【保存版】『スタートレック:エンタープライズ』絶対に観るべき「神回」ベストセレクション!不遇の名作を再評価
不遇の名作『スタートレック:エンタープライズ』の人気エピソード:概要
『スタートレック:エンタープライズ(Star Trek: Enterprise / ENT)』は、2001年から2005年にかけて放送されたSFドラマシリーズです。
シリーズ第5作目にあたる本作ですが、時系列としては最も古く、伝説のカーク船長やスポックが活躍する「宇宙大作戦(TOS)」の約100年前、人類が初めて「ワープ5」のエンジンを開発し、深宇宙へ飛び出した「最初の一歩」を描いています。
放送当時は「既存のスタートレックらしくない」という批判もあり、シーズン4で打ち切られるという不遇の道を辿りましたが、近年、動画配信サービスの普及とともに「実は最高傑作ではないか?」「人間臭くて面白い」と再評価が急速に進んでいます。
完成されたテクノロジーがない不便さ、手探りの外交、そして未熟な人類が「惑星連邦」を築き上げるまでの苦難の道のり。
本記事では、そんな『エンタープライズ』の中から、ファンが選ぶ屈指の人気エピソード(神回)を厳選し、その魅力を徹底解説します。
初めて観る方も、久しぶりに見返す方も、このガイドを読めばNX-01の旅をより深く楽しめるはずです。
エンタープライズ(ENT)のおすすめ「神回」:詳細
1. シーズン4 第18・19話「暗黒の地球帝国(In a Mirror, Darkly)」
〜シリーズ屈指の異色作にして最高傑作〜
多くのファンが「エンタープライズの最高傑作」として挙げるのがこの2部作です。
スタートレック名物である「鏡像世界(ミラー・ユニバース)」を描いたエピソードですが、特筆すべきはその徹底ぶりです。
なんと、オープニング映像からテーマ曲までもが「帝国仕様」に変更され、主人公であるアーチャー船長たちが、残忍で野心的な「悪役」として描かれます。
さらに、映画『ファースト・コンタクト』や『宇宙大作戦(TOS)』のエピソード「異次元空間の恐怖(The Tholian Web)」と密接にリンクしており、TOS時代の宇宙船「デファイアント号」が登場するなど、旧作ファンへのサービス精神が爆発しています。
野望と裏切りが渦巻く展開は、一本の映画のような完成度を誇ります。
2. シーズン3 第10話「類似(Similitude)」
〜倫理と友情の狭間で揺れる、涙なしには観られない名作〜
エンタープライズの魅力の一つは、トリップ(タッカー中佐)とアーチャー船長、そしてトゥポルの深い絆です。
本エピソードでは、機関長トリップが瀕死の重傷を負い、彼を救うために船医のフロックスが、トリップの「クローン(シム)」を作り出すという禁断の決断を下します。
しかし、クローンであるシムにも記憶があり、感情が芽生え、トゥポルへの愛まで抱き始めます。
オリジナルを救うためにクローンの命を犠牲にしても良いのか?
SFならではの極限状態における倫理的ジレンマ(トロッコ問題)を突きつけられる、シリーズで最も切なく、美しいエピソードです。
3. シーズン2 第23話「覚醒する恐怖(Regeneration)」
〜あの最強の敵「ボーグ」の起源に迫る〜
『新スタートレック(TNG)』や『ヴォイジャー』でお馴染みの最強の敵「ボーグ」が、なぜか22世紀に登場するエピソードです。
映画『ファースト・コンタクト』で過去の地球に墜落したボーグの残骸が北極で発見され、研究者たちを取り込んで蘇ります。
まだフェイザー銃も未発達な22世紀の人類が、適応能力を持つ無敵のボーグにどう立ち向かうのか?
そして、この事件がどのようにして後のシリーズ(TNGの「Qによる出会い」)に繋がっていくのか。
見事なタイムパラドックスの伏線回収に、鳥肌が立つこと間違いなしです。
4. シーズン1 第7話「アンドリアの悲劇(The Andorian Incident)」
〜宿敵から盟友へ、シュランとの出会い〜
エンタープライズを語る上で欠かせないのが、青い肌と触角を持つ戦闘種族「アンドリア人」のシュラン(ジェフリー・コムズ)です。
当初、バルカン人と敵対していたアンドリア人は、アーチャーたちとも衝突します。
しかし、アーチャーの公正な態度に触れ、シュランとの間に奇妙な友情と信頼関係が芽生えていきます。
後の「惑星連邦」設立において、かつての敵同士が手を取り合うプロセスの原点となるエピソードであり、スタートレックの理念である「多様性と和解」を象徴する物語です。
5. シーズン2 第2話「炭素惑星の奇跡(Carbon Creek)」
〜バルカン人は1950年代の地球にいた?〜
ハードな展開が多い中で、ほっこりとする心温まるエピソードです。
トゥポルが祖母から聞いた話として、「実はスプートニクショック(1957年)の前に、バルカン人の調査船が地球に不時着し、アメリカの田舎町で暮らしていた」という物語が語られます。
感情を抑制するバルカン人が、人間社会に溶け込み、野球を観たり仕事を手伝ったりする様子がユーモラスに描かれます。
「あれは作り話だったのか、真実だったのか」というラストの余韻も含め、SFファンタジーとして非常に質の高い一話です。
6. シーズン4 第20・21話「テラ・プライム(Demons / Terra Prime)」
〜事実上の最終回と名高い感動のフィナーレ〜
公式な最終回は第22話ですが、多くのファンはこの「テラ・プライム」こそが真の最終回だと考えています。
人類至上主義者(排外主義者)によるテロ計画に対し、アーチャーたちが「多様な種族が手を取り合う未来」を守るために演説を行うシーンは、シリーズの集大成です。
そして、アーチャーとトゥポルの間に生まれた「ある命」を巡る物語は、涙なしには語れません。
エンタープライズ号の旅が何のためにあったのか、その答えがここにあります。
スタートレック エンタープライズの参考動画
スタートレック エンタープライズの魅力:まとめ
『スタートレック:エンタープライズ』は、テクノロジーが万能ではない時代だからこそ描ける「知恵と勇気」、そして「種族を超えた友情」が詰まったシリーズです。
初期シーズンの探検のワクワク感、シーズン3の重厚な連続ドラマ(ズィンディ戦争)、そしてシーズン4のスタートレック愛に満ちた前日譚としての答え合わせ。
どのシーズンにも見どころがあり、特に今回ご紹介したエピソードは、SFドラマの歴史に残る傑作ばかりです。
「打ち切り」というレッテルだけで食わず嫌いをするのはあまりにも勿体ない作品です。
ぜひ、アーチャー船長と共に、人類最初の「未知への飛躍(Faith of the Heart)」を体験してみてください。
きっと、観終わった後にはエンタープライズ(NX-01)が一番好きな船になっているはずです。
エンタープライズに関連する主要トピック
ジョナサン・アーチャー – 本作の主人公。「宇宙大作戦」のパイクやカークよりも前の時代に、伝説を作った初代エンタープライズ船長。
時間冷戦(Temporal Cold War) – シリーズ全体を貫く縦軸のストーリー。未来からの干渉によって歴史が改変されるのを防ぐ戦い。
ズィンディ(Xindi) – シーズン3の主要な敵対勢力。5つの異なる種族からなる連合体で、地球破壊を目論む。
NX-01 – 本作の主役艦。ワープ5(光速の約125倍)しか出せないが、無骨で潜水艦のようなデザインが人気。
スタートレック エンタープライズの関連資料
Blu-ray『スター・トレック:エンタープライズ ブルーレイBOX』 – 高画質でNX-01のディテールや宇宙空間の美しさを堪能できる必須アイテム。
書籍『スタートレック 宇宙大作戦 (創元SF文庫)』 – エンタープライズの後の時代を描いたノベライズ。歴史の繋がりを感じられる。
プラモデル『1/1000 エンタープライズ NX-01』 – 劇中のギミックを再現した精密モデル。

