YouTubeで見る「外科医ギャノン(Medical Center)」！70年代本格医療ドラマの傑作を徹底解説

外科医ギャノン

「外科医ギャノン」の概要

『外科医ギャノン』（原題: Medical Center）は、1960年代末から1970年代中頃にかけてアメリカで制作・放送され、人気を博した医療ドラマシリーズです。

カリフォルニア州ロサンゼルスにある（という設定の）大学病院「メディカル・センター」を舞台に、経験豊富な胸部外科医ジョー・ギャノン医師と、病院の管理責任者であるポール・ロックナー医師の二人を中心に、様々な患者たちの病気や怪我との闘い、医師たちの葛藤、そして病院内で起こる人間ドラマを描いています。

当時の最新医療技術を描写しつつ、生命の尊厳や倫理的な問題にも踏み込んだ、本格的な医療ドラマとして評価されました。

（※レス・バクスター作曲によるテーマ曲）

本作は、アメリカのCBSネットワークで1969年9月24日から1976年3月15日まで、全7シーズン、合計171話が放送されました。

制作はMGMテレビジョン。

物語は基本的に一話完結形式で、毎回メディカル・センターに運び込まれる様々な症状の患者たちと、それに対応するギャノン医師や他のスタッフたちの姿を追います。

主人公のギャノン医師は、若く（設定上は30代前半からスタート）、情熱的で、時には規則を破ってでも患者の命を救おうとする理想主義的な外科医として描かれています。

一方、ロックナー医師は、病院経営という現実的な側面と、医療倫理の間で葛藤する、より経験豊富な管理職として、ギャノンとは対照的な立場から物語に深みを与えています。

様々な病気や怪我、当時の社会問題（薬物依存、臓器移植など）をテーマとして取り上げ、医療現場のリアリティを描こうと努めました。

日本では1970年からTBS系などで放送され、そのシリアスな内容と、チャド・エヴェレット演じるギャノン医師の魅力で人気を得ました。

ジョー・ギャノン医師 (Dr. Joe Gannon): チャド・エヴェレット (Chad Everett)

主人公。メディカル・センターの若き胸部外科医兼教授。患者思いで行動的。
ポール・ロックナー医師 (Dr. Paul Lochner): ジェームズ・デイリー (James Daly)

メディカル・センターの診療部長。病院の管理責任者であり、ギャノンの上司兼理解者。
（その他、準レギュラー看護師など）

看護師役として、オードリー・トッター、ジェーン・ダウェル、バーバラ・ボールドウィンなどが複数のエピソードに出演しました。

チャド・エヴェレット:
- 『マルホランド・ドライブ (Mulholland Drive)』（映画）
- 『サイコ (Psycho)』（1998年リメイク版映画）
- 『エアプレーン2 (Airplane II: The Sequel)』（映画）
- 『歌え！ドミニク (The Singing Nun)』（映画）
ジェームズ・デイリー:
- 『猿の惑星 (Planet of the Apes)』（1968年版映画、オノリアス博士役）
- 『宇宙大作戦 (Star Trek)』（テレビドラマ、ゲスト出演）
- ブロードウェイでの舞台俳優としての活動（トニー賞受賞）
- （女優タイン・デイリー、俳優ティム・デイリーの実父）

『外科医ギャノン』は、1970年代のアメリカにおける本格派医療ドラマの先駆けとして、大きな成功を収めた作品です。

『ベン・ケーシー』や『ドクター・キルデア』といった先行する医療ドラマの流れを汲みつつ、より現代的な医療技術や社会問題を反映させ、リアリティのある人間ドラマを描き出しました。

主演のチャド・エヴェレットは、本作でのハンサムで情熱的な医師役で一躍スターダムにのし上がり、当時の女性視聴者から絶大な人気を得ました。

7シーズンにわたるロングランヒットとなり、後の『ER緊急救命室』や『グレイズ・アナトミー』など、現代に至る医療ドラマの系譜に繋がる重要な作品の一つとして位置づけられています。

生命の尊厳や医師の責任といった重いテーマを扱いながらも、希望を感じさせるヒューマンドラマとして、多くの視聴者の記憶に残る作品となりました。

伝説の医療ドラマに触れる。

『Medical Center』の各シーズンを収録したDVD-BOXが、主に海外版（リージョン1など）としてリリースされています（ワーナー・アーカイブ・コレクションなど）。日本国内での正規版DVDの流通は確認が難しい状況です。

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