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【感動のフィナーレ】『スタートレック6 未知の世界』徹底解説!冷戦の終結とオリジナル乗組員最後の旅

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【感動のフィナーレ】『スタートレック6 未知の世界』徹底解説!冷戦の終結とオリジナル乗組員最後の旅

【感動のフィナーレ】『スタートレック6 未知の世界』徹底解説!冷戦の終結とオリジナル乗組員最後の旅

『スタートレック6 未知の世界』の概要

1991年に公開された『スタートレック6 未知の世界』(原題:Star Trek VI: The Undiscovered Country)は、映画版シリーズ第6作目であり、ウィリアム・シャトナーらオリジナル・シリーズのキャスト全員が揃って出演する最後の作品です。
本作は、当時の現実世界で起きていた「冷戦の終結」や「チェルノブイリ原発事故」を色濃く反映した社会派SFミステリーとして描かれています。
宿敵クリンゴン帝国がエネルギー爆発事故により滅亡の危機に瀕し、長年の敵であった惑星連邦に和平を求めてくるという衝撃の展開から物語は始まります。
しかし、両陣営には平和を望まないタカ派による巨大な陰謀が渦巻いていました。
監督はシリーズ最高傑作『カーンの逆襲』を手掛けたニコラス・メイヤー。
シェイクスピア劇のような格調高いセリフ回し、手に汗握る法廷劇、そしてミステリー仕立ての展開が、大人の鑑賞に堪える極上のエンターテインメントを生み出しました。
「未知の世界(The Undiscovered Country)」とは、シェイクスピアの『ハムレット』からの引用であり、「死」、転じて本作では「平和という名の未来」を意味しています。
四半世紀にわたるカーク船長たちの旅の締めくくりとして、これ以上ない完璧なラストを飾る名作を徹底解説します。

『スタートレック6 未知の世界』の予告編

『スタートレック6 未知の世界』の詳細(徹底解説)

あらすじと世界観:プラクシスの爆発と和平への道

物語は、クリンゴン帝国の衛星「プラクシス」が大爆発を起こすシーンから始まります。
これはオゾン層の破壊とエネルギー枯渇を招き、クリンゴン帝国はあと50年で滅びる運命となりました。
クリンゴンのゴルコン宰相はプライドを捨て、惑星連邦との和平交渉を決断します。
そのホスト役に任命されたのは、クリンゴンに息子を殺され、彼らを最も憎んでいるカーク提督でした。
「奴らは信用できない」と嫌悪感を露わにしながらも任務に就くカークですが、会食の直後、エンタープライズ号からと思われる魚雷がクリンゴン艦を直撃。
さらに暗殺者が乗り込み、ゴルコン宰相を殺害してしまいます。
濡れ衣を着せられたカークとマッコイは逮捕され、極寒の流刑惑星「ルラ・ペンテ」へと送られてしまいます。

船内ミステリーと「シェイクスピア」の引用

本作の大きな魅力は、「誰が魚雷を発射したのか?」「真犯人は誰か?」という犯人探しのミステリー要素です。
スポックはエンタープライズ号に残された証拠から、船内に裏切り者がいることを突き止め、論理的な推理で真犯人を追い詰めていきます。
また、本作の脚本は意図的にシェイクスピア作品からの引用が多用されています。
特に敵役のチャン将軍は、「生きるべきか、死ぬべきか(To be, or not to be)」をはじめとする名台詞を、原文(英語)あるいは「オリジナルのクリンゴン語」で朗々と語りながら攻撃を仕掛けてきます。
古典文学の重厚さとSFアクションが融合した、ニコラス・メイヤー監督ならではの知的な演出が見どころです。

世代交代とエクセルシオール号の活躍

本作では、かつての操舵士スールー(ミスター加藤)が、新鋭艦「USSエクセルシオール」の艦長として登場します。
冒頭の爆発遭遇シーンや、クライマックスでカークの窮地に駆けつけるシーンなど、一人の指揮官として立派に成長した彼の姿は、シリーズの時間の経過と世代交代を象徴しています。
また、スポックの弟子であるヴァレリス大尉(キム・キャトラル)など、次世代のキャラクターが物語の鍵を握る点も重要です。

伝説のラストシーン

すべての陰謀を阻止し、平和会議を成功させた後、スターフリートから帰還命令が出ますが、カークはこれを無視して「二番目の星を右へ、あとは朝まで真っ直ぐ(ピーター・パンの引用)」と進路を取ります。
そしてエンドロールでは、キャストのサインがスクリーンに書き込まれるという、映画史に残る粋な演出がなされました。
これは、25年間キャラクターを愛してくれたファンへの、俳優たちからの感謝のメッセージでもあります。

制作秘話・トリビア

  • クリスチャン・スレーターのカメオ出演:当時人気絶頂だった俳優クリスチャン・スレーターが、「エクセルシオールの通信士官」役でカメオ出演しています。彼は大のトレッキー(ファン)であり、母親がキャスティング担当だったため出演が実現しました。
  • ウォーフの祖父:弁護人としてカークたちを弁護するウォーフ大佐を演じているのは、次作ドラマ『新スタートレック(TNG)』でウォーフを演じているマイケル・ドーン本人です。彼は自身の祖父を演じています。
  • セットの流用:予算削減のため、多くのセット(食堂や機関室など)は同時期に放送されていた『新スタートレック』のセットを改修して使用されました。

『スタートレック6 未知の世界』のキャストとキャラクター紹介

  • ジェームズ・T・カーク:ウィリアム・シャトナー/矢島正明

    これまでの冒険で培った偏見(クリンゴンへの憎しみ)を乗り越えることが、彼にとっての「最後の旅」となります。
    「人は変われるのか」という問いに対し、自らの行動で答えを示しました。

  • スポック:レナード・ニモイ/菅生隆之(新録版)

    ゴルコン宰相との交渉を主導した責任を感じ、カーク救出のために奔走します。
    シャーロック・ホームズの祖先を持つという設定(暗示)通り、名探偵ぶりを発揮します。

  • レナード・マッコイ:ディフォレスト・ケリー/小島敏彦(新録版)

    医師としての職務を果たそうとして逮捕されてしまいます。
    流刑地でもカークの良き相談相手となり、ユーモアと皮肉で絶望的な状況を支えました。

  • チャン将軍:クリストファー・プラマー/麦人

    眼帯を付けたクリンゴンの将軍。
    シェイクスピアを愛し、戦いを芸術と捉える知的な悪役です。
    遮蔽装置を作動させたまま魚雷を発射できる試作艦を操り、カークたちを追い詰めます。

  • ヴァレリス大尉:キム・キャトラル/麻生侑里

    スポックが目をかける優秀なバルカン人の士官。
    論理的な思考の末に、ある重大な決断を下しています。
    演じるキム・キャトラルは、後に『セックス・アンド・ザ・シティ』のサマンサ役で大ブレイクしました。

  • ヒカル・スールー(ミスター加藤):ジョージ・タケイ/坂東尚樹(新録版)

    ついに自身の艦を持つ艦長として登場。
    カーク船長への忠誠心と、艦長としての判断力を見せる姿は、長年のファンにとって感慨深いものがあります。

『スタートレック6 未知の世界』のキャストの代表作品と経歴

クリストファー・プラマー(チャン将軍役)

『サウンド・オブ・ミュージック』のトラップ大佐役で有名な名優です。
晩年も『ゲティ家の身代金』や『ナイブズ・アウト』などで重厚な演技を見せました。
ウィリアム・シャトナーとは舞台俳優時代からの旧知の仲であり、その縁で出演が決まりました。

キム・キャトラル(ヴァレリス役)

当初は『スタートレック2』のサーヴィック役のオファーがありましたが、スケジュールの都合などで実現せず、本作で念願の出演となりました。
彼女の考案したバルカン人のヘアスタイルは、その後の作品にも影響を与えています。

『スタートレック6 未知の世界』のまとめ(社会的評価と影響)

『スタートレック6 未知の世界』は、批評家からもファンからも絶賛されました。
Rotten Tomatoesでは高いスコアを記録し、「シリーズで最も知的でスリリングな作品」と評されています。
SFという枠組みを使って、現実の政治問題(冷戦の雪解けへの戸惑い)を描くという『スタートレック』本来の精神を見事に体現しました。
そして何より、カーク船長たちの物語をこれ以上ないほど美しく完結させた功績は計り知れません。
この映画の後、バトンはピカード艦長率いる『新スタートレック(TNG)』へと完全に渡されました。
一つの時代の終わりと、新たな未来への希望を描いた、SF映画史に残る傑作です。

作品関連商品

  • Blu-ray:『スター・トレック VI 未知の世界 リマスター版』
    (暗い宇宙空間での戦闘シーンや、クリンゴンの血の色などが鮮明に再現されています)
  • サントラ:クリフ・エイデルマン作曲『Star Trek VI: The Undiscovered Country』
    (ホルストの『惑星』を思わせる、ダークで重厚なオープニング曲はシリーズ屈指のカッコよさです)
  • 書籍:『キャプテンの航海日誌』ウィリアム・シャトナー著
    (監督や共演者との確執や裏話など、シャトナー視点で描かれた自伝的メイキング本)


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