【涙腺崩壊】『ヤング・スーパーマン』シリーズ最大の悲劇「父への別れ」を徹底解説!通算100話目でクラークが支払った“運命の代償”とは?
第5シーズン第12話「父への別れ(Reckoning)」の概要
全217話ある『ヤング・スーパーマン』の中で、最も衝撃的で、最も多くのファンが涙したエピソードといえば、間違いなく第5シーズン第12話「父への別れ(原題:Reckoning)」です。
シリーズ通算100話目を記念して制作されたこの回は、クラークの人生を永遠に変えてしまう決定的な転換点となりました。
愛する人への秘密の告白、幸せなプロポーズ、そして時間を巻き戻す禁断の決断……。
「一つの命を救えば、別の命が失われる」という宇宙の冷酷なルール(命のバランス)の前に、クラークは最愛の養父ジョナサン・ケントを失うことになります。
本記事では、幸福の絶頂から絶望の淵へと突き落とされるドラマチックな展開と、ジョナサンが最後に遺したメッセージ、そしてクラークが背負った十字架の意味について徹底解説します。
詳細:あまりに残酷な運命と選択
前半:夢に見た「秘密の告白」とプロポーズ
物語は、これ以上ないほど幸せな雰囲気で幕を開けます。
クラークはついに決心し、ラナを「孤独の要塞(北極にある秘密基地)」へ連れて行きます。そこで自らの出自と超能力の全てを明かし、さらにクリプトンのダイヤモンドで作った指輪を渡してプロポーズします。
長年の嘘や隠し事がなくなり、ラナも彼の愛を受け入れます。視聴者が5年間待ち望んだ、クラークとラナが真の意味で結ばれる「完璧なハッピーエンド」が描かれます。
中盤:ラナの死と禁断の「時間の逆行」
しかし、幸せは長く続きません。ラナはレックス・ルーサーとのトラブルに巻き込まれ、カーチェイスの末に交通事故を起こし、クラークの腕の中で息を引き取ります。
絶望したクラークは、実の父ジョル=エルに懇願します。「彼女を救ってくれ!」
ジョル=エルは警告します。「時間を戻すことはできるが、宇宙にはバランスがある。運命を変えれば、代わりに愛する誰かの命が奪われることになるだろう」。
それでもクラークは、ラナを救うために「クリスタル」を使って時間を巻き戻すことを選びます。
後半:回避できない死と、父ジョナサンの最期
時間が事故の前に戻り、クラークは再び選択を迫られます。しかし今度は、ラナを守るために「秘密を明かさない(プロポーズしない)」という選択をしてしまいます。
その結果、歴史が書き換わり、ラナは事故に遭いませんでした。しかし、運命の歯車は別のターゲットへと向かいます。
上院議員選挙に立候補し、当選確実となっていた父ジョナサン・ケント。彼はライオネル・ルーサーからクラークの秘密に関する脅迫を受け、激昂して殴り合いになります。
ライオネルを追い払った直後、ジョナサンは心臓発作を起こし、そのまま帰らぬ人となります。農場の雪景色の中、泣き叫ぶクラークとマーサの姿は、シリーズ屈指の悲劇的なシーンとしてファンの脳裏に焼き付いています。
なぜジョナサンは死ななければならなかったのか?
メタ的な視点で見れば、ジョナサン・ケントの死は、クラークが「少年」から「大人(そしてスーパーマン)」になるための通過儀礼でした。
いつまでも父に守られている状態では、クラークは真の自立ができません。厳格で道徳的だった父の教えを胸に、今度は自分が誰かを守る側になる。その覚悟を決めさせるための、あまりに重い代償だったのです。
ジョナサン役のジョン・シュナイダーの降板は惜しまれましたが、彼の存在感は最終回までクラークの精神的支柱として残り続けました。
見どころ:トム・ウェリングの演技
前半の「秘密を明かして晴れやかな笑顔」から、後半の「父を失った絶望の表情」まで、トム・ウェリングの演技の振れ幅が凄まじいです。特に葬儀のシーンで、雪が降りしきる中、言葉もなく立ち尽くす姿は、クラークの孤独と後悔を痛いほど伝えています。
参考動画
まとめ
第100話「父への別れ」は、『ヤング・スーパーマン』が単なる青春ドラマから、過酷な運命を背負うヒーローの物語へとシフトした瞬間でした。
「自分の選択が、最愛の父を殺してしまったかもしれない」という罪悪感は、以降のクラークの人格形成に暗い影を落とします。しかし、ジョナサンが最期までクラークを守ろうとした事実こそが、彼が地球を守る理由(動機)となっていくのです。
ハンカチ無しでは見られないこのエピソードは、スーパーマンというヒーローの「強さ」が、悲しみの上に成り立っていることを教えてくれます。
関連トピック
孤独の要塞(Fortress of Solitude)
北極にあるクリプトンの遺産。クラークがジョル=エル(実父の意識)と対話したり、クリプトンの知識を学ぶ場所。このエピソードでは、初めてラナをここに招き入れました。
ライオネル・ルーサー
レックスの父。冷酷な実業家ですが、この時期からクラークの秘密を知り、ジョル=エルの器(依り代)としての役割を果たし始めるなど、物語のキーマンとなります。ジョナサンとの因縁は、このエピソードで決着がつきました。
バタフライ・エフェクト
過去に戻って小さな変化(秘密を話さない)を起こしたことが、未来に巨大な変化(父の死)をもたらすという現象。このエピソードのテーマそのものです。
関連資料
サウンドトラック『Smallville: The Metropolis Mix』
ドラマで使用された楽曲を集めたアルバム。劇中の感動的なシーンを彩ったロックやポップスの名曲が収録されています。
DVD『ヤング・スーパーマン シーズン5』
本エピソードを収録。シーズン5は「要塞の建設」「ブレイニアックの登場」「父の死」と重要イベントが目白押しで、シリーズ全体のピークとも言われています。

