YouTubeで「プロジェクト・ブルーブック」を徹底解説!概要からキャスト、関連商品まで
「プロジェクト・ブルーブック」とは?
『プロジェクト・ブルーブック』(原題: Project Blue Book)は、2019年から2020年にかけてアメリカのヒストリーチャンネルで放送された、全2シーズン(全20話)からなるミステリー・ドラマシリーズです。
製作総指揮には、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『フォレスト・ガンプ/一期一会』で知られる巨匠ロバート・ゼメキスが名を連ねています。
本作は、1950年代から60年代にかけて、アメリカ空軍が実際に行った未確認飛行物体(UFO)に関する極秘調査計画「プロジェクト・ブルーブック」の実話に基づいています。
物語の主人公は、実在した天体物理学者であり、UFO研究の第一人者として知られることになるJ・アレン・ハイネック博士です。
当初、ハイネック博士はUFOの存在に懐疑的であり、空軍からの依頼を受けて、UFO目撃情報の科学的な「火消し役」として調査に参加します。
彼は、監視役である空軍大尉マイケル・クインと共に、全米各地で発生する不可解な目撃事件を調査します。
しかし、数々の説明不可能な現象や、政府や軍が隠そうとする巨大な陰謀に直面するうち、ハイネックは次第にUFOが実在する可能性を確信し始め、真実の探求へと深く踏み込んでいきます。
「プロジェクト・ブルーブック」のオープニング(公式予告編)
本作は、1950年代のレトロな雰囲気と、UFO事件の不気味さを融合させた映像が特徴です。
作品のミステリアスなトーンがよくわかる、シーズン1の公式予告編がYouTubeで公開されています。
「プロジェクト・ブルーブック」の詳細
本作の最大の魅力は、実際に「プロジェクト・ブルーブック」のファイルに記録されている有名なUFO事件(例えば「フラットウッズ・モンスター事件」や「ワシントンUFO乱舞事件」など)を、エピソードの題材としている点です。
各事件が、史実やハイネック博士の残した記録に基づきながら、ドラマティックに再構成されています。
物語は、UFO事件の謎解きというミステリー要素に加え、冷戦時代のスパイ活動や、政府内部の権力闘争といったスリラー要素も色濃く含んでいます。
懐疑論者であった主人公ハイネック博士が、真実の探求者へと変貌していく姿と、彼と常に行動を共にする空軍大尉クインとの「バディ・ドラマ」としても楽しめます。
クイン大尉は、当初は空軍の命令に従い、事件を隠蔽しようとする立場ですが、ハイネック博士と行動するうちに、彼もまた真実を求めるようになり、二人の間には固い絆が芽生えていきます。
また、ハイネック博士の妻ミミの視点も描かれます。
彼女は、夫が危険な調査にのめり込んでいく姿を案じながらも、自らもソ連のスパイとの接触など、時代の闇に巻き込まれていきます。
シーズン2をもって打ち切りとなりましたが、その重厚なストーリーと緻密な時代考証で、UFOファンや歴史ドラマファンから高い評価を受けています。
「プロジェクト・ブルーブック」のキャストと代表作品
本作は、HBOなどの海外ドラマで活躍する実力派俳優たちによって支えられています。
J・アレン・ハイネック博士 / エイダン・ギレン (Aidan Gillen)
- 登場人物: J・アレン・ハイネック博士
- キャスト: エイダン・ギレン
- 概要: 本作の主人公。実在した天体物理学者。当初は懐疑派として空軍に雇われるが、数々の不可解な事件を調査するうちに、UFOの存在と政府の隠蔽を確信するようになります。
- 主な代表作品:
- 『ゲーム・オブ・スローンズ』 (ドラマ / ピーター・“リトルフィンガー”・ベイリッシュ役)
- 『ボヘミアン・ラプソディ』 (映画 / ジョン・リード役)
- 『ピーキー・ブラインダーズ』 (ドラマ / アベラマ・ゴールド役)
マイケル・クイン大尉 / マイケル・マラーキー (Michael Malarkey)
- 登場人物: マイケル・クイン大尉
- キャスト: マイケル・マラーキー
- 概要: ハイネック博士のパートナーであり監視役を務めるアメリカ空軍大尉。第二次世界大戦の退役軍人であり、実直な軍人ですが、ハイネックと共に陰謀の核心に迫っていきます。
- 主な代表作品:
- 『ヴァンパイア・ダイアリーズ』 (ドラマ / エンゾ・セントジョン役)
- 『ビッグ・スカイ』 (ドラマ)
ミミ・ハイネック / ローラ・メンネル (Laura Mennell)
- 登場人物: ミミ・ハイネック
- キャスト: ローラ・メンネル
- 概要: ハイネック博士の妻。夫が国家的な陰謀に巻き込まれていくことを心配する一方で、彼女自身も主婦仲間との交流の中で、冷戦下の不穏な出来事に遭遇します。
- 主な代表作品:
- 『ウォッチメン』 (映画 / ヤヌス(シルク・スペクターの母)役)
- 『高い城の男』 (ドラマ)
- 『ALPHAS/アルファズ』 (ドラマ)
「プロジェクト・ブルーブック」の社会的評価と影響
『プロジェクト・ブルーブック』は、ヒストリーチャンネルのオリジナルドラマとして、放送開始時に高い視聴率を記録し、批評家からも概ね好意的な評価を受けました。
特に、1950年代のレトロフューチャーな雰囲気の再現度、主演エイダン・ギレンの知的な演技、そして史実のUFO事件をフィクションとして巧みに再構成した脚本が評価されました。
UFOや陰謀論といったテーマを、単なるオカルトとしてではなく、冷戦時代の社会不安や政府の情報操作という文脈で描いた点が、本作を骨太な歴史ミステリーとして成立させています。
しかし、本作はシーズン2の放送終了後に打ち切りが発表されました。
これは、作品の評価や視聴率の低迷が直接的な原因ではなく、ヒストリーチャンネルの親会社であるA+E Networksが、高コストなオリジナル脚本ドラマの製作から撤退し、リアリティ番組やドキュメンタリー中心の編成へと戦略を大きく変更したためと報じられています。
シーズン2の最終話は、次シーズン(ロズウェル事件を扱う構想だった)への大きなクリフハンガー(続きが気になる終わり方)で終了したため、多くのファンが打ち切りを惜しむ声を上げ、SNSなどでは製作継続を求める運動も起こりました。
「プロジェクト・ブルーブック」の関連商品
本作は、日本国内でもDVDがリリースされています。
KADOKAWA(角川)から、シーズン1およびシーズン2のDVD-BOXが発売されています。
また、U-NEXTやHulu、Amazon Prime Videoのチャンネル(「ヒストリー」チャンネルなど)といった動画配信サービスでも、過去に配信実績があります。
本作のベースとなった「プロジェクト・ブルーブック」に関するノンフィクション書籍や、ハイネック博士自身が執筆したUFOに関する書籍(『ハイネック博士のUFOレポート』など)も、関連商品として本作の世界観をより深く知るために役立ちます。