YouTubeで聴く「ローハイド」!クリント・イーストウッドを生んだ伝説の西部劇を徹底解説
「ローハイド」の概要とあらすじ
『ローハイド』(原題: Rawhide)は、1950年代末から1960年代にかけてアメリカで制作された、テレビ西部劇の代表的な作品の一つです。
物語は、南北戦争後の1870年代のアメリカ西部を舞台にしています。
テキサス州サンアントニオからミズーリ州セダリア(またはカンザス州)まで、約3000頭もの牛の群れを長距離移動させる「キャトル・ドライブ(牛追い)」の道中を描いています。
カウボーイたちの一団(ドローヴァー)が、荒野、砂漠、川、山といった過酷な自然環境や、インディアンの襲撃、牛泥棒、内部の対立といった様々な困難に直面しながら旅を続ける姿を、リアルなタッチで描いた作品です。
「ローハイド」伝説のオープニングテーマ
(※フランキー・レインが歌う、鞭の音と共に始まる非常に有名な主題歌「ローハイドのテーマ」)
作品詳細(放送時期・舞台裏)
本作は、アメリカのCBSネットワークで1959年1月から1965年12月まで、全8シーズン、合計217話が放送されました。
製作はCBSプロダクションズが担当しました。
西部劇の中でも、カウボーイの過酷な「仕事」としての側面に焦点を当てた点が特徴です。
派手なガンファイトだけでなく、牛の群れを管理する困難さや、長旅における人間ドラマが重視されました。
日本では1959年11月からNET(現・テレビ朝日)系で放送が開始され、その主題歌と共に爆発的な人気を獲得しました。
「ローハイド(Rawhide)」とは、元々「生皮」や「生皮の鞭」を意味する言葉で、カウボーイの象徴的な道具の一つです。
そして何よりも、本作は後に世界的映画スターとなるクリント・イーストウッドの出世作として知られています。
「ローハイド」の主要キャスト(牛追いの一行)
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ギル・フェイヴァー (Gil Favor): エリック・フレミング (Eric Fleming)
牛追いの隊長(トレイル・ボス)。経験豊富で責任感が強く、冷静沈着なリーダー。
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ロディ・イェーツ (Rowdy Yates): クリント・イーストウッド (Clint Eastwood)
牛追いの副隊長格(ラムロッド)。若く血気盛んだが、フェイヴァーのもとで成長していく。
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ウィッシュボーン (Wishbone): ポール・ブラインガー (Paul Brinegar)
一行のコック(料理番)。気難し屋だが、根は優しいベテラン。
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ピート・ノーラン (Pete Nolan): シェブ・ウーリー (Sheb Wooley)
偵察係(スカウト)。
キャストの他の代表作品名
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クリント・イーストウッド:
- 『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』(マカロニ・ウェスタン映画)
- 『ダーティハリー』シリーズ(映画)
- 『許されざる者』『ミリオンダラー・ベイビー』(監督・主演アカデミー賞受賞作)
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エリック・フレミング:
- 『宇宙征服 (Conquest of Space)』(映画)
- 『マーメイド作戦 (The Glass Bottom Boat)』(映画)
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ポール・ブラインガー:
- 『荒野の用心棒 (A Fistful of Dollars)』(映画、クリント・イーストウッドと再共演)
「ローハイド」の社会的評価と影響(まとめ)
『ローハイド』は、アメリカ本国のみならず、特に日本において絶大な人気を誇ったテレビ西部劇です。
フランキー・レインによる「ロー!ロー!ロー!」の掛け声で知られる主題歌は、番組を知らない世代にも広く認知されており、日本のポップカルチャーにも大きな影響を与えました(例:『ブルース・ブラザース』でのカバー、日本のCMソングなど)。
本作の最大の功績は、若手俳優であったクリント・イーストウッドをスターダムに押し上げたことです。
『ローハイド』でタフなカウボーイのイメージを確立したイーストウッドは、番組放送中に出演したイタリア映画『荒野の用心棒』で国際的スターとなり、その後の監督・俳優としての大成へと繋がっていきました。
リアルなカウボーイの日常と、彼らが直面する厳しさを描いた本作は、数あるテレビ西部劇の中でも、ひときわ異彩を放つ不朽の名作として記憶されています。
「ローハイド」の関連商品
今こそ、あの荒野の旅に触れる。
DVD
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『ローハイド』の各シーズン(シーズン1~3など)を収録したDVD-BOXが、日本でも発売されています(日本語吹替版収録)。
CD
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フランキー・レインによる「ローハイドのテーマ」を収録した西部劇テーマソング集や、ベスト・アルバムが多数存在します。
書籍
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当時のテレビ放送に関連した雑誌記事や、西部劇ドラマを特集したムック本などで紹介されています。