上していますが、2025年現在、実現には至っていません。

「ローガンズラン」の主なキャストと代表作品

「ローガンズラン」のディストピア世界を彩った主要なキャストと、その代表作品を紹介します。

ローガン5(Logan 5) – 演:マイケル・ヨーク (Michael York)

本作の主人公。

ランナーを取り締まるエリート・サンドマンでしたが、特命により自身がランナーとなる運命を辿ります。

任務とジェシカへの想いの間で葛藤します。

  • 代表作(映画):「キャバレー」(ブライアン・ロバーツ 役)
  • 代表作(映画):「三銃士」(ダルタニアン 役)
  • 代表作(映画):「オースティン・パワーズ」シリーズ(ベイジル・エクスポジション 役)

ジェシカ6(Jessica 6) – 演:ジェニー・アガター (Jenny Agutter)

本作のヒロイン。

都市のシステムに疑問を抱き、サンクチュアリを目指す地下組織の一員です。

ローガンと共に逃亡の旅に出ます。

  • 代表作(映画):「イノセント」(1971年版)
  • 代表作(映画):「狼男アメリカン」(アレックス・プライス看護婦 役)
  • 代表作(映画):「アベンジャーズ」 / 「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」(世界安全保障理事会評議員 ホーリー 役)
  • 代表作(ドラマ):「コール・ザ・ミッドワイフ ロンドン助産婦物語」(シスター・ジュリエンヌ 役)

フランシス7(Francis 7) – 演:リチャード・ジョーダン (Richard Jordan)

ローガンの親友であり、同僚のサンドマン。

ローガンがランナーになったことを知ると、任務に忠実に、彼を執拗に追跡します。

ローガンへの友情とサンドマンとしての使命感の間で揺れ動きます。

  • 代表作(映画):「レッド・オクトーバーを追え!」(ジェフリー・ペルト博士 役)
  • 代表作(映画):「デューン/砂の惑星」(ダンカン・アイダホ 役)
  • 代表作(映画):「ゲティスバーグ」(ルイス・アーミステッド准将 役)

オールドマン(Old Man) – 演:ピーター・ユスティノフ (Peter Ustinov)

ローガンとジェシカが都市の外で出会う、年老いた謎の男。

人々が30歳で死ぬ都市とは対照的に、彼は「老い」を体現する存在であり、物語の重要な鍵を握ります。

  • 代表作(映画):「クォ・ヴァディス」(ネロ皇帝 役) ※アカデミー助演男優賞ノミネート
  • 代表作(映画):「スパルタカス」(バタイアタス 役) ※アカデミー助演男優賞受賞
  • 代表作(映画):「ナイル殺人事件 (1978年版)」(エルキュール・ポアロ 役)

ボックス(Box) – 声:ロスコー・リー・ブラウン (Roscoe Lee Browne)

都市の外れ、氷の洞窟で食料(プランクトン)を管理していたロボット。

不気味な姿と言動で、ローガンたちを恐怖に陥れます。

  • 代表作(映画):「ベイブ」(ナレーター)
  • 代表作(ドラマ):「スパイダーマン(1994年版アニメ)」(キングピン / ウィルソン・フィスク 声優)

「ローガンズラン」の社会的評価と影響

「ローガンズラン」は、公開当時、興行的に大きな成功を収めました。

特にその斬新なビジュアルとアカデミー賞を受賞した特殊効果は高く評価され、1970年代のSF映画ブームの一翼を担いました。

「若さ」だけが至上とされる管理社会というテーマは、カウンターカルチャー(若者文化)が席巻した1960年代から70年代にかけての社会的な風潮を反映したものと解釈されています。

「30歳以上を信用するな(Don’t trust anyone over 30)」という当時のスローガンと、30歳で強制的に「再生」させられるという設定の符合は、非常に風刺的です。

映画の評価としては、哲学的なテーマを内包しつつも、後半は追跡劇がメインのアクション・アドベンチャーの色合いが強くなる点について、賛否が分かれることもあります。

しかし、その独特な世界観、ジェリー・ゴールドスミスの音楽、そしてジェニー・アガター演じるジェシカ6の象徴的な衣装デザインなどは、後世に大きな影響を与えました。

後の多くのディストピアSF作品(例:映画「アイランド」や「TIME/タイム」など)に、「ローガンズラン」の影響を見て取ることができます。

今日では、そのレトロフューチャーなデザインと時代を映し出すテーマ性から、カルト映画として多くのSFファンに愛され続けている作品です。

「ローガンズラン」関連商品

「ローガンズラン」は、公開から数十年が経過した現在でも、根強い人気を誇り、様々なメディアで楽しむことができます。

  • Blu-ray(ブルーレイ) / DVD

    映画「ローガンズラン」は、高画質化されたBlu-rayやDVDが各国で販売されています。

    日本版もリリースされており、デジタルリマスターによる鮮明な映像で、当時の革新的なSFXを堪能できます。

    特典映像として、監督やキャストによる音声解説、メイキングドキュメンタリーが収録されているバージョンもあります。

  • 原作小説

    ウィリアム・F・ノーランとジョージ・クレイトン・ジョンソンによる原作小説「ローガンズ・ラン(邦題:逃亡の惑星)」も、SF小説のクラシックとして評価が高いです。

    映画とは設定が異なる部分(例:抹殺される年齢が21歳である点など)も多く、読み比べることで世界観をより深く理解できます。

  • サウンドトラックCD

    ジェリー・ゴールドスミスによるサウンドトラックもCDとしてリリースされています。

    シンセサイザーを多用したスコアは、映画音楽のファンからも高い評価を得ています。

  • テレビドラマ版DVD

    映画のヒットを受けて制作されたテレビシリーズ「ローガンズラン」も、アメリカなどでDVD-BOXがリリースされています。

    映画とはキャストが異なりますが、ドーム都市の外を放浪するローガンとジェシカのその後を描いた内容となっています。

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