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【新章突入】『スペース1999』第2シーズン第1話「変身!宇宙の異星人マヤ」徹底解説!作品の運命を変えた美しき異星人の登場

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【新章突入】『スペース1999』第2シーズン第1話「変身!宇宙の異星人マヤ」徹底解説!作品の運命を変えた美しき異星人の登場

『スペース1999』第2シーズン第1話「変身!宇宙の異星人マヤ」の概要

重厚な哲学SFとしてカルト的な人気を博した『スペース1999』第1シーズンから一転、1976年に放送が開始された第2シーズン(Year Two)は、番組のスタイルを根本から覆す劇的なリニューアルが行われました。

その幕開けとなる第1話「変身!宇宙の異星人マヤ(原題:The Metamorph)」は、新レギュラーキャラクター「マヤ」の登場と、よりアクションとエンターテインメント性を重視した新路線の象徴として、ファンの間で賛否両論を巻き起こしつつも愛され続ける重要なエピソードです。

第1シーズンの知的支柱であったバーグマン教授が姿を消し、代わりに登場したのは、あらゆる生物に変身できる能力を持つ異星人の美女でした。
カラフルになった衣装、地下に移動した指令センター、そしてテンポアップしたストーリー展開。

本記事では、シリーズの運命を決定づけた第2シーズン第1話のあらすじ、新ヒロイン・マヤの魅力、そして舞台裏で行われた「番組改造」の真実について徹底解説します。

第2シーズン第1話「変身!宇宙の異星人マヤ」の詳細解説

物語の舞台:死の星サイコンと独裁者メンター

ムーンベース・アルファは、火山活動が活発で荒廃した惑星「サイコン」に接近します。
惑星からの通信に応答したのは、サイコンの科学者であり指導者のメンター(ブライアン・ブレスド)でした。

彼は友好的な態度でコーニッグ司令官(マーティン・ランドー)らを招待し、アルファの隊員たちに居住可能な土地を提供できると持ちかけます。
しかし、それは罠でした。

かつて高度な文明を誇ったサイコンは、過度な科学技術の乱用により環境が破壊され、死の星と化していました。
メンターは、惑星を再生させるための生体コンピュータ「サイキ(Psyche)」を建造していましたが、それを稼働させるには、知的生命体の精神エネルギー(生体エネルギー)を抽出して燃料にする必要があったのです。
メンターの狙いは、アルファの全隊員300名の「魂」を奪い、サイキの糧にすることでした。

新ヒロイン・マヤの登場と葛藤

このエピソードの最大の見どころは、メンターの娘であり、後にアルファの科学担当士官となる「マヤ(カトリーヌ・シェル)」の登場です。
彼女はサイコン人の特殊能力である「分子変換能力」を持ち、ライオンやゴリラ、猛禽類、さらには岩石などの無機物に至るまで、分子構造を組み替えてあらゆる姿に変身することができます。

当初、マヤは父メンターを偉大な科学者として尊敬し、彼がアルファの隊員たちを平和的に受け入れると信じていました。
しかし、地下の採掘場で奴隷のように扱われる異星人たちや、精神を抜かれて廃人となったパイロットの姿を目の当たりにし、父の恐ろしい本性を知ることになります。
「愛する父への忠誠」と「正義への意志」の間で揺れ動くマヤのドラマは、アクション重視になった第2シーズンの中でも、際立ってエモーショナルな輝きを放っています。

変身能力のスペクタクル

第2シーズンの方針である「モンスターとアクション」を体現するように、本話ではマヤの変身シーンがふんだんに盛り込まれています。
アルファの隊員を襲う獰猛な動物に変身したかと思えば、檻から脱出するために小動物に変わるなど、特撮と着ぐるみを駆使した変身描写は当時の子供たちを大いにワクワクさせました。

特に、クライマックスで父メンターを止めるために様々な姿へ変身しながら基地内を駆け抜けるシーンは圧巻です。
演じるカトリーヌ・シェルのエキゾチックな美貌と、特徴的なメイク(眉毛の点々など)は、SFヒロインとしてのアイコン性を確立しました。

番組リニューアルの背景:アメリカ市場への挑戦

この第1話を見て、第1シーズンとの雰囲気の違いに驚く視聴者も多いでしょう。
これには制作背景の大きな変化があります。
アメリカでの放送継続と商業的成功を目指すため、プロデューサーに『スタートレック』などを手掛けたフレッド・フライバーガーが招聘されました。

彼は「第1シーズンは哲学的すぎて退屈だ」と判断し、以下の大改革を断行しました。

  1. キャラクターの入れ替え: 知的な老人枠だったバーグマン教授を降板させ、代わりに異星人のマヤと、陽気なイタリア系のトニー・ベルデスキ(トニー・アンホルト)を副官として配置。
  2. セットと衣装の一新: 司令室(メイン・ミッション)をより狭く緊密な「コマンド・センター」へ変更し、衣装もベージュ一色から、赤やジャケットを取り入れたカラフルなものへ変更。
  3. モンスター路線の強化: 毎回のように怪獣や奇妙な宇宙人が登場するエンタメ路線へシフト。

この第1話は、それら全ての変更点を視聴者に提示し、「新しいスペース1999が始まった」と高らかに宣言するパイロット版のような役割を果たしていたのです。

悲劇の結末と新たな仲間

コーニッグの反撃により、生体コンピュータ「サイキ」は破壊されます。
エネルギーを失ったサイコン星は崩壊を始め、メンターは自らの野望と共に炎の中に消えます。

故郷と父を同時に失ったマヤを、コーニッグたちは「アルファの一員」として迎え入れます。
「宇宙の孤児」である地球人と、最後の生き残りとなった異星人。
孤独な者同士が手を取り合い、再び宇宙の放浪へと旅立つラストシーンは、シリーズ共通のテーマである「連帯」を強く印象付けます。

『スペース1999』第2シーズン 参考動画

第2シーズン第1話のまとめ

第2シーズン第1話「変身!宇宙の異星人マヤ」は、『スペース1999』という作品が「重厚なSF」から「キャラクター主導のスペース・オペラ」へと脱皮を図った転換点です。

古くからのファンには賛否がありましたが、マヤという魅力的なキャラクターの加入が、番組に新たな色彩とダイナミズムをもたらしたことは間違いありません。
特に、カトリーヌ・シェルが見せる知性と野性味を兼ね備えた演技は、このシリーズを語る上で欠かせない要素となりました。

もし第1シーズンの難解さで視聴を止めてしまった方がいれば、ぜひこの第2シーズンから見直してみてください。全く異なる、スリルと興奮に満ちた宇宙の旅があなたを待っています。

関連トピック

マヤ(Maya):惑星サイコン出身の科学者。第2シーズンからのレギュラー。変身能力だけでなく、優れた科学知識と計算能力でアルファの危機を度々救うスーパーヒロイン。

カトリーヌ・シェル:マヤを演じた女優。『007 女王陛下の007』や『ピンク・パンサー』シリーズにも出演した国際派女優。

惑星サイコン:高度な科学力を持つが、滅びゆく惑星。有機的なデザインの地下基地や、生体コンピュータの設定が不気味さを醸し出す。

フレッド・フライバーガー:第2シーズンのプロデューサー。番組をアクション路線へ変更した立役者だが、第1シーズンのファンからは「番組を壊した」と批判されることも多い毀誉褒貶の激しい人物。

関連資料

Blu-ray『スペース1999 2nd Season コレクターズ・ボックス』:鮮やかな色彩設計が施された第2シーズンの映像美を高画質で楽しめる。

書籍『Space: 1999 – The Year Two Viewers Guide』:第2シーズンの全エピソードガイドや制作の裏側、マヤの変身リストなどが掲載されたファンブック(洋書)。

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