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【シリーズ最高傑作】『スタートレック ファースト・コンタクト』徹底解説!ボーグの恐怖と人類初のワープが描く感動の起源

SF
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『スタートレック ファースト・コンタクト』の概要

1996年に公開された『スタートレック ファースト・コンタクト』(原題:Star Trek: First Contact)は、映画版シリーズ第8作目であり、TNG(新スタートレック)単独キャストによる初の劇場版作品です。
本作は、多くの批評家やファンから「『カーンの逆襲』に並ぶ、あるいはそれを超えるシリーズ最高傑作」と絶賛されています。
その理由は、シリーズ屈指の人気と恐怖を誇る機械生命体「ボーグ」がメインヴィランとして登場し、手に汗握る船内攻防戦(アクション・ホラー)が展開される一方で、人類が初めてワープ航法に成功し、異星人と接触する「スタートレック世界の夜明け」が感動的に描かれている点にあります。
監督は、ライカー副長役でおなじみのジョナサン・フレイクスが初メガホンを取り、その手腕を高く評価されました。
ピカード艦長の過去のトラウマとの対峙、データ少佐の人間性への誘惑、そして歴史を変えようとする敵とのタイムトラベル戦。
SF映画としての完成度が極めて高く、シリーズ未見の人でも十分に楽しめるエンターテインメント大作を徹底解説します。

『スタートレック ファースト・コンタクト』の予告編

『スタートレック ファースト・コンタクト』の詳細(徹底解説)

あらすじ:2063年、運命の前日

西暦2373年、宿敵ボーグが再び地球への侵攻を開始します。
ピカード艦長率いる新造艦「エンタープライズE」は命令に背いて参戦し、ボーグ・キューブを撃破しますが、脱出した小型球体船が過去へのタイムトラベルを敢行。
ピカードたちも時空の渦へ飛び込み、到着したのは西暦2063年4月4日の地球でした。
そこは第三次世界大戦による核戦争で荒廃した世界。
翌日の4月5日は、科学者ゼフラム・コクレーンが人類初のワープ飛行を行い、それを探知したバルカン人が地球を訪れる「ファースト・コンタクト」の日でした。
ボーグの目的は、この歴史的偉業を阻止し、人類を過去から同化すること。
ピカードたちは、地上のコクレーン博士を護衛するチームと、エンタープライズに侵入したボーグを迎撃するチームに分かれ、過去と未来を守る戦いに挑みます。

アクション・ホラーとしてのボーグ戦

本作のエンタープライズ船内の描写は、完全に『エイリアン』のようなSFホラーです。
ボーグはクルーを次々と捕らえ、ナノプローブを注入して即座に機械化(同化)していきます。
かつて自身も同化され「ロキュータス」となったトラウマを持つピカードは、冷静さを失い、復讐の鬼と化していきます。
「もう犠牲は出させない!(The line must be drawn here! This far, no further!)」と叫び、部下の犠牲も厭わず戦おうとするピカードの姿は、小説『白鯨』のエイハブ船長に重ね合わされており、物語に深い文学性を与えています。
また、新たに登場した「ボーグ・クイーン」の妖艶かつグロテスクな造形は、集合意識の化身として強烈なインパクトを残しました。

「歴史上の偉人」の真実

一方、地上パートでは、伝説の偉人ゼフラム・コクレーンの意外な素顔が描かれます。
教科書では高潔な英雄として語られる彼ですが、実際は金と酒とロックンロールを愛する、ただの偏屈な親父でした。
「人類の未来のため」など考えてもおらず、ただ金持ちになって南の島へ行きたいだけ。
そんな彼が、未来から来たクルーたちの期待に押しつぶされそうになりながらも、最後には科学者としての魂を見せ、伝説のワープシップ「フェニックス号」を宇宙へ飛ばす過程は、ユーモアと感動に満ちています。
BGMにステッペンウルフの「Magic Carpet Ride」を流しながら発進するシーンは、シリーズ屈指の名場面です。

新エンタープライズEの美しさ

前作で失われたD型に代わり、本作からソヴェリン級「USSエンタープライズNCC-1701-E」が登場します。
より戦闘的で流線型のシルエットを持ち、量子魚雷などの最新武装を搭載。
広々としていたD型のブリッジとは異なり、機能的で少し薄暗い船内デザインは、本作のシリアスなトーンに見事にマッチしています。
このE型は、多くのファンから「最も美しいエンタープライズ」の一つとして愛されています。

制作秘話とトリビア

  • 監督ジョナサン・フレイクス:ライカー役の彼は「エイリアン2とジョーズを足したような映画にしたい」と考え、スリリングな演出を徹底しました。その手腕が認められ、続く第9作『叛乱』の監督も任されました。
  • カメオ出演:エンタープライズのホロデッキのシーンで、ナイトクラブのドアマンとしてイーサン・フィリップス(『ヴォイジャー』のニーリックス役)が素顔で出演しています。また、ロバート・ピカード(『ヴォイジャー』のドクター役)もEMH(緊急用医療ホログラム)として登場し、「私は医者だ、ドアストッパーではない!」という名言を残します。
  • トム・ハンクス:ゼフラム・コクレーン役には当初トム・ハンクスが候補に挙がっていましたが、スケジュールの都合で実現しませんでした。しかし、ジェームズ・クロムウェルの演じるコクレーンが見事にはまり役となりました。

『スタートレック ファースト・コンタクト』のキャストとキャラクター紹介

  • ジャン=リュック・ピカード:パトリック・スチュワート/麦人

    過去のトラウマと戦う、これまでになく感情的で激しい艦長。
    タンクトップ姿でフェイザーライフルを構えるアクションスターのような活躍を見せます。
    リリーとの対話を経て、復讐心という自らの「内なるボーグ」を克服します。

  • データ:ブレント・スパイナー/大塚芳忠

    感情チップをOFFにできず、ボーグ・クイーンに「人間の皮膚」という誘惑を与えられ、忠誠心を試されます。
    0.68秒という人間の知覚できない速さでの葛藤と決断が見どころです。

  • ウィリアム・T・ライカー:ジョナサン・フレイクス/大塚明夫

    監督兼任。
    地上チームを指揮し、変人コクレーンをなだめすかしてロケット発射へと導く、頼れる副長です。
    コクレーンとのコミカルな掛け合いが、映画の緊張感を和らげています。

  • ボーグ・クイーン:アリス・クリーグ/野沢由香里

    集合体(コレクティブ)に個をもたらす存在。
    頭部と脊髄だけで降下してきてボディと合体する初登場シーンは、SF映画史に残る名VFXシーンです。
    官能的でありながら無機質という矛盾した恐怖を見事に演じました。

  • ゼフラム・コクレーン:ジェームズ・クロムウェル/坂口芳貞

    ワープドライブの発明者。
    偉人として崇められることを嫌がり逃げ回りますが、リリーやジョーディの言葉に動かされ、歴史を変える一歩を踏み出します。
    演じるクロムウェルは、映画『ベイブ』の牧場主役でも有名です。

  • リリー・スローン:アルフレ・ウッダード/小宮和枝

    コクレーンの助手の女性。
    21世紀の一般人としての視点を持ち、暴走するピカードに対して「あなたはエイハブよ!」と平手打ちして諫める重要な役どころです。

『スタートレック ファースト・コンタクト』のキャストの代表作品と経歴

パトリック・スチュワート(ピカード役)

ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー出身の名優。
『X-メン』シリーズのプロフェッサーX役としても世界的に有名です。
その威厳ある演技は、SFドラマの地位を一段高いものへと押し上げました。

ジョナサン・フレイクス(監督・ライカー役)

俳優としてだけでなく、監督としても大成功を収めました。
本作以降も『スタートレック』シリーズの映画やドラマ(『ディスカバリー』『ピカード』など)のエピソード監督を数多く務め、ミスター・スタートレックの一人として活躍し続けています。

『スタートレック ファースト・コンタクト』のまとめ(社会的評価と影響)

『スタートレック ファースト・コンタクト』は、シリーズで最も高い興行収入(インフレ調整前)を記録した作品の一つであり、Rotten Tomatoesでも90%以上の支持を得ています。
ジェリー・ゴールドスミスによる壮大で美しいメインテーマは、シリーズの代名詞的な楽曲となりました。
何より、ラストシーンでバルカン船が着陸し、フードを取ったバルカン人が「長寿と繁栄を」の挨拶をし、コクレーンがおっかなびっくり手を振り返すシーン。
これが、その後数百年にわたる「スタートレック」のすべての物語の始まり(First Contact)なのだと実感させられる瞬間は、何度見ても鳥肌が立つほどの感動を与えてくれます。
「未来は自分たちで作るものだ」というコクレーンの言葉通り、希望に満ちたラストは必見です。

作品関連商品

  • Blu-ray:『スター・トレック ファースト・コンタクト 4K UHD MovieNEX』
    (暗い船内のディテールや、宇宙空間での戦闘、ボーグのメイクの質感が4Kで鮮明に楽しめます)
  • サントラ:ジェリー・ゴールドスミス作曲『Star Trek: First Contact』
    (美しく厳かなメインテーマと、金属的な音を使用したボーグのテーマの対比が素晴らしい名盤)
  • プラモデル:AMT 1/1400 USSエンタープライズE
    (流麗なフォルムを持つE型艦は、模型ファンにも非常に人気が高いキットです)


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