YouTubeで「世にも不思議な物語(One Step Beyond)」を見る前に!実話系オカルトドラマの元祖を徹底解説
この記事では、1950年代に放送され、後の「世にも奇妙な物語」などにも影響を与えたとされる伝説のオカルト・アンソロジードラマ「世にも不思議な物語(One Step Beyond)」の概要、見どころ、キャスト、そしてその社会的評価について、YouTube動画を交えながら詳しくご紹介します。
「世にも不思議な物語(One Step Beyond)」の概要(あらすじ)
「世にも不思議な物語(One Step Beyond)」は、1959年から1961年にかけてアメリカのABCネットワークで放送された、画期的なテレビドラマシリーズです。
原題は「Alcoa Presents: One Step Beyond」といい、スポンサーであったアルコア(アルミニウム製造会社)の名が冠されていました。
この番組の最大の特徴は、超常現象、心霊体験、予知夢、テレパシーといった不可解な出来事を、「実際に起こった実話」に基づいて再現ドラマ化するというドキュメンタリー・タッチのアンソロジー(一話完結)形式を採用している点です。
全3シーズン、合計97のエピソードが制作され、視聴者に現実と超常現象の境界線について問いかける内容で人気を博しました。
日本では1959年12月から日本テレビ系で放送され、その不気味な雰囲気とリアリティを追求した作風で、後続の多くのオカルト番組やミステリードラマに影響を与えたとされています。
YouTubeで見る「One Step Beyond」のオープニング
まずは、この作品の不気味な世界観を象徴するオープニング動画をご覧ください。
砂丘に刻まれる足跡と、ハリー・ルービンによる一度聴いたら忘れられないテーマ曲が印象的です。
作品の詳細と見どころ
「世にも不思議な物語(One Step Beyond)」は、類似のアンソロジーシリーズとして名高い「トワイライト・ゾーン(ミステリー・ゾーン)」としばしば比較されますが、決定的な違いがあります。
「トワイライト・ゾーン」がロッド・サーリングによる創作(フィクション)であったのに対し、「One Step Beyond」はあくまで「事実に基づいている」というスタンスを貫きました。
番組は毎回、ホストであり、多くのエピソードで監督(ディレクター)も務めたジョン・ニューランドによって紹介されます。
彼の冷静沈着で知的な語り口は、これから語られる物語が単なる作り話ではなく、現実に起こり得た(あるいは起こった)出来事であるという説得力を視聴者に与えました。
制作はジョセフ・ブラウンスタイン、企画はメリアン・C・クーパー(『キング・コング』の監督としても知られる)が担当し、音楽はハリー・ルービンが手がけました。
特にハリー・ルービンによるテーマ曲「Fear」は、一度聴いたら忘れられないような不安を煽る旋律で、番組の象徴的な要素の一つとなっています。
各エピソードは、実際に報告された超常的な体験談や事件の記録を収集し、それを基に脚本が書かれました。
例えば、タイタニック号の沈没を予知した人物の話や、遠く離れた場所での出来事を感知するテレパシー能力者の話など、科学では説明がつかない現象がシリアスなトーンで描かれます。
1978年には、同じくジョン・ニューランドをホストに迎えたリメイク版「新・世にも不思議な物語(The Next Step Beyond)」も制作され、日本でも1982年に放送されるなど、時代を超えて語り継がれるシリーズとなりました。
「世にも不思議な物語」のキャスト(案内役)
「世にも不思議な物語(One Step Beyond)」はアンソロジー・シリーズであるため、各エピソードの出演者は異なります。
しかし、番組全体を通して登場し、視聴者を不可思議な世界へと誘う重要な役割を担っているのが、ホスト(案内役)です。
- ホスト(案内役): ジョン・ニューランド (John Newland)
彼は俳優としてだけでなく、本シリーズの多くのエピソードで監督を務めるなど、番組のトーンを決定づける中心人物でした。
彼の落ち着いた佇まいと知的なナレーションが、超常現象という非現実的なテーマにリアリティと重厚感をもたらしました。
ホスト「ジョン・ニューランド」の主な代表作品
ここでは、本作品の顔であるジョン・ニューランドの、俳優および監督としての主な代表作品を紹介します。
[監督としての代表作]
- 「スタートレック (Star Trek)」 (1967年、エピソード “Errand of Mercy” を監督)。
- 「0011ナポレオン・ソロ (The Man from U.N.C.L.E.)」 (1964年、エピソード “The Double Affair” などを監督)。
- 「ポリス・ウーマン (Police Woman)」 (1974年~1978年、複数のエピソードを監督)。
- 「ワンダーウーマン (Wonder Woman)」 (1979年、複数のエピソードを監督)。
- 「スリラー (Thriller)」 (1961年~1962年、複数のエピソードを監督)。
[俳優・ホストとしての代表作]
- 「新・世にも不思議な物語 (The Next Step Beyond)」 (1978年、ホストとして出演)。
- 「ロバート・モンゴメリー・プレゼンツ (Robert Montgomery Presents)」 (1950年代、俳優として出演)。
まとめ:作品の社会的評価と影響
「世にも不思議な物語(One Step Beyond)」は、テレビの黎明期において「超常現象」というテーマをシリアスなドキュメンタリードラマとして扱った先駆的な作品として、高く評価されています。
当時、SFやファンタジーがフィクションとして楽しまれる中で、本作は「これは実話である」と明言することで、視聴者に独特の緊張感と恐怖を与えました。
ホストのジョン・ニューランドによる冷静な進行と、ハリー・ルービンによる印象的なテーマ音楽は、番組の不気味な世界観を確立する上で不可欠な要素でした。
「トワイライト・ゾーン」と比較されることが多いものの、「One Step Beyond」は超能力や心霊現象といったオカルト的な側面に焦点を当てており、その後の「X-ファイル」や日本の「世にも奇妙な物語」など、数多くのミステリー・オカルト系作品に多大な影響を与えたと言えます。
放送から半世紀以上が経過した現在でも、その革新的な試みと視聴者の想像力を刺激する物語は、カルト的な人気を保ち続けています。
超常現象というテーマが、単なるエンターテインメントを超えて、人間の未知の可能性や世界の不可解さを探求するきっかけをテレビというメディアで提供した、記念碑的なシリーズです。
「世にも不思議な物語」の関連商品(DVD・グッズ)
「世にも不思議な物語(One Step Beyond)」は、制作から長い年月が経過しており、特に日本国内での公式なDVD-BOXやBlu-rayの流通は非常に限定的です。
リメイク版である「新・世にも不思議な物語」については、一部レンタルサービス(TSUTAYA DISCASなど)で取り扱いがある場合があります。
オリジナル版に関しては、アメリカ本国では多くのエピソードがパブリックドメイン(著作権保護期間満了)となっているため、安価なDVDが多数リリースされています。
これらは輸入盤として入手可能ですが、日本語字幕や吹替は含まれていない場合がほとんどです。
また、作品の象徴ともいえるハリー・ルービン作曲のテーマ曲「Fear」は、当時のテレビドラマ音楽を集めたコンピレーション・アルバムや、YouTubeなどの動画サイトで聴くことができます。
グッズとしては、当時の放送に関連するレトロなポスターや資料などが、コレクターズアイテムとして取引されることがあります。