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【ファン感涙】『スタートレック:DS9』神回「伝説の時空へ」徹底解説!カーク船長との共演とトリブル騒動の裏側

SF
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【ファン感涙】『スタートレック:DS9』神回「伝説の時空へ」徹底解説!カーク船長との共演とトリブル騒動の裏側

「伝説の時空へ(Trials and Tribble-ations)」の概要

『スタートレック』シリーズ放送開始30周年を記念して制作された『ディープ・スペース・ナイン(DS9)』第5シーズン第6話「伝説の時空へ(原題:Trials and Tribble-ations)」。
このエピソードは、単なるタイムスリップものではありません。最新のデジタル合成技術(当時)を駆使し、DS9のクルーたちが、1967年に放送された初代シリーズ『宇宙大作戦(TOS)』の名エピソード「新種クアドトリティケール(The Trouble with Tribbles)」の映像の中に紛れ込むという、前代未聞のクロスオーバー作品です。

カーク船長と同じ画面にシスコ司令官が立ち、スポックの横でバシアが働く……。
本記事では、シリーズの垣根を超えたこの「夢の共演」がいかにして作られたのか、その驚くべき撮影技術と、ファンをニヤリとさせる小ネタの数々、そして「なぜクリンゴン人の顔が変わったのか」という最大の謎への回答(?)まで徹底解説します。

詳細:トリブルの山と映像マジック

あらすじ:トリブル騒動の「裏側」で起きていたこと

物語は、連邦情報局の捜査官がシスコ司令官を尋問するところから始まります。シスコたちは、ある時間を遡り、歴史を変えてしまった容疑をかけられているのです。
事の発端は、かつてカーク船長に正体を暴かれ、不遇の人生を送ったクリンゴン人のスパイ、アーン・ダーヴィンが、復讐のために時間を遡ったことでした。彼が向かった先は、100年前の宇宙ステーション「K-7」。そこはまさに、あの伝説の「トリブル(毛玉のような繁殖生物)」騒動が起きようとしている場所でした。
シスコたちはダーヴィンによるカーク船長暗殺を阻止するため、当時の制服に着替え、歴史に干渉しないように当時のクルーに紛れ込みます。

驚異の映像マジック:フォレスト・ガンプ方式

このエピソードの最大の見どころは、1960年代のフィルム映像と、1990年代の俳優たちの違和感のない合成です。
映画『フォレスト・ガンプ』で使われた技術を応用し、DS9の俳優たちを当時のセットや映像の中に巧みに配置しました。

  • エンタープライズのブリッジ: セットを忠実に再現し、シスコたちが違和感なく座っています。
  • カークとの会話: シスコがカークに報告書を渡すラストシーンは、編集の妙技により、まるで二人が会話しているかのように見えます。
  • 有名な乱闘シーン: ステーションのバーでのクリンゴン人との乱闘シーンに、オブライエンとバシアが参加し、当時のアクションに合わせて殴り合いを演じています。

最大の謎:クリンゴン人の見た目の変化

『宇宙大作戦(TOS)』時代のクリンゴン人は、今のシリーズ(TNGやDS9)のような「額の隆起」がなく、人間に近い外見をしていました(当時は予算がなかったため)。
劇中、当時のクリンゴン人を見たバシアたちは、仲間のウォーフ(額が隆起している)に「彼らは本当にクリンゴン人か?」と尋ねます。
これに対し、ウォーフが返したセリフは、スタートレック史上最も有名なメタ・ジョークの一つとなりました。

そのことについては部外者には話さん(We do not discuss it with outsiders.)

この一言で、長年の「メイク変更の矛盾」をユーモアたっぷりに回避しました。(※なお、この理由は後に『スタートレック:エンタープライズ』で遺伝子操作ウイルスの影響として正式に設定化されました)。

愛すべき小ネタの数々

制服の色: 科学士官であるジャッジア・ダックスは、当時のミニスカートの制服に大喜びしますが、バシアとオブライエンは「色が違う(当時は指揮官が金、技術・保安が赤)」ことに戸惑います。
トリブル: 画面を埋め尽くす大量のトリブルの中に、DS9の主要キャラが埋もれているシーンは爆笑必至です。
トリコーダー: 当時のレトロな機材を見て「医療キットですか?」「いいえ、トリコーダーです」というジェネレーションギャップの会話も楽しめます。

シスコの敬意

普段は威厳あるシスコ司令官も、伝説のカーク船長やエンタープライズ号を前にして、一人の「宇宙艦隊ファン」のような表情を見せます。
ラストシーンで、カーク船長に「任務完了」を報告し、サインをもらうかのように嬉しそうにするシスコの姿は、制作スタッフと視聴者の気持ちを代弁しているかのようです。

参考動画

まとめ

「伝説の時空へ」は、単なるパロディや懐古趣味にとどまらず、オリジナルシリーズへの深い敬意と愛に溢れた傑作エピソードです。
シリアスで重厚なストーリーが多いDS9において、この回は底抜けに明るく、楽しい「お祭り」のような作品です。
『宇宙大作戦』を知っている人はもちろん、知らない人でも「レトロフューチャーな世界に現代人が紛れ込むコメディ」として十分に楽しめます。30年の歴史が生んだ、奇跡の同窓会をぜひ体験してください。

関連トピック

新種クアドトリティケール(The Trouble with Tribbles)
『宇宙大作戦(TOS)』の原典エピソード。トリブルが幾何級数的に繁殖し、ステーション中を埋め尽くすコメディ回。本作を見る前にこちらを見ておくと、面白さが倍増します。

アーン・ダーヴィン
TOSでカークに正体を暴かれたクリンゴン人。DS9で再登場した彼は、老人の姿をしていましたが、復讐心だけは衰えていませんでした。

エンタープライズ(NCC-1701)
カーク船長が指揮するコンスティテューション級宇宙船。このエピソードのために、当時の模型を詳細に再現したCGモデルが新たに作られました。

関連資料

DVD『スタートレック:ディープ・スペース・ナイン シーズン5』
本エピソードを収録。特典映像には、どのように合成撮影が行われたかのメイキングも含まれており、技術的な裏側を知ることができます。

書籍『スタートレック エンサイクロペディア』
トリブルの生態や、クリンゴン人の変貌の歴史など、劇中の設定を深く知るための公式百科事典。

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