しゃべる馬『ミスター・エド』の面白うんちく!ピーナッツバターの真相から日本版「馬ヅラ」声優まで徹底解説

しゃべる馬『ミスター・エド』の面白うんちく!ピーナッツバターの真相から日本版「馬ヅラ」声優まで徹底解説

『ミスター・エド』の概要

『ミスター・エド』(原題: Mister Ed)は、1961年から1966年にかけてアメリカで放送された大ヒットシットコム(シチュエーション・コメディ)です。

物語は、建築家のウィルバー・ポストが購入した一軒家に、なぜか「飼い主のウィルバーとだけ人間の言葉で会話ができる」というおしゃべりな馬「ミスター・エド」がついてきたことから始まります。

エドが巻き起こす様々な騒動と、ウィルバーがエドと話しているところを妻や隣人に見られて「変な人」扱いされてしまうドタバタ劇が、お茶の間の爆笑を誘いました。

日本でも『ミスター・エド』や『お馬のエドくん』といった邦題で放送され、人気を博しました。

『ミスター・エド』の詳細うんちく

うんちく1: 馬はどうやって「しゃべって」いたのか?

『ミスター・エド』最大の謎であり、最も有名なうんちくが「馬はどうやって口を動かしてしゃべっていたのか?」というトリックです。

当時、最も広く信じられていた噂は「エドの上唇の裏にピーナッツバターを塗り、それを舐め取ろうとして口をモグモグさせていた」というものでした。

しかし、主演でウィルバー役のアラン・ヤングは後年、自伝などでこの説を(一部ではやりつつも)否定しています。

主なトリックは「目に見えないほど細いナイロン糸(釣り糸のようなもの)を馬の口元につけ、カメラの映らない場所からトレーナーが引っ張ることで、セリフに合わせて口を動かしていた」というものでした。

後期になると、エドを演じた馬の「バンブー・ハーベスター」は非常に賢くなり、トレーナーが足を触るとそれを合図に口を動かす芸を覚えたため、糸も不要になったと語られています。

うんちく2: ミスター・エドの「声」の正体

ウィットに富んだエドの「声」を担当したのは、B級西部劇のスター俳優であったアラン・”ロッキー”・レーン(Allan “Rocky” Lane)です。

しかし、制作陣は「馬が本当にしゃべっている」というファンタジーを守るため、当初、声優の存在を隠していました。

エンディングクレジットには、エドの声の担当として「Mister Ed … Himself(ミスター・エド本人)」とだけ記載されていたのです。

アラン・レーンが亡くなるまで、彼がエドの声優であったことは公にされませんでした。

うんちく3: 一度聴いたら忘れないテーマソング

「♪A horse is a horse, of course, of course…(馬は馬、もちろん、もちろん…)」というキャッチーなフレーズで始まるテーマソングも、本作の象徴です。

この曲を作詞・作曲したのは、『ケ・セラ・セラ』なども手掛けた名コンビ、ジェイ・リビングストンとレイ・エヴァンスです。

そして、このテーマソングを実際に歌っているのは、作曲者であるジェイ・リビングストン本人です。

うんちく4: 日本版「エドの声」は超大物落語家!

『ミスター・エド』は日本でも1960年代にフジテレビ系列で放送され、大人気となりました。

主人公ウィルバー(演:アラン・ヤング)の吹き替えは、俳優の柳沢真一が担当しました。

そして、肝心のミスター・エドの声は、当時「馬ヅラ」の愛称でも親しまれていた落語家、四代目三遊亭金馬(当時は三遊亭小金馬)が担当しました。

あの独特の軽妙なしゃべくりが、日本のお茶の間に「しゃべる馬」のイメージを定着させました。

うんちく5: 豪華すぎるゲスト俳優たち

『ミスター・エド』には、後に大スターとなる若き日の俳優がゲスト出演しています。

その筆頭が、クリント・イーストウッドです。

彼は無名時代に、人気西部劇ドラマ『ローハイド』のロディ・イェーツ役そのままでゲスト出演するという、珍しい形で登場しました。

うんちく6: 『じゃじゃ馬億万長者』とのクロスオーバー

『ミスター・エド』は、前回の記事で紹介した『じゃじゃ馬億万長者』とも意外な接点があります。

『ミスター・エド』のあるエピソードに、『じゃじゃ馬億万長者』で強烈なキャラクターの「グラニー(おばあちゃん)」を演じた女優アイリーン・ライアンが、「グラニー」と全く同じ衣装・役柄でゲスト出演しているのです。

ウィルバーが馬と話しているのを目撃したグラニーが、彼を「呪われている」と勘違いして騒動になるという、夢の共演が実現しました。

参考動画

まとめ

『ミスター・エド』は、CGなどない時代に「馬がしゃべる」というシンプルなアイデアを、様々な撮影トリックとユーモアあふれる脚本、そして名優(馬と人間)たちの演技で見事に成立させた、テレビ史に残るコメディです。

ピーナッツバターの噂話や、日米の豪華な「声優」陣、そして『じゃじゃ馬億万長者』との意外なリンクなど、制作の裏側を知ることで、このクラシックな作品の魅力をより深く味わうことができます。

関連トピック

シットコム (Situation Comedy): 『奥さまは魔女』『アイ・ラブ・ルーシー』など、本作が属するコメディドラマのジャンルです。

アラン・ヤング (Alan Young): 主人公ウィルバーを演じた俳優。後年まで『ミスター・エド』の裏話を語り継ぎました。

四代目三遊亭金馬: 日本の落語家。フジテレビ版『ミスター・エド』の吹き替えを担当しました。

クロスオーバー (Crossover): 異なる作品のキャラクターが共演すること。本作と『じゃじゃ馬億万長者』のグラニーの共演がこれにあたります。

バンブー・ハーベスター (Bamboo Harvester): ミスター・エドを演じた馬(俳優馬)の名前です。

関連資料

『ミスター・エド』DVD-BOX: アメリカでは全シーズンがDVD化されており、クラシックドラマとして楽しまれています。

アラン・ヤングの自伝: 主演俳優が語る撮影秘話が多数掲載されています。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
最新情報をチェックしよう!