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【神回】宇宙大作戦『新種クアドトリティケール』徹底解説!トリブル増殖の爆笑コメディと愛される理由

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【神回】宇宙大作戦『新種クアドトリティケール』徹底解説!トリブル増殖の爆笑コメディと愛される理由

「新種クアドトリティケール」の概要

SFドラマの金字塔『宇宙大作戦(スタートレック)』において、最も愛されているコメディ回といえば、シーズン2第15話「新種クアドトリティケール(原題:The Trouble with Tribbles)」で間違いありません。このエピソードは、シリアスな展開が多い本シリーズの中で、全編にわたってユーモアとウィットに富んだ異色作です。

物語の鍵を握るのは、毛むくじゃらで愛らしい謎の生物「トリブル」。彼らが驚異的な繁殖力でエンタープライズ号を埋め尽くしてしまう騒動を描きます。宿敵クリンゴン人との小競り合い、スコッティの意外な武勇伝、そしてカーク船長が大量のトリブルに埋もれる伝説的なシーンなど、見どころ満載の「神回」をあらすじから裏話まで徹底解説します。

「新種クアドトリティケール」詳細解説

あらすじ:平和な宇宙ステーションに忍び寄る「毛玉」の脅威

エンタープライズ号は、連邦とクリンゴン帝国の境界近くにある深宇宙ステーション「K-7」からの緊急救難信号を受信します。急行したカーク船長たちが見たのは、攻撃を受けているステーションではなく、ただの事務的な依頼でした。ステーション管理者のバーリスは、係争地である「シャーマン惑星」の開発に不可欠な新品種の穀物「クアドトリティケール」の警備を要請したのです。

「ただの小麦の番犬」扱いに不満を抱くカークでしたが、時を同じくして、休暇を楽しむためにクリンゴン船のコロス船長一行もステーションに到着し、一触即発の空気が流れます。

そんな中、シラノ・ジョーンズという怪しげな行商人が持ち込んだのが、美しく柔らかな毛並みを持つ小動物「トリブル」でした。トリブルは餌を与えると心地よい声を上げてなつき、人々のストレスを癒やす不思議な力を持っていました。ウフーラがこれを気に入り船に持ち込んだことから、前代未聞の騒動が幕を開けます。

トリブルの生態:可愛すぎる侵略者

トリブルは目も鼻も手足もない、ただの丸い毛玉のような生物です。しかし、彼らにはとんでもない特性がありました。「生まれた時から妊娠している」と言われるほどの驚異的な繁殖力です。彼らは食べた分だけ子供を産み、ねずみ算式ならぬ「トリブル算式」で増殖します。

当初は愛玩動物として船員に可愛がられていたトリブルですが、またたく間に船内のあらゆる通気口、機械室、そして食堂を占拠。カークのコーヒーカップの中からさえ顔を出す始末です。

一方で、トリブルは「クリンゴン人を激しく嫌う」という特性も持っていました。クリンゴン人が近づくと、あの癒やしの鳴き声が一変し、激しく威嚇音を発するのです。この習性が、後に事件解決の重要な鍵となります。

伝説の酒場での乱闘とスコッティのプライド

本エピソードのハイライトの一つが、ステーションの食堂での乱闘騒ぎです。クリンゴン人がエンタープライズ号のクルーを挑発し始めます。「カーク船長は無能だ」と言われても耐えていた機関主任のスコッティでしたが、クリンゴン人が「エンタープライズ号はゴミ運搬船のようだ」と船を侮辱した瞬間、我慢の限界を超えて殴りかかります。

船への愛と誇りが強すぎるスコッティらしいこのエピソードは、ファンの間で長く語り草となっています。後の報告シーンで、カークに「私が侮辱されたから殴ったのか?」と聞かれ、気まずそうに否定するやり取りも秀逸なコメディシーンです。

クライマックス:カーク、トリブルに埋もれる

事件の結末は、保管されていた重要穀物「クアドトリティケール」の倉庫で迎えます。カークが倉庫の扉を開けた瞬間、天井まで積み上げられていた穀物の代わりに、雪崩のように降り注いできたのは無数のトリブルたちでした。カークがトリブルの山に埋もれて呆然とするこのシーンは、スタートレック全シリーズを通じても最も有名なビジュアルの一つです。

実は、トリブルたちは倉庫に侵入して穀物を食べ尽くしてしまっていたのです。しかし、食べたトリブルの多くが死んでいることに気付いたマッコイの検死により、穀物に毒が混入されていたことが発覚。トリブルがクリンゴン人を威嚇する習性を利用して、ステーション内に潜んでいたクリンゴンのスパイ(毒を盛った犯人)を見事に暴き出します。

後世への影響とDS9での続編

このエピソードの人気は凄まじく、後のシリーズ『スタートレック:ディープ・スペース・ナイン(DS9)』では、トリブル登場30周年を記念して「伝説の時空へ(Trials and Tribble-ations)」という続編エピソードが制作されました。これは、DS9のシスコ艦長たちがタイムスリップして、この「新種クアドトリティケール」の映像の中にデジタル合成で入り込むという夢のような企画です。

カークがトリブルに埋もれる裏側で、実は未来から来たシスコたちが奔走していた…というメタフィクション的な構成は、ファンを大いに喜ばせました。

「新種クアドトリティケール」参考動画

まとめ

「新種クアドトリティケール」は、SF的なギミック(異常増殖)を使いながらも、基本は上質なシチュエーション・コメディとして完成されています。カークの困惑顔、スポックのドライなツッコミ、マッコイの皮肉、そしてスコッティの船への愛。キャラクターそれぞれの魅力が、トラブルを通じて生き生きと描かれています。

「SFは難しそう」と敬遠している人にも、「まずはこの一話を見てほしい」と自信を持っておすすめできる、明るく楽しい傑作です。見終わった後、きっとあなたも「トリブルを一匹飼ってみたい(でも一匹だけにしたい)」と思うことでしょう。

関連トピック

トリブル(Tribbles)

心地よい鳴き声を発するが、爆発的に繁殖する小型生物。クリンゴン人を嫌う。

クリンゴン帝国

惑星連邦と敵対関係にある好戦的な種族。本エピソードではコロス船長が登場。

ディープ・スペース・ナイン(DS9)

スタートレックの第3シリーズ。トリブル追悼エピソード「伝説の時空へ」を制作。

クアドトリティケール

ライ麦と小麦を掛け合わせた「トリティケール」を4倍体にした架空の穀物。

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