YouTubeで「スタートレック:ディープ・スペース・ナイン」
概要
『スタートレック:ディープ・スペース・ナイン』(原題:Star Trek: Deep Space Nine、略称:DS9)は、1993年から1999年にかけて放送されたSFテレビドラマシリーズです。
『宇宙大作戦(TOS)』、『新スタートレック(TNG)』に続く、スタートレックシリーズの第3作目にあたります。
これまでのシリーズが宇宙船エンタープライズ号による「探査」と「移動」をテーマにしていたのに対し、本作は辺境の宇宙ステーションを舞台にした「定住」と「政治・宗教・戦争」を描く群像劇です。
惑星連邦と、かつてその地を占領していたカーデシア連合、そしてステーションが軌道を回る惑星ベイジョーの複雑な関係性が物語の核となります。
さらに、銀河の反対側「ガンマ宇宙域」へと続く安定したワームホールが発見されたことで、ステーションは銀河系における戦略上の最重要拠点となります。
ベンジャミン・シスコ司令官を中心とした多様な種族のクルーたちが、異文化との衝突や戦争、そして個人のアイデンティティに葛藤する姿を描いた、シリーズ屈指の異色作にして最高傑作との呼び声高い作品です。
オープニング
詳細
物語は、ボーグとの戦いで妻を亡くし、失意の中にあるベンジャミン・シスコ中佐が、荒廃した宇宙ステーション「ディープ・スペース・ナイン(旧名:テロック・ノール)」の司令官として着任するところから始まります。
彼の任務は、カーデシアの占領から解放されたばかりの惑星ベイジョーの復興支援と、連邦への加盟準備を進めることでした。
しかし、ステーションのすぐ近くに、銀河の遥か彼方「ガンマ宇宙域」へ瞬時に移動できるワームホールが発見されたことで事態は一変します。
このワームホールは、ベイジョー人にとっては信仰の対象である「天の神殿」であり、シスコはその神殿の預言者から選ばれた「選ばれし者(使者)」としての役割も担うことになります。
物語中盤からは、ガンマ宇宙域を支配する強大な軍事国家「ドミニオン」との接触、そして泥沼の全面戦争へと突入していきます。
従来のスタートレックが掲げてきた「理想的な未来」だけでなく、戦争の現実、スパイ活動、虐殺、裏切りといった暗く重いテーマにも踏み込んでいます。
特に、秘密組織「セクション31」の暗躍や、エピソード「月影の裏側」で見られるような正義のための道徳的妥協は、ファンの間で大きな議論と称賛を呼びました。
また、宇宙艦隊士官だけでなく、保安主任のオドー(流動体生物)、元テロリストのキラ副司令官、フェレンギ人の酒場オーナーであるクワーク、謎多き仕立屋ガラックなど、連邦の規律に縛られない魅力的なキャラクターたちが物語に深みを与えています。
シーズン3からは宇宙船「ディファイアント」が配備され、シーズン4からはTNGの人気キャラクターであるウォーフがレギュラーに加わるなど、アクション要素やシリーズ間のクロスオーバーも強化されました。
キャスト
- ベンジャミン・シスコ:エイヴリー・ブルックス
(代表作:『スペンサー・フォー・ハイア』、『アメリカン・ヒストリーX』、『ビッグ・ヒット』) - キラ・ネリス:ナナ・ヴィジター
(代表作:『ダーク・エンジェル』、『13日の金曜日』、『テッド2』) - オドー:ルネ・オーベルジョノワ
(代表作:『M*A*S*H マッシュ』、『リトル・マーメイド(ルイ役)』、『ボストン・リーガル』) - ジャッジア・ダックス:テリー・ファレル
(代表作:『ヘルレイザー3』、『バック・トゥ・スクール』) - ウォーフ:マイケル・ドーン
(代表作:『新スタートレック』、『テッド2』、『サンタクロース』) - ジュリアン・ベシア:アレクサンダー・シディグ
(代表作:『ゲーム・オブ・スローンズ』、『キングダム・オブ・ヘブン』、『ピーキー・ブラインダーズ』) - マイルズ・オブライエン:コルム・ミーニイ
(代表作:『コン・エアー』、『レイヤー・ケーキ』、『ヘル・オン・ウィールズ』) - クワーク:アーミン・シマーマン
(代表作:『バフィー 〜恋する十字架〜』、『バイオショック(アンドリュー・ライアン役)』、『ラチェット&クランク』)
まとめ
放送当時は、宇宙船で旅をしないスタイルや、全体に漂うダークな雰囲気が従来のファンの間で賛否両論を巻き起こしました。
しかし、1話完結型が主流だった時代に、シーズンを通して大きな物語を描く「連続ドラマ形式(シリアル・ストーリーテリング)」を大胆に導入した先見性は、現在高く評価されています。
戦争という極限状態における人間ドラマ、宗教と科学の対立と融和、人種差別や植民地支配への鋭い風刺は、現代社会においても色褪せない普遍的なテーマです。
2019年にはドキュメンタリー映画『What We Left Behind』が公開され、出演者や制作陣が当時の苦労や作品への愛を語り、ハイビジョン化された映像が披露されたことで再評価の熱が高まりました。
「スタートレックの異端児」として生まれたDS9は、今や「最も脚本が優れ、キャラクターが深く掘り下げられたシリーズ」として、多くのファンに愛される作品となっています。
作品関連商品
- Blu-ray BOX『スター・トレック:ディープ・スペース・ナイン コンプリート・シリーズ』
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- ドキュメンタリーBlu-ray『What We Left Behind: Looking Back at Star Trek: Deep Space Nine』
- プラモデル『AMT 1/2500 ディープ・スペース・ナイン』
- 書籍『Deep Space Nine Companion』
- 関連小説『Star Trek: Deep Space Nine: Millennium』シリーズ
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