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【伝説の神回】『ヤング・スーパーマン』新旧共演!クリストファー・リーヴが託した魂のバトン「呪われた壁画」徹底解説

アクション・冒険
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【伝説の神回】『ヤング・スーパーマン』新旧共演!クリストファー・リーヴが託した魂のバトン「呪われた壁画」徹底解説

第2シーズン第17話「呪われた壁画」(Rosetta)の概要

全10シーズン・217話に及ぶ『ヤング・スーパーマン(Smallville)』の長い歴史の中で、ファン、批評家、そして制作陣の誰もが「最も重要」と認めるエピソードがあります。それが第2シーズン第17話「呪われた壁画(原題:Rosetta)」です。
この回が伝説とされる理由はただ一つ。映画『スーパーマン』シリーズ(1978年〜1987年)で主役を演じ、実生活での落馬事故により車椅子生活となっていた伝説の俳優、クリストファー・リーヴがゲスト出演を果たしたからです。
「先代スーパーマン」であるリーヴが、「若きスーパーマン」トム・ウェリングに対し、自身の出生の秘密と運命を説く。それは単なるドラマの演出を超えた、魂の継承式(トーチ・パッシング)そのものでした。
本記事では、涙なしには見られないこの奇跡の共演シーンの裏側、物語の核心となる「クリプトン」の真実、そしてジョン・ウィリアムズのテーマ曲が流れる感動の瞬間に迫ります。

詳細:スワン博士が伝えた「真実」と感動の舞台裏

あらすじ:謎のメッセージとスワン博士

ある日、クラークはスモールビルの洞窟にある壁画から、熱線(ヒートビジョン)を使って謎のシンボル(クリプトン語)を読み取ってしまいます。すると、まるで待っていたかのように、クラークの脳内に膨大な情報が流れ込み、無意識のうちに納屋の壁に奇妙な記号を焼き付けてしまいます。
途方に暮れるクラークのもとに、ニューヨークの大富豪であり、著名な科学者であるバージル・スワン博士から連絡が入ります。「私は君の答えを持っている」と。
ニューヨークへ向かったクラークは、隠遁生活を送るスワン博士と対面します。車椅子に乗った博士は、クラークの秘密を知る数少ない理解者として、彼に真実を語り始めます。

見どころ1:クリストファー・リーヴの圧倒的な存在感

スワン博士として登場したクリストファー・リーヴ。首から下が麻痺しているため、酸素吸入器をつけ、電動車椅子で現れますが、その瞳の輝きと、威厳ある声は、まさに「マン・オブ・スティール(鋼鉄の男)」そのものでした。
彼がクラーク(トム・ウェリング)を見つめる眼差しは、役柄を超えて、次世代のヒーローへ希望を託す俳優としての温かさに満ちています。
リーヴはこの撮影のために体調を整え、現場では「トム、君こそが今のスーパーマンだ」と励ましの言葉をかけたと言われています。

見どころ2:明かされる真実「カル=エル」

このエピソードで、クラークは初めて自分の本当の名前を知ります。
スワン博士は、長年かけて解読した宇宙からのメッセージをクラークに伝えます。
「ここはクリプトン。我々の星は滅びようとしている」
「私の息子、カル=エル(Kal-El)を地球へ送る」
これまで「宇宙から来た捨て子」という漠然とした認識だったクラークが、自分が「カル=エル」という名を持ち、滅びゆく星の希望として地球に送られたことを自覚する、シリーズ最大の転換点です。

見どころ3:ジョン・ウィリアムズの「あの曲」

ドラマ『ヤング・スーパーマン』は、独自のサウンドトラックを使用しており、映画版の有名なテーマ曲は原則として使いません。
しかし、このエピソードのラストシーン、スワン博士から託されたクリプトン語のメッセージをクラークが解読する場面で、ジョン・ウィリアムズ作曲の『スーパーマンのテーマ(The Planet Krypton)』の旋律が静かに、しかし力強く流れます。
映画ファンなら誰もが鳥肌が立つこの演出は、「この少年がいずれあの空を飛ぶヒーローになる」という確信を視聴者に与える最高の名場面となりました。

レックス・ルーサーとの対比

一方、スモールビルに残ったレックス・ルーサーもまた、洞窟の壁画の謎を解こうと野心を燃やします。クラークが「自分のルーツ(過去)」を知るためにスワン博士と会うのに対し、レックスは「力(未来)」を手に入れるために謎を追う。
スワン博士はレックスの接触を拒絶しており、ここでもクラークとレックスの「選ばれし者」と「持たざる者」の対比が鮮やかに描かれています。

トリビア:現実世界へのメッセージ

エピソードの最後に、クリストファー・リーヴとトム・ウェリングが登場する公共広告(PSA)が流れます。これはリーヴが設立した「クリストファー・リーヴ麻痺財団」への支援を呼びかけるものでした。
「スーパーマンは空を飛べますが、私は歩くことすらできません。しかし、研究が進めば再び歩ける日が来ると信じています」というリーヴの言葉は、フィクションのヒーロー以上の勇気を世界中に与えました。

参考動画

まとめ

第2シーズン第17話「呪われた壁画(Rosetta)」は、『ヤング・スーパーマン』という作品が、偉大なる先代への敬意(リスペクト)の上に成り立っていることを証明した記念碑的なエピソードです。
クリストファー・リーヴはこの翌年、2004年に52歳の若さで亡くなります。彼が最晩年に、命を削ってまでこのドラマに出演し、トム・ウェリングに「バトン」を渡してくれた事実は、スーパーマン史における最も美しい瞬間の一つと言えるでしょう。
この回を見た後では、クラークの成長を見守る視線が、少し変わるはずです。彼はただの高校生ではなく、偉大な魂を受け継ぐ者なのですから。

関連トピック

クリストファー・リーヴ
1978年の映画『スーパーマン』で主役を演じ、世界的なスターとなる。1995年の乗馬事故で脊髄を損傷し、首から下が不随となるが、その後も俳優・監督として活動し、障害者支援活動に尽力した。「真のヒーロー」として今も尊敬を集める。

ロゼッタ・ストーン
タイトルの由来。エジプトのヒエログリフ解読の鍵となった石碑のこと。劇中では、クリプトン語を解読するための「鍵」をスワン博士が持っていたことから、このタイトルが付けられた。

カワッチ族の洞窟
スモールビルの地下に広がる先住民カワッチ族の洞窟。壁画には、空から落ちてきた「ナマン(救世主)」の伝説が描かれており、それがクラークの到来を予言しているとされる。シーズン2以降の重要な舞台となる。

関連資料

DVD『ヤング・スーパーマン シーズン2』
本エピソードを収録。特典映像としてクリストファー・リーヴ出演の裏話などが語られている場合があり、ファン必携。

自伝『車椅子のヒーロー―あの名優クリストファー・リーブ自伝』
事故後の苦悩から、再び生きる希望を見出すまでの壮絶な手記。スワン博士を演じた時の彼の精神状態を知る上で貴重な資料。

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