ブラボー火星人のうんちく集!マーチンおじさんの「ブラボー!」誕生秘話とSFコメディの金字塔

ブラボー火星人のうんちく集!マーチンおじさんの「ブラボー!」誕生秘話とSFコメディの金字塔

「ブラボー火星人」の概要

『ブラボー火星人』(原題: My Favorite Martian)は、1963年から1966年にかけてアメリカCBSで放送された、SFシチュエーション・コメディ(シットコム)の草分け的作品です。

物語は、地球に不時着した火星人(レイ・ウォルストン)が、その正体を知った若き新聞記者ティム・オハラ(ビル・ビクスビー)の家に居候することから始まります。

火星人はティムの「叔父(マーチンおじさん)」として振る舞いながら、地球の文化に戸惑い、その超能力で様々な騒動を巻き起こします。

日本でも1960年代に放送され、そのユーモラスな設定と「ブラボー!」の決めゼリフで、子供から大人まで幅広い層に愛されました。

この記事では、そんな『ブラボー火星人』の概要と、知られざる詳細な「うんちく」を紹介します。

「ブラボー火星人」の詳細とトリビア

『ブラボー火星人』をより深く楽しむための、いくつかの興味深い「うんちく」をご紹介します。

「ブラボー!」は日本だけのオリジナルだった

本作の邦題にもなっている「ブラボー!」という掛け声ですが、実はオリジナルの英語版(原題: My Favorite Martian)には一切登場しません。

これは、日本でのテレビ放送時に、マーチンおじさん(声:中村正)が超能力を使う際の決めゼリフとして、日本語吹き替え版で独自に加えられた演出でした。

この「ブラボー!」という威勢の良い掛け声が、マーチンのキャラクターと見事にマッチし、日本では番組を象徴するフレーズとして定着しました。

マーチンの象徴「触覚(アンテナ)」

マーチンおじさんの最大の特徴は、後頭部から自在に出し入れできる2本の「触覚(アンテナ)」です。

彼はこの触覚を使って、透明人間になる、テレパシー(読心術)を使う、念力で物を動かす、動物と会話するなど、多彩な超能力を披露しました。

この触覚は、当時の子供たちにとって憧れの的であり、番組のSF的な魅力を高める重要な小道具でした。

後の「超人ハルク」との同居生活

マーチンおじさんを匿う心優しき新聞記者ティム・オハラを演じたのは、俳優のビル・ビクスビーです。

彼は本作で好青年役として人気を博した後、1970年代後半からのテレビシリーズ『超人ハルク』(原題: The Incredible Hulk)で、苦悩する科学者デビッド・バナー博士役を演じ、再び世界的なスターとなりました。

温厚なティム役と、シリアスなバナー博士役という、キャリアを通じて対照的な役柄で成功を収めた名優です。

ファンタジー・シットコムの先駆け

『ブラボー火星人』の「超常的な能力を持つ存在が、一般社会で正体を隠して同居する」というフォーマットは大ヒットしました。

この成功は、直後に製作が開始された『奥さまは魔女(Bewitched)』や『かわいい魔女ジニー(I Dream of Jeannie)』といった、魔法や超能力をテーマにした「ファンタジー・シットコム」という一大ジャンルを確立する上で、決定的な影響を与えたと言われています。

カラー化への移行

番組は1963年の開始当初、モノクロ(白黒)で放送されていました。

しかし、当時のテレビ業界の急速なカラー化の流れに乗り、最後のシーズンであるシーズン3(1965年〜1966年)からはカラー放送へと移行しました。

これにより、マーチンの風変わりなファッションや宇宙船の内部などが、より鮮やかに描かれるようになりました。

1999年のリブート映画

テレビシリーズ終了から30年以上が経過した1999年、クリストファー・ロイド(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のドク役)がマーチン役、ジェフ・ダニエルズがティム役で、リブート映画『マイ・フェイバリット・マーシャン』(邦題:ブラボー火星人)が製作されました。

この映画には、オリジナルのテレビ版でマーチンおじさんを演じたレイ・ウォルストンが、正体を隠して地球に潜伏する別の火星人役としてカメオ出演しており、新旧マーチンの共演が往年のファンを喜ばせました。

参考動画

まとめ

『ブラボー火星人』は、人々が宇宙に夢とロマンを抱いていた1960年代の空気を完璧に捉えた、SFコメディの金字塔です。

レイ・ウォルストン演じる、どこか人間臭くて愛嬌のある火星人マーチンと、ビル・ビクスビー演じる誠実な地球人ティムとの奇妙な友情物語は、半世紀以上が経過した今も色褪せません。

日本独自の「ブラボー!」という吹き替え文化が生んだ奇跡のフレーズと共に、本作は『奥さまは魔女』へと続くファンタジー・シットコムの道を開いた、テレビ史における重要な作品として記憶されています。

関連トピック

奥さまは魔女 (Bewitched): 『ブラボー火星人』のヒットを受け、そのフォーマットを参考に製作されたファンタジー・シットコムの代表作です。

ビル・ビクスビー: ティム役の俳優です。本作の後、『超人ハルク』のデビッド・バナー博士役で不動の人気を得ました。

レイ・ウォルストン: マーチンおじさん役の俳優です。ブロードウェイでトニー賞を受賞した経験もあるベテランで、映画『アパートの鍵貸します』などでも知られています。

SFシットコム: SF(サイエンス・フィクション)とシチュエーション・コメディを融合させたジャンルで、本作はその草分け的存在とされています。

関連資料

ブラボー火星人 (1999年版映画) (Blu-ray/DVD): クリストファー・ロイド主演でリブートされた映画版です。オリジナルのレイ・ウォルストンも出演しています。

My Favorite Martian: The Complete Series (DVD / 輸入盤): オリジナルのテレビシリーズ全107話を収録したコンプリートボックスです。

超人ハルク (DVD): ティム役のビル・ビクスビーが主演した、もう一つのテレビ史に残る代表作です。

奥さまは魔女 (DVD / Blu-ray): 『ブラボー火星人』と共に、1960年代のファンタジー・シットコムブームを牽引した名作です。

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