【決定版】『宇宙大作戦』(スタートレック)の神回はこれだ！初心者もファンも必見の人気エピソード徹底ガイド

『宇宙大作戦』の概要
『宇宙大作戦』詳細：絶対に見逃せない神回5選
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『宇宙大作戦』の概要

SFテレビドラマの金字塔『宇宙大作戦（原題：Star Trek: The Original Series）』は、1966年の放送開始以来、半世紀以上にわたって世界中のファンを魅了し続けています。カーク船長、スポック、マッコイの「ビッグ・スリー」が織りなす人間ドラマと、社会風刺を含んだ深遠なストーリーは、現代においても全く色褪せることがありません。

全79話（パイロット版含む）の中から、ヒューゴー賞を受賞した傑作や、後の劇場版につながる重要回、そしてファン人気の高いコミカルなエピソードまで、特に評価の高い「神回」を厳選してご紹介します。これから観る初心者の方も、もう一度見返したい往年のファンの方も必見のラインナップです。

『宇宙大作戦』詳細：絶対に見逃せない神回5選

SFドラマの原点にして頂点！なぜ『宇宙大作戦』は愛されるのか

『宇宙大作戦』は、ジーン・ロッデンベリーが「宇宙西部劇」として構想し、人種、国籍、地球上の対立を乗り越えた未来の人類を描いた画期的な作品です。単なるアクション活劇ではなく、当時のアメリカが抱えていた人種差別、冷戦、ベトナム戦争といった社会問題を、SFというオブラートに包んで鋭く描いた点が高く評価されています。

特に、論理的なスポック（バルカン人）と感情的なマッコイ（人間）、そしてその二人のバランスを取る決断の人カークというキャラクター配置は、後の多くのドラマの模範となりました。

1. 『危険な過去への旅』（The City on the Edge of Forever）

シーズン1 第28話 / 脚本：ハーラン・エリスン

多くの批評家やファンが「シリーズ最高傑作」に挙げるエピソードです。SF界の権威であるヒューゴー賞最優秀映像作品賞を受賞しました。

物語は、錯乱したマッコイが過去の地球（1930年代の大恐慌時代）へ逃げ込み、歴史を変えてしまったことから始まります。カークとスポックは彼を追って過去へ飛びますが、そこでカークは平和運動家の女性エディス・キーラーと出会い、深く愛し合うようになります。しかし、スポックは「彼女が生き延びるとナチス・ドイツが戦争に勝利し、未来が消滅する」という残酷な歴史の分岐点を発見します。

愛する人を救うか、本来の歴史（人類の未来）を守るか。カークに突きつけられた究極の選択と、ラストシーンの悲哀に満ちた表情は、涙なしには見られません。SFにおける「タイムトラベル物」の金字塔です。

2. 『宇宙の帝王』（Space Seed）

シーズン1 第22話

傑作映画『スタートレックII カーンの逆襲』の前日譚となる極めて重要なエピソードです。エンタープライズ号は、20世紀末の「優生戦争」時代に地球を脱出した冬眠船を発見します。そこで眠っていたのは、遺伝子操作によって強化された超人カーン・ヌニエン・シンでした。

カーンは目覚めるやいなや、その優れた知能と怪力でエンタープライズの乗っ取りを画策します。カーク船長とカーン、二人のリーダーによる知略と肉体のぶつかり合いが見どころです。優生思想の危険性を問いかけつつ、魅力的な悪役（ヴィラン）を描ききった傑作として知られます。

3. 『新種クアドトリティケール』（The Trouble with Tribbles）

シーズン2 第15話

シリアスな話が多い『宇宙大作戦』の中で、最も人気のあるコメディ回です。邦題は少し硬いですが、ファンからは愛称である「トリブル」のエピソードとして親しまれています。

宇宙ステーションK-7を訪れたエンタープライズ号。そこでウフーラが手に入れた小さくて毛むくじゃらの愛らしい生物「トリブル」は、なでると心地よい声を出し、人々の心を癒やします。しかし、彼らは食べた分だけ子供を生むという驚異的な繁殖力を持っていました。あっという間に船内を埋め尽くすトリブルたちと、宿敵クリンゴン人との乱闘騒ぎが絡み合い、抱腹絶倒の騒動が巻き起こります。カークがトリブルに埋もれるシーンは、シリーズ屈指の名場面です。

4. 『イオン嵐の恐怖』（Mirror, Mirror）

シーズン2 第4話

「パラレルワールド（鏡像宇宙）」という概念を広く定着させたエピソードです。転送装置のトラブルにより、カークたちは性格が正反対の「野蛮で暴力的な帝国」が支配する並行宇宙へ飛ばされてしまいます。

そこでは、仲間同士が昇進のために暗殺し合い、スポックさえも冷酷な副長として君臨しています（この世界のスポックはあご髭を生やしており、これが「悪の並行世界の住人は髭がある」というパロディの元ネタになりました）。元の世界へ戻ろうとするカークたちが、残虐な自身の「鏡像」たちを相手にどう立ち回るのか。緊張感あふれる展開と、善と悪の対比が見事な一作です。

5. 『宇宙基地SOS』（Balance of Terror）

シーズン1 第14話

潜水艦映画の名作『眼下の敵』をモチーフにしたと言われる、緊迫の追撃戦を描いたエピソードです。これまで姿を見せなかった謎の敵「ロミュラン人」が初めて登場します。

姿を消すことができる遮蔽装置（クローキング・デバイス）を持つロミュラン船と、エンタープライズ号との静かなる心理戦が展開されます。ロミュラン人の外見がスポック（バルカン人）と酷似していたことから、船内でスポックへの差別疑惑が生まれるなど、人種的偏見というテーマにも切り込んでいます。敵の艦長に対するカークの敬意と、戦争の虚しさが描かれたハードな名作です。