【神様は見ていない】グレタの魅力!規則に縛られたベテラン守護天使が直面する「システムの矛盾」

コメディー

【神様は見ていない】グレタの魅力!規則に縛られたベテラン守護天使が直面する「システムの矛盾」

「神様は見ていない」におけるグレタの概要

ブラジル発、Netflixオリジナルのファンタジー・コメディ『神様は見ていない(原題: Ninguém Tá Olhando)』。

この物語において、主人公の新人守護天使ウリと対照的な存在として描かれるのが、ベテラン守護天使(アンジェラス)のグレタ(演:ジュリア・ラベロ)です。

彼女は赤い髪と制服がトレードマークで、アンジェラス・システムが定める4つのルールを厳格に守る「規則の鬼」として登場します。
しかし、規則を破っても罰せられないウリの姿を目の当たりにし、彼女の中で信じてきた世界が崩れ去り、新たな自分を見つける旅が始まります。皮肉屋でクール、でもどこか憎めない彼女のキャラクターを解説します。

詳細:優等生アンジェラスの崩壊と再生

グレタは、官僚主義的な組織における「中間管理職」のような悲哀と、そこからの解放を体現したキャラクターです。

1. 規則遵守の鬼、そして皮肉屋

グレタは第5511地区のベテランアンジェラスとして、新人の指導役も務めます。

彼女にとって「ボス(Chief)」の定めるルールは絶対であり、人間に姿を見せてはいけない、指定された人間以外助けてはいけないといった掟を忠実に守ってきました。
常に不機嫌そうな顔で、サボり癖のある同僚チュンや、質問ばかりするウリに対して皮肉を飛ばすのが日常です。彼女のこの態度は、数百年間同じルーチンワークを繰り返してきた倦怠感の表れでもあります。

2. 「誰も見ていない」衝撃と崩壊

物語の転換点は、ウリが規則を破っても消滅したり罰を受けたりしないことが判明した時です。

「ボスは見ていないのではないか?」という疑惑は、真面目に生きてきたグレタにとってアイデンティティの崩壊を意味しました。
彼女はショックのあまり自暴自棄になり、これまで我慢してきたこと(人間界の快楽やルールの無視)に手を出し始めます。この「優等生の反乱」とも言えるコミカルかつ切実な変化は、ドラマの大きな見どころです。

3. ウリやチュンとの凸凹チーム

好奇心旺盛なウリ、のんびり屋のチュン、そして現実主義者のグレタ。この3人のアンジェラスの掛け合いは最高にユニークです。

特にグレタは、ウリの無鉄砲な行動に巻き込まれながらも、経験豊富な先輩として(時には嫌々ながら)彼をサポートします。
物語が進むにつれ、彼女は単なる「お目付け役」から、共にシステムの真実(ボスは存在するのか、ハムスターは何なのか)を探求する仲間へと変わっていきます。

4. ジュリア・ラベロのコメディエンヌとしての実力

グレタを演じたジュリア・ラベロ(Júlia Rabello)は、ブラジルで人気のあるコメディグループ「Porta dos Fundos」出身の実力派女優です。

彼女の持つ独特の間と、シニカルな表情、そしてキレのあるセリフ回しは、グレタというキャラクターに絶妙なリアリティと笑いをもたらしました。

「神様は見ていない」参考動画

まとめ

グレタは、社会の理不尽なルールやシステムに疑問を持ちながらも、従うしかなかった私たち自身の姿を映し出しています。

彼女が「誰も見ていない」と知った後、どのように自分の意志で行動し始めるのか。その姿は、自由であることの責任と楽しさを教えてくれます。
残念ながらシリーズはシーズン1で終了してしまいましたが、グレタの鋭いツッコミと、隠された情熱は視聴者の心に強く残っています。ブラジル流のブラックユーモア満載の本作で、彼女の「働き方改革」をぜひ目撃してください。

関連トピック

ウリ(ウリセス)(300年ぶりに誕生した新人アンジェラス。グレタの常識をぶち壊すトラブルメーカー)
チュン(グレタの同僚。規則を適当にかわしながら人間界を楽しむ、愛すべき怠け者)
フレッド(地区の管理官。グレタ以上に規則にうるさいが、実は何も分かっていない上司)
アンジェラス・システム(人間を守るために組織された天使たちの官僚的なシステム。謎が多い)

関連資料

Netflixドラマ『神様は見ていない』(全8話。気楽に見られるが、深い哲学的テーマも含む良作コメディ)

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