YouTubeで知る「ペリーメイスン」!不朽の法廷ドラマ(オリジナル版&HBO版)を徹底解説
「ペリーメイスン」の概要(法廷ドラマの金字塔)
『ペリー・メイスン』(原題: Perry Mason)は、アメリカの推理作家E・S・ガードナーが生み出した、法廷を舞台に活躍する弁護士ペリー・メイスンを主人公とした推理小説シリーズ、およびそれを原作とした映像化作品群の総称です。
特に世界的な知名度を誇るのが、1957年から1966年にかけて放送されたレイモンド・バー主演のテレビドラマシリーズです。
このオリジナル版は、「法廷ドラマ」というジャンルを確立した金字塔として知られています。
物語の基本構成は、メイスンが弁護を引き受けた殺人事件の被告人が、多くの場合、絶望的な状況証拠によって有罪と見なされているところから始まります。
しかし、メイスンは有能な秘書デラ・ストリートと私立探偵ポール・ドレイクの助けを借りて独自の調査を行い、法廷での鋭い尋問を通じて真犯人を暴き出し、依頼人の無実を証明します。
近年では、2020年から米HBOが製作した、マシュー・リス主演のリブート版も高い評価を得ています。
こちらは、メイスンが弁護士になる以前の、大恐慌時代のロサンゼルスでうらぶれた私立探偵として活動する姿を描く前日譚(オリジン・ストーリー)となっています。
「ペリーメイスン」伝説のオープニングテーマ(1957年版)
(※1957年オリジナル版の、フレッド・スタイナー作曲による非常に有名なオープニングテーマ「Park Avenue Beat」)
作品詳細:二つの「ペリーメイスン」
オリジナル版(1957年 – 1966年)
『弁護士ペリー・メイスン』としてアメリカCBSで放送され、全9シーズン、271話に及ぶ長寿番組となりました。
主演のレイモンド・バーが演じるペリー・メイスンは、知的で冷静沈着、法廷で検事や証人を徹底的に追い詰める「無敗の弁護士」として描かれています。
最終弁論で依頼人の無実を勝ち取るのではなく、法廷の証人席で真犯人に自白させる劇的なクライマックスが、本作の最大の見どころであり、様式美ともなっています。
日本でも放送され、レイモンド・バーの重厚な演技と、法廷での逆転劇が人気を博しました。
リブート版(2020年 – 2023年)
『ペリー・メイスン』としてHBOで放送(全2シーズン)。
ロバート・ダウニー・Jr.が製作総指揮の一人を務めました。
時代設定は1930年代の大恐慌直後のロサンゼルス。
主人公のメイスンは、戦争のトラウマを抱え、妻と子にも去られ、経済的に困窮する私立探偵として登場します。
オリジナル版の「完璧なヒーロー」像とは異なり、ダーティな調査もいとわない、人間的弱さを抱えたハードボイルドな人物像が描かれます。
物語は、彼が忌まわしい乳児誘拐殺人事件の調査をきっかけに、法曹界へと足を踏み入れ、弁護士ペリー・メイスンとして覚醒していく過程を重厚なノワール・タッチで描いています。
「ペリーメイスン」の主要キャスト
オリジナル版(1957年)
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ペリー・メイスン (Perry Mason): レイモンド・バー (Raymond Burr)
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デラ・ストリート (Della Street): バーバラ・ヘイル (Barbara Hale)
メイスンの忠実で有能な秘書。
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ポール・ドレイク (Paul Drake): ウィリアム・ホッパー (William Hopper)
メイスンが信頼を寄せる私立探偵。
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ハミルトン・バーガー (Hamilton Burger): ウィリアム・タリー (William Talley)
メイスンと法廷でしのぎを削る検事。
リブート版(2020年)
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ペリー・メイスン (Perry Mason): マシュー・リス (Matthew Rhys)
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デラ・ストリート (Della Street): ジュリエット・ライランス (Juliet Rylance)
メイスンの師となる弁護士E・B・ジョナサンの秘書。後にメイスンのパートナーとなる。
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ポール・ドレイク (Paul Drake): クリス・チョーク (Chris Chalk)
差別に苦しむ黒人警官。後にメイスンの調査員となる。
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E・B・ジョナサン (E.B. Jonathan): ジョン・リスゴー (John Lithgow)
メイスンを雇う老弁護士。
キャストの他の代表作品名
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レイモンド・バー (オリジナル版):
- 『裏窓 (Rear Window)』(映画、殺人犯ラース・ソーウォルド役)
- 『怪獣王ゴジラ (Godzilla, King of the Monsters!)』(映画、スティーブ・マーティン記者役)
- 『鬼警部アイアンサイド (Ironside)』(テレビドラマ、主演ロバート・アイアンサイド警部役)
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マシュー・リス (リブート版):
- 『ジ・アメリカンズ (The Americans)』(テレビドラマ、主演フィリップ・ジェニングス役)
- 『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 (The Post)』(映画、ダニエル・エルズバーグ役)
- 『幸せへのまわり道 (A Beautiful Day in the Neighborhood)』(映画)
「ペリーメイスン」の社会的評価と影響(まとめ)
『ペリー・メイスン』は、E・S・ガードナーの原作小説が持つ「法廷ミステリー」の面白さをテレビドラマとして昇華させ、世界中に広めた不朽の作品です。
オリジナル版は、その後の『L.A.ロー』や『アリー my Love』、『SUITS/スーツ』に至るまで、あらゆる法廷ドラマの「お手本」となりました。
法廷での劇的な逆転劇はカタルシスを生み、「ペリー・メイスン」という名前は「絶対に勝つ弁護士」の代名詞となりました。
一方、HBOによるリブート版は、オリジナル版の様式美をあえて覆し、大恐慌時代の暗い世相、人種差別、PTSDといった現代的なテーマを盛り込むことで、キャラクターのオリジンを深く掘り下げました。
クラシックなヒーロー像(オリジナル版)と、傷ついたアンチヒーロー像(リブート版)という、二つの異なる魅力を持つ『ペリー・メイスン』は、時代を超えて人々を引きつける法廷ドラマの最高峰であり続けています。
「ペリーメイスン」の関連商品(DVD・原作小説)
この名作の世界に触れるためのアイテム。
DVD
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オリジナル版『弁護士ペリー・メイスン』の各シーズンを収録したDVD-BOXが、ブロードウェイなどから発売されています。
書籍
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E・S・ガードナーによる原作小説(『ビロードの爪』『すねた娘』など)が、早川書房や東京創元社などから多数翻訳・出版されています。
Blu-ray / 配信
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リブート版『ペリー・メイスン』(HBO版)は、U-NEXTなどの動画配信サービスで視聴可能であり、シーズンごとのBlu-rayもリリースされています。