【マニフェスト】サーンビ・バールの苦悩と救済！828便の謎を科学で解き明かした天才医師

「マニフェスト」におけるサーンビ・バールの概要
詳細：科学への傾倒と、犯した罪の代償
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「マニフェスト」におけるサーンビ・バールの概要

2018年から放送され、キャンセル騒動を経てNetflixで完結した大人気SFミステリー『マニフェスト 828便の謎（Manifest）』。

この物語において、主人公ベン・ストーンと共に謎の解明に最も貢献し、科学的な側面から「呼びかけ（コーリング）」の正体に迫り続けたのが、サーンビ・バール（演：パルヴィーン・カウル）です。
彼女はジャマイカからの帰国便828便に搭乗していた優秀な医学研究者であり、自身の開発した癌治療法が、後にベンの息子カルの命を救うことになります。

科学と信仰、罪と贖罪の間で揺れ動きながら、乗客たちの「余命（死の日）」を回避するために人生の全てを捧げた彼女の、献身的かつ壮絶な物語を解説します。

詳細：科学への傾倒と、犯した罪の代償

サーンビ・バールは、乗客たちにとっての「希望」であり、同時に最も重い十字架を背負った人物の一人です。

1. 科学者としての使命とカルへの貢献

サーンビは828便に乗る前、画期的な癌免疫療法の研究を行っていました。空白の5年半の間に彼女の研究は実用化されており、それが末期癌だったカル・ストーンの命を救います。

彼女は「呼びかけ」を脳神経学的な現象として捉え、血液マーカーや遺伝子解析を通じて科学的に解明しようと試みました。ベンが「足」を使って謎を追うなら、サーンビは「頭脳」を使って謎を解く、チームになくてはならない存在でした。

2. 「少佐」殺害と罪の意識

シリーズ中盤、サーンビの運命を大きく狂わせたのが、乗客を利用して生物兵器を作ろうとする「少佐（キャサリン・フィッツ）」との対決です。

サーンビは少佐の研究データを奪うために罠を仕掛けますが、結果として誤って彼女を殺害してしまいます。
人の命を救うはずの医師が人を殺めてしまったという事実は、彼女の精神を崩壊寸前まで追い詰めました。この罪により、彼女は一時的に「呼びかけ」を受け取る能力を失い、運命から見放された状態に陥ります。

3. 呼びかけの除去と副作用

サーンビは、自分自身を実験台にして「呼びかけ」を除去する方法を確立しました。しかし、それは「死の日」の判定基準となる、神（あるいは高次の存在）との繋がりを断つことを意味していました。

彼女の研究は後に、政府機関「ユリーカ」で利用されることになりますが、ノアの方舟の破片などのオーパーツとの接触を通じて、科学だけでは説明できない「神の領域」があることを認めざるを得なくなります。

4. ベン・ストーンとの絆

サーンビとベンの関係は、同志であり、親友であり、そしてそれ以上の深い絆で結ばれていました。

互いにパートナーを失い、極限状態の中で支え合う二人の間には、一時期ロマンティックな空気が流れることもありました（実際に一度だけキスをするシーンもありました）。しかし、最終的に二人が選んだのは、恋愛関係ではなく、世界を救うための「共同救済者」としての信頼関係でした。

5. 最終的な救済

ファイナルシーズンにおいて、サーンビは自身の罪と向き合い、許しを請うのではなく、行動によって償う道を選びました。

「死の日」の最後の審判において、彼女は一度は灰になりかけますが、これまでの献身と善行が認められ、生還を果たします。
ラストシーン、記憶を持ったまま2013年の空港に戻った彼女が、癌が治っていないカルを再び治療できる喜びに浸る姿は、彼女の本来あるべき幸せな人生の再スタートを象徴していました。

「マニフェスト」参考動画

まとめ

サーンビ・バールは、オカルトや宗教色が強くなりがちなこのドラマにおいて、最後まで「理性の光」を灯し続けたキャラクターです。

彼女がいなければ、乗客たちは「死の日」のメカニズムを理解することすらできず、全滅していたでしょう。
パルヴィーン・カウルの知的で情熱的な演技は、サーンビというキャラクターを、単なる脇役から物語の心臓部へと押し上げました。

科学への信頼と、それを超える信仰への敬意。その両方を手に入れた彼女の旅路は、『マニフェスト』という作品のテーマそのものです。